タタールスタンのゼレノドリスク造船所は2022年10月までに5隻のカラクルト級小型ロケット艦をロシア海軍へ引き渡す

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年1月27日3時57分配信
【「カリブル」を有する小型ロケット艦「カラクルト」5隻は2022年10月に引き渡される】
モスクワ、1月27日-ロシア通信社ノーボスチ
『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で建造されるプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦5隻のシリーズの最終艦は、2022年10月にロシア海軍への引き渡しを計画している。
『ロシア通信社ノーボスチ』は同社の代理人より伝えられた。
「プロジェクト22800艦の5隻のシリーズは、2022年10月に御引き渡しします」
対談者は話した。
彼は、シリーズが続く可能性を排除しなかった。
「このシリーズの継続と、これらの艦の更なる建造の決定は、既に海軍へ引き渡されている艦の運用経験を基にして採択されます」
工場の代理人は指摘した。
プロジェクト22800小型ロケット艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された。
艦の全長は67メートル、幅11メートル、吃水4メートル。
小型ロケット艦の兵装は、76mm汎用砲兵器と高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、更に打撃有翼ミサイル複合体「カリブル-NK」である。
ゼレノドリスク工場に加え、アムール造船工場、造船工場『ペラ』、東方造船所でも建造される。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-239)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、『アルマーズ』設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦

プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに15隻が起工され、この内の2隻がロシア海軍へ引き渡されています。
最初の2隻:「ウラガーン」(工場番号251)と「タイフーン」(工場番号252)は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]
「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、2019年10月12日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[カラクルト級小型ロケット艦2番艦ソヴィェツクはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
2016年5月10日、クリミア半島のフェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)で「シトルム」(工場番号254)が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
「シトルム」改め「コゼリスク」は2019年10月9日に進水し、艤装を行なう為、『ペラ』造船所へ回航されました。
[ロシア海軍の為にクリミアで建造されたカラクルト級小型ロケット艦コゼリスク(シトルム)はサンクトペテルブルクで艤装を行なう]
2016年7月29日、『ペラ』造船所で「シクヴァル」(工場番号253)が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」改め「オジンツォボ」は2018年5月5日に進水し、洋上試験の準備が進められています。
[高射複合体パーンツィリ-Mを装備するカラクルト級小型ロケット艦3番艦シクヴァル改めオジンツォボは洋上試験の準備を進めている]
2016年12月24日、『ペラ』造船所で「ブーリャ」(工場番号257)が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]
2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場で「オホーツク」(工場番号255)が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]
2019年10月29日に進水し、艤装の為、『ペラ』造船所へ回航されました。
2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場で「ヴィフリ」(工場番号256)が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]
2019年11月13日に進水し、艤装の為、『ペラ』造船所へ回航されました。
「オホーツク」と「ヴィフリ」

これで『ペラ』造船所と、その下請けのフェオドシヤ造船工場の契約分7隻は全て起工されました。

ロシア内陸部タタールスタン共和国の『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]
『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島のケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]

「ツィクロン」(工場番号801):2016年起工
「アスコルド」(工場番号802):2016年起工
「アムール」(工場番号803):2017年7月30日起工

2019年2月26日、今度は『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
5隻目の「タイフーン」(工場番号805)は2019年9月11日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
これで『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻も全て起工されました。
1隻目の「ツィクロン」は2020年末、5隻目の「タイフーン」は2022年10月にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
この他、6隻の「カラクルト」級小型ロケット艦が極東の造船所で建造されます。
2019年7月1日、コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』で「ルジェフ」(工場番号201)と「ウドムリャ」(工場番号202)が起工されました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ルジェフとウドムリャが起工された]
2019年12月26日、『アムール造船工場』で「ウスリースク」(工場番号204)が起工されました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ウスリースクが起工された]
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