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ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスはアラビア海でアメリカ海軍駆逐艦と異常接近した

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『タス通信』より
2020年1月10日
【(ロシア)国防省はアラビア海におけるアメリカ合衆国の駆逐艦と(ロシア)海軍の艦との危険な接近へ反論した】
モスクワ、1月10日/タス通信

ロシア国防省は、ロシアの艦が駆逐艦「ファラガット」へ危険な接近を行なったというアメリカ合衆国海軍第5艦隊の声明は、事実に即してないと表明した。
金曜日、ロシア軍当局は発表した。

「アメリカ合衆国海軍第5艦隊の代理人が言いふらしているアラビア海においてロシアの艦が駆逐艦ファラガットへ『危険な』接近を行なったなどと言う声明は、事実に即しておりません」
声明では、こう述べられた。

アメリカ合衆国駆逐艦は、アラビア海ロシア艦の航路を横切り、アメリカの乗組員は素人めいた行動を行なったと国防省は見ている。
当局は、1972年の海上における船舶衝突の予防の為の国際規則に関する条約では、船が交差する航路を進むケースにおいては、右側へ干渉する側が進路を譲らなければならない事が定められていると指摘した。

「このように、2020年1月9日にロシア軍艦の前方の左側コースを進んでいたアメリカ合衆国海軍の駆逐艦は、海上船舶衝突防止に関する国際条約に違反し、進路を横切る操艦を行ないました」
国防省
は話した。
ロシア当局によると、アメリカ合衆国駆逐艦乗組員の素人めいた行動は「国際海上安全基準に対する故意の違反であります」

更に当局は説明した。
「ロシア軍艦の乗組員は、侵入側の艦との衝突を回避する為の操艦を実行し、プロ意識に基づいて行動しました」
国防省
が指摘したこの事実は、ツイッターで公開されたアメリカ合衆国海軍第5艦隊駆逐艦の艦上からの動画に記録されている。

以前、アメリカ合衆国第5艦隊は、ロシア艦駆逐艦へ危険な接近を行なったと非難する声明を発表した。
更に、ロシアプロジェクト18280偵察艦「イワン・フルス」が写った動画が添付された。



ロシア海軍プロジェクト18280中型偵察艦の2番艦「イワン・フルス」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]

起工から3年半後の2017年5月16日に進水しました。
[ロシア海軍の為の新世代偵察艦イワン・フルスはサンクトペテルブルクで進水した]



「イワン・フルス」は2017年5月末から造船所の岸壁で係留試験を開始し、2018年2月7日に工場航行試験へと出発しました。

[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは洋上試験を開始した]

それから2ヶ月以上経った4月20日の時点で、工場航行試験は80パーセントが完了していました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスはバルト海で洋上試験を行なっている]

「イワン・フルス」は4月27日までにサンクトペテルブルク『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは工場航行試験を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

その後、5月中旬から最終試験となる国家受領試験が始まり、6月18日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは全ての試験を完了した]

そして6月25日、「イワン・フルス」は、『北方造船所』で正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト18280偵察艦の2番艦イワン・フルスはロシア海軍へ就役した]

「イワン・フルス」は、2017年4月27日にトルコ沖で民間船と衝突して沈没した偵察艦「リマン」の代わりとして、黒海艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦リマンはイスタンブール沖で民間船と衝突し沈没した]

「イワン・フルス」は就役後も暫くはバルト海に留まっていましたが、2018年12月末に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ回航されました。
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2019年初頭からは、黒海へ進入するアメリカ海軍の軍艦の監視任務に就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスと哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海へ進入したNATOのフリゲートを監視する]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォと偵察艦イワン・フルスは黒海へ進入したアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックを監視する]

以後も黒海でのみ活動していた「イワン・フルス」でしたが、2019年11月30日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭偵察艦イワン・フルスは地中海へ入った]

その後、「イワン・フルス」スエズ運河を通過して紅海へ入り、アラビア海へ進出しました。

2020年1月9日、アラビア海で行動中の「イワン・フルス」は、アメリカ海軍ミサイル駆逐艦「ファラガット」と異常接近しました。

アメリカ海軍ロシアを非難する声明を出しましたが、これに対し、ロシア国防省は、国際法(1972年の海上における衝突の予防の為の国際規則に関する条約)に照らし合わせると、この場合、航路の優先権は「イワン・フルス」に有ったと主張しています。

ロシア国防省が言ってるのは、いわゆる「スターボード艇優先の原則」のようです。
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