ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は限定的なものとなる

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年2月20日13時28分配信
【情報筋:「ピョートル・ヴェリキー」の近代化のボリュームは減らされる】
プロジェクト11442(コード名「オルラーン」)重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の近代化は、主動力装置の修理及び更新に重点を置いて実施される。
『Mil.Press FLOT 』は、分野の状況に精通した情報提供者より伝えられた。
彼によると、他の作業は、資金供給を含む一連の要因により、著しく制限されるだろう。
艦と、そのシステムを考慮すれば、大規模な近代化の実行は、一連の試験-設計作業及び多額の資金が必要となると対談者は付け加えた。
同時に、「ピョートル・ヴェリキー」は、同型の「アドミラル・ナヒーモフ」と比べると、保管状態に在るわけでは無く、遥かに良好な状態に在り、主動力装置の修理後、長期に渡って使用できる。
他の分野の情報筋は、艦の完全な近代化にはケーブル線の再敷設の他に、著しい量の電気設備据付工事が必要になると『Mil.Press FLOT 』へ伝えた。
「この艦や、他の古い巡洋艦において最も問題となるものの1つは、乾燥し、崩れた絶縁の状態です」
彼は話した。
「他の弱点は、総合艦内システムの状態であり、それは、適時の整備と交換、例えば保護に大きく依存します」
このプロジェクト1144艦の船体は、かなり耐久力が有り、適時のドック修理が行なわれた場合、半世紀は使えると対談者は纏めた。
2020年2月、37歳のプロジェクト1164(コード名「アトラント」)ロケット巡洋艦「モスクワ」は、大掛かりな近代化を受けない事が知られるようになった。
[問題の経緯]
「ピョートル・ヴェリキー」の近代化は、2020年の開始が計画されていた。
艦の作業には、3年半から5年は掛かるだろう。
2017年、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、北方艦隊旗艦が修理へ送られるのは「まさしく」同型艦「アドミラル・ナヒーモフ」の作業完了と同時になると言った。
2018年、「ピョートル・ヴェリキー」の修理は「ナヒーモフ」の作業が完了するまでに始まるとメディアは伝えた。。
後者は、国防次官アレクセイ・クリヴォルチコによると、2022年末に海軍への引き渡しが計画されている。
2014年以来、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化は50パーセント進捗しているとクリヴォルチコは2019年9月に言った。
[『Mil.Press FLOT 』参照]
「ピョートル・ヴェリキー」は、プロジェクト1144(11442)コード名「オルラーン」重原子力ロケット巡洋艦シリーズの第4にして最後である。
それは1986年4月25日に「ユーリー・アンドロポフ」の名で『バルト工場』において起工され、1989年4月25日に進水した。

艦は、1998年に「ピョートル・ヴェリキー」の名で海軍へ加わった。
2019年秋、巡洋艦はプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」の試験へ参加した。
以後、北方艦隊旗艦の長期の出航についての情報は現れていない。
「アドミラル・ナヒーモフ」は、「オルラーン」シリーズの3番艦である。
1997年からは保管状態に在った。
その修理及び近代化の契約は、生産合同『セヴマシュ』と軍により2013年に署名された。
2014年、巡洋艦は同社の貯水池へ移動し、2016年に艦の機器は取り外された。
作業完了時期は、何度も延期された。
2019年春、『セヴマシュ』広報サービスは、「アドミラル・ナヒーモフ」が2020年に試験へ入ると確言した。
その後、近代化の完了は2021年に、次いで2022年末に延期された。
他の防衛産業の情報提供者によると、「オルラーン」の近代化中にプロジェクト11442艦は、(現用の「グラニート」に代わり)新たなミサイル「オーニクス」、「カリブル」、そして極超音速の「ツィルコン」への再装備が計画されている。
更に艦は、最新の高射ミサイル複合体、通信システム、航法システム、生活保障システム、その他の設置が予定されている。
ロシア北方艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1998年4月18日就役)は、2019年4月18日に就役21周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは就役21周年を迎えた]
2019年4月にはバレンツ海とノルウェー海で演習を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上演習を終えて母港へ帰投した]
2019年10月には、新型給油船「アカデミック・パシン」の洋上試験に参加し、同船から洋上補給を受けました。
[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバレンツ海で重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーへの洋上補給を行なった]
今後、「ピョートル・ヴェリキー」は近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は2020年に始まる]
以前には、「ピョートル・ヴェリキー」の近代化改装は、同型艦「アドミラル・ナヒーモフ」と同様の大規模なものが想定されていましたが、最近では、機関などの限定的なものとなる可能性が高いようです。
「アドミラル・ナヒーモフ」の大規模な近代化改装には500億ルーブルの費用が掛かりますが、この金額でプロジェクト22350フリゲートなら2隻は建造できます。
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