ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極大陸へ到着した

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年1月28日0時40分配信
【(ロシア)海軍の調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と「ヤンターリ」は、ロシア船員による第6大陸発見200周年を祝う為に南極へ到着した】
モスクワ、1月28日、インタファクス
ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と「ヤンターリ」は、1月28日に「べリングスハウゼン」ステーションで開催されるロシア船員による第6大陸発見200周年を記念する祝賀行事へ参加する為、南極沿岸へ到着した。
火曜日、ロシア連邦国防省下の海軍情報・マスコミュニケーション部の代表イーゴリ・ディガロ1等海佐は発表した。
「双方の船はマクスウェル湾の泊地へ入りました、
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将が述べたように、現在、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将の決定に沿って、南極発見200周年及びイワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へ捧げられる世界一周大洋探検が行なわれております。
探検には、海軍の複数の大洋研究船及び測量船が参加しております。
探検中、定められた航路上で、大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーへ、他のロシア海軍の測量船及び調査船~具体的には、測量船マルシャル・ゲロヴァーニと大洋研究調査船ヤンターリが合流します」
ディガロは話した。
彼は、探検は、ロシア地理学協会との綿密な連携により、2019年12月から2020年6月まで実施されると説明した。
行程は、南極発見記念日の2020年1月28日に大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と「ヤンターリ」がロシアの南極ステーション「べリングスハウゼン」へ到着し、ステーションの要員と合同で記念行事を行なうように計画されている。
その過程で、特殊な海底地形データを取得し、南極を洗う海での海洋学及び水文気象学の研究により、気候データベースの大幅な充足が可能となる。
「国際航海地図を現代の水準で作成し、保持するというロシア連邦の国際的義務に沿って、ベリングスハウゼン海での水路作業が計画されており、その資料により、1998年発行のロシア航海地図INT9172の改定が可能となります。
航路測定データは、全ての海と大洋の航海地図の情報を明確化する為に使用されます。
デュルヴィル海では、南磁極の位置を明確する為の作業が計画されております」
国防省下の海軍の代理人は説明した。
プロジェクト852大洋研究調査船の3番船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、ポーランドで1973年12月1日に起工され、1974年4月4日に進水、1975年5月31日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
1990年から1994年までポーランドでオーバーホールを行ない、その後、バルト艦隊へ転属し、クロンシュタットへ回航されました。
2014年8月18日には北極海遠征に出発し、北極海を横断して10月下旬にはウラジオストクへ入港しました。
その後、太平洋を横断してパナマ運河を通過し、カリブ海へ行き、大西洋を横断して2015年1月17日にクロンシュタットへ帰投しました。
2015年11月6日には南極遠征へ出発し、2016年4月に帰投しました。
この間、アルジェ(アルジェリア)、スエズ(エジプト)、ジッダ(サウジアラビア)、ヴィクトリア(セーシェル諸島)、マダガスカル、マプト(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ)、マラボ(赤道ギニア)、ルアンダ(アンゴラ)、リスボン(ポルトガル)を訪問しました。
南極遠征
帰港
なお、この「アドミラル・ウラジーミルスキー」の南極遠征に関し、全く根も葉もないデマを流布している者達が居ます。
2016年3月21日
【古代プラズマ兵器「ガブリエルの箱舟」ついに発見される!? 現在プーチンが南極に輸送中!】
2016年3月24日
【ガブリエルの箱舟】
2017年3月20日
【ロシア海軍が南極に運んだ究極のプラズマ兵器「ガブリエルのアーク」】
無論言うまでもなく、これらのページに書いてある事は全てデタラメです。
少し・・・頭冷やそうか・・・

2017年12月にはインド洋の調査航海へ出発しました。
なお、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には、2018年3月の時点で17名の女性乗組員が居ました。
(同船は乗組員170名+研究要員80名)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月8日3時1分配信
【(ロシア)海軍総司令官は国際女性デーに艦隊の女性(将兵)への祝辞を述べた】
2018年5月末にはシチリア島へ到着しました。
2018年6月8日に帰投しました。
2018年7月初頭からクロンシュタットでオーバーホール及び近代化改装が始まりました。

オーバーホール完了後、2019年11月に洋上試験を行ない、バルト艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはオーバーホール後の航行試験を開始した]
2019年12月3日にクロンシュタットを出航し、南極調査航海へ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年に南極へ行く]
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極調査航海へ出発した]
2019年12月12日にはポルトガルのリスボンへ寄港し、大西洋中部で2020年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイと大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは洋上で新年を迎える]


2020年1月11日から15日までブラジルのリオデジャネイロを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月15日1時2分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はリオデジャネイロ港への業務寄港を完了した】
2020年1月19日から21日までウルグアイのモンテビデオを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月19日22時15分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへ入った】

その後、北方艦隊のプロジェクト22010海洋学調査船「ヤンターリ」(2015年5月23日就役)と合流し、1月27日に南極のべリングスハウゼン基地へ到着しました。

記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、生誕250周年は2020年11月19日になります。

この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)
今回の南極調査航海には、「アドミラル・ウラジーミルスキー」と「ヤンターリ」の他に、太平洋艦隊のプロジェクト862測量船「マルシャル・ゲロヴァーニ」(1983年7月29日就役)も参加します。

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