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新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキー、12月30日に納入?

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『ロシア通信社ノーボスチ』より

【海軍は2012年に原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」を軍備採用できる】
モスクワ、12月19日-ロシア通信社ノーボスチ

最新の戦略原子力潜水艦プロジェクト955(整理名「ボレイ」)「ユーリードルゴルーキー」は、2012年にロシア海軍の戦闘編制へ加入できる。
水曜日、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は記者団に伝えた。

以前、彼は、原子力潜水艦が2013年に軍備採用されると表明した。

「原子力潜水艦ユーリー・ドルゴルーキーの海軍の編制への加入については、各々のシステムの点検の最終段階の完了を条件とし、受領証明書への署名は、12月30日までに可能となります」
総司令官は話した。

彼は、業界の代表者が合同作業に合意している事を指摘した。
(業界とは)互いに理解している事をチルコフ氏は強調した。

更に彼は、最新の多用途原子力潜水艦 「セヴェロドヴィンスク」は2013年に(ロシア海軍の)編制へ加入すると伝えた。

「現在、潜水艦は全力試験を行なっております。
潜水艦の艦内に数多くの新たな技術システム及び兵器システムが存在する事を考慮し、今、海軍と業界の共同作業は活動段階にある事は注目されます。
この作業計画で、潜水艦の海軍への引き渡し過程を引き延ばすという目標は設定されておりません」

チルコフ氏は話した。
(2012年12月19日15時21分配信)


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[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

戦略原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、セヴェロドヴィンスク市の「生産合同セヴマシュ」で1996年11月2日に起工され、2007年4月15日に進水しました。
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2008年11月21日、原子炉が起動されました。
[新型戦略原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」、原子炉始動]

2009年6月18日、初めて海洋へ出航しました。
[新型戦略原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」、工廠航海試験開始]

2011年には4回の弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施し、全て成功しました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]
特に、8月27日の試験では9300kmの飛翔距離を記録しました。

2011年12月23日には「ブラヴァー」2発の一斉発射に成功しました。
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]

2012年10月下旬、当時のロシア連邦国防長官アナトーリー・セルジュコフ氏は、「ユーリー・ドルゴルーキー」の軍備採用(ロシア海軍への引き渡し)は2013年に延期されると発言しました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2013年に就役する]


しかし、その数日後、「ユーリー・ドルゴルーキー」を設計したルビーン海洋工学中央設計局のトップは、同艦の引き渡し準備は整っていると発言しました。
[新世代戦略原潜ボレイ級1、2番艦の引き渡し準備が整う]


ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督も、12月初頭に「ユーリー・ドルゴルーキー」の軍備採用は2013年に繰り延べされると発言しました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは就役前の「試験任務」を行なう]


今回のチルコフ提督の記者会見の数日前、「ユーリー・ドルゴルーキー」を建造したセヴェロドヴィンスク造船所(生産合同セヴマシュ)のトップであるミハイル・ブドニチェンコは、今年末までに「ユーリー・ドルゴルーキー」ロシア海軍へ引き渡す事が出来ると発言しています。

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
2012年12月18日配信
【原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は今年末までにロシア海軍へ引き渡せる-セヴマシュ】

彼が、チルコフ提督の言う「業界の代表者」という事になるようです。


この経緯から見て、「ユーリー・ドルゴルーキー」の軍備採用を2013年に延期する事を決定したのはセルジュコフ氏でしょう。

そのセルジュコフ氏が辞任した事により、「ユーリー・ドルゴルーキー」の2013年就役も「白紙撤回」されたのかもしれません。


なお、同日(12月19日)の記者会見において、チルコフ提督は、「ボレイ」級戦略原潜の3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」が12月30日に進水すると述べています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年12月19日15時20分配信
【原子力潜水艦「ウラジーミル・モノマーフ」は12月30日に「セヴマシュ」で進水する】
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