ロシア海軍黒海艦隊から除籍された大型対潜艦ケルチは2021年に解体される
- カテゴリ:ロシアの水上艦

『タス通信』より
2020年2月18日配信
【大型対潜艦「ケルチ」の解体の開始は2021年に計画されている】
モスクワ、2月18日/タス通信
以前には黒海艦隊の一員だったプロジェクト1134B/BF(コード名「ベルクト-B」)大型対潜艦「ケルチ」の解体は、2021年に開始できる。
『タス通信』は火曜日にクリミアの造船分野の情報提供者より伝えられた。
「主要な作業は2021年に計画されております」
対談者は話した。
以前、この前の土曜日に艦で海軍旗降納式典が行なわれた事が伝えられた。
これは、海軍からの除籍を意味する。
大型対潜艦「ケルチ」は、プロジェクト1134B/BFの最後の艦であった。
それは、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」の修理期間中に黒海艦隊の旗艦の役割を準備していたが、2014年11月4日の機関区画の火災で艦尾を損傷した事により運命は変わった。
2015年に国防省委員会は、「ケルチ」を艦隊の戦闘編制から除外し、予備役にする事を決定した。
これは、黒海艦隊に在籍する最後の大型対潜艦であった。
プロジェクト1134B「ベルクト-B」大型対潜艦「ケルチ」は、1971年4月30日に黒海沿岸のニコラエフ市の61コムーナ記念造船工場で起工され、1972年7月21日に進水し、1974年12月25日に就役しました。
[カーラ級ミサイル巡洋艦「ケルチ」就役35周年]

就役後は、度々地中海へ進出しました。
1985年から1988年までセヴァストーポリで修理を行ない、この時に新開発の3次元レーダー「ポドべレゾヴィク」を試験的に装備しました。

ソ連邦解体直後の1992年2月4日から16日まで地中海へ進出しました。

1994年4月27日から1997年6月12日まで黒海艦隊旗艦を務めました。

2005年1月~9月にノヴォロシースクでオーバーホールを行ないました。
[ノヴォロシースクのカーラ型ミサイル巡洋艦「ケルチ」(2005年)]
2009年11月25日にセヴァストーポリを出航する「ケルチ」
2011年6月、黒海へ入ってきたアメリカ合衆国海軍のミサイル巡洋艦CG-61「モンテレー」を約2週間に渡り追跡・監視したのが「ケルチ」の最後の外洋での活動となりました。
(その後も、セヴァストーポリで毎年実施される黒海艦隊の観艦式には参加していましたが)
[最後のカーラ級ミサイル巡洋艦ケルチ近影(2012年6月)]
大型対潜艦「ケルチ」艦内(2011年7月)
しかし、ロシア黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」のオーバーホールに伴い、同艦の代わりの黒海艦隊旗艦として復帰する事になり、修理が開始されました。
[最後のカーラ級ミサイル巡洋艦ケルチは2015年からロシア黒海艦隊旗艦となる]
[ロシア黒海艦隊の大型対潜艦ケルチは2015年末までに修理を終える]
その修理作業の最中の2014年11月4日に火災が発生しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型対潜艦ケルチで火災が発生した]
この火災により、機関室付近が燃えてしまいました。

その後、修理を続けるのか、或いは修理を断念して除籍、解体するのかを決める為、浮きドックへ入渠して損傷個所の調査が行なわれました。

その結果、機関室付近の損傷が激しく(機関室周辺のケーブル線などは全焼)、修理するのは高く付く事になり、艦齢40年の「ケルチ」には、そこまでする価値は無いという結論に達し、一転して解体される事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のカーラ級ミサイル巡洋艦ケルチは解体される]
2020年2月15日、ロシア海軍旗降納式典が開催され、正式に除籍されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型対潜艦ケルチは除籍された]




「ケルチ」の解体作業は2021年に行なわれる予定です。
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