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ロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦チグルの近代化改装は2023年末に完了する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年2月3日9時35分配信
【多目的原子力潜水艦「チグル」は2024年の復帰が約束された】

現在、工場『ネルパ』に居るプロジェクト971(コード名「シチューカ-B」)多目的原子力潜水艦「チグル」は、2023年末までに戦闘当直へ復帰する。
2月3日・月曜日、『イズベスチヤ』はロシア連邦国防省の情報提供者の談話を引用して報じた。


修理及び近代化が完了した後、潜水艦は兵装として有翼ミサイル「カリブル」を受け取り、打撃力は大幅に増大する。
これにより、「チグル」は、その主な素質~静音性を保持すると対談者は指摘した。

「当時、このような多目的潜水艦は、間違いなく最高でした。
それは、アメリカの同類であるロスアンジェルス級を超えておりました。
それは、依然として、最も静粛なものの1つのままです。
これは、沿岸水域を保護する対潜作戦と、敵の交通線に対する活動の為に開発されました」
軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフ
『イズベスチヤ』へ話した。

全ての作業が完了した後、「チグル」は少なくとも5年は海軍で勤務すると専門家は見ている。

プロジェクト971原子力潜水艦「チグル」『セヴマシュ』で建造され、1994年に就役した。
「シチューカ-B」の兵装は、魚雷、機雷、対艦ミサイルと対潜ミサイルで構成される。
これらは、4門の533mm魚雷発射管及び4門の650mm魚雷発射管から発射される。
プロジェクト971潜水艦は深度600メートルに到達し、水中位置を30ノットで移動できる。

この数年間、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』及び工場『ネルパ』の造船台には、8隻までのプロジェクト971多目的原子力潜水艦が在り、修理及び近代化を行なわなければならない。



プロジェクト971原子力大型潜水艦K-154は、1989年9月10日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で起工されました。

1991年4月1日に乗組員の編成が完了し、同年7月25日に「チグル」(タイガー)と命名されました。

1992年6月3日付で「原子力巡洋潜水艦」に分類変更されました。

1993年6月10日に『セヴマシュ』の造船台を出渠し、6月26日に進水しました。

1993年9月7日に原子炉が始動され、10月~11月に工場航行試験を実施し、11月18日~12月28日に国家試験を実施しました。
この間、11月19日に魚雷発射試験、11月24日にミサイル発射試験を行ないました。

1993年12月29日に受領-納入証書へ署名され、ロシア海軍へ納入されました。

1994年1月5日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1994年1月14日にヤーゲリナヤ湾の駐留基地ガジエヴォへ到着し、1月21日に北方艦隊第3潜水艦小艦隊第24潜水艦師団へ編入されました。
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1995年4月24日から7月9日まで原子力巡洋潜水艦K-461「ヴォルク」と共に大西洋で戦闘勤務に就きました。

1996年4月から6月まで原子力巡洋潜水艦「ヴォルク」と共に大西洋で戦闘勤務に就きました。

1997年4月、戦闘訓練中にタービンエンジンが故障し、補助ディーゼルを使って基地へ戻りました。

1998年10月、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』へ回航され、2002年12月まで修理が行なわれました。

2002年12月、北方艦隊第12潜水戦隊第24潜水艦師団へ復帰しました。
(第24潜水艦師団所属は変わらないが、その上部組織が変更された)

2003年3月から2004年1月までポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が行なわれました。
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2004年には北極海で新型機器の試験を兼ねた航海を行ないました。

その後も毎年バレンツ海などで行動し、2010年9月には親衛原子力巡洋潜水艦K-335「ゲパルト」と共に有翼ミサイルを発射しました。

2011年には北方艦隊潜水艦部隊第24潜水艦師団所属となりました。
(第24潜水艦師団所属は変わらないが、その上部組織が変更された)

2011年4月~6月には親衛原子力巡洋潜水艦「ゲパルト」と共に戦闘勤務へ就きました。

2011年末までに水中音響複合体(ソナー)の修理の為、スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』(艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の傘下)へ回航されました。
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2013年1月下旬までに復帰しました。
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2019年末までに再び艦船修理工場『ネルパ』へ回航されました。
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「チグル」『ネルパ』で近代化改装を行ない、有翼ミサイル「カリブル」の運用能力が付与されます。

「チグル」の他にも、少なくとも4隻の971原子力潜水艦(「レオパルド」、「ヴォルク」、「ブラーツク」、「サマーラ」)有翼ミサイル「カリブル」を装備するなどの近代化改装を行ないます。
[ロシア海軍のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦(アクラ級)は近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を装備する]
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