コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ウスリースクが起工された
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年12月26日11時17分配信
【『アムール造船工場』で太平洋艦隊の為の第3の「カリブル-NK」ミサイル搭載小型ロケット艦が起工された】
本日(12月26日)、コムソモリスク・ナ・アムーレ市の公開株式会社『アムール造船工場』で、「ウスリースク」の名を受けた太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト22800小型ロケット艦の起工式典が開催された。
太平洋艦隊からは式典へ艦隊副司令官(軍備担当)イーゴリ・コロリョーフ少将が出席した。
この最新艦の建造は、国防省と締結した太平洋艦隊の為に6隻のプロジェクト22800艦を建造する契約の枠組みで行なわれる。
これらの小型ロケット艦の内の4隻はアムールの企業の建造が計画されており、2隻は今年7月1日に起工された。
本日に起工された艦は、2020年以降の就役が予定されている。
プロジェクト22800小型ロケット艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された。
艦の長さは67メートル、幅11メートル、吃水4メートル。
主動力装置はディーゼルエレクトリックである。
最大速力30ノット、航続距離2500海里、自立航行期間15日。
小型ロケット艦の兵装は、76mm汎用砲兵器と高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、更に打撃有翼ミサイル複合体「カリブル-NK」である。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-239)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、『アルマーズ』設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦

プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに14隻が起工されています。
最初の2隻:「ウラガーン」と「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]
「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]
「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、2019年10月12日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[カラクルト級小型ロケット艦2番艦ソヴィェツクはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
2016年5月10日、クリミア半島のフェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)で「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
2016年7月29日、『ペラ』造船所で「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]
2016年12月24日、『ペラ』造船所で「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]
2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場で「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]
2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場で「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]
これで『ペラ』造船所及びフェオドシヤ造船工場契約分7隻は全て起工されました。

ロシア内陸部タタールスタン共和国の『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]
『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島のケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]

「ツィクロン」Циклон(工場番号801):2016年起工
「アスコルド」Аскольд(工場番号802):2016年起工
「アムール」Амур(工場番号803):2017年7月30日起工
2019年2月26日、今度は『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」Туча(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
2019年9月11日、5隻目の「カラクルト」(工場番号805)となる「タイフーン」が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
これで、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻も全て起工されました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所は2021年までに5隻のカラクルト級小型ロケット艦をロシア海軍へ引き渡す]
極東の造船所でも6隻の「カラクルト」級小型ロケット艦が建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦6隻の建造契約は2019年に締結される]
その最初の2隻~「ルジェフ」及び「ウドムリャ」は2019年7月1日に起工されました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ルジェフとウドムリャが起工された]
そして3隻目となる「ウスリースク」は2019年12月26日に起工されました。

- 関連記事
-
- ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボは造船所の岸壁で係留試験を開始した
- タタールスタンのゼレノドリスク造船所は2022年10月までに5隻のカラクルト級小型ロケット艦をロシア海軍へ引き渡す
- コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ウスリースクが起工された
- 高射複合体パーンツィリ-Mを装備するカラクルト級小型ロケット艦3番艦シクヴァル改めオジンツォボは洋上試験の準備を進めている
- ロシア海軍の為にクリミアで建造されたカラクルト級小型ロケット艦コゼリスク(シトルム)はサンクトペテルブルクで艤装を行なう
スポンサーサイト