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ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ヴェルホトゥリエは2020年3月にオーバーホールを開始する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年2月20日15時59分配信
【水中巡洋艦「ヴェルホトゥリエ」は3月にドックへ入る】

2020年3月、プロジェクト667BDRM(コード名「デリフィン」)戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ヴェルホトゥリエ」は修理の為にドックへの設置が計画されている。
この情報は、『第82艦船修理工場』の買付文書に記載されている。


この買付データによると、『第82艦船修理工場』浮きドックPD-0002への「ヴェルホトゥリエ」の設置は3月に予定されている。
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特に、潜水艦機雷-魚雷発射管の修復が計画されている。
技術課題で述べられているように、作業中に魚雷発射管の管内部表面の保護材が交換され、防波シートの開閉機構の検査、魚雷装填装置の修復などが行なわれる。

作業は、2020年~2020年の北方艦隊艦船のドック修理作業実施に関し、ロシア連邦国防省『第82艦船修理工場』が2019年12月28日に締結した国家契約第2022187301131432209025360号の枠組みで行なわれる。

分野の情報筋が『Mil.Press FlotProm』へ話したように、「ヴェルホトゥリエ」は、プロジェクト667BDRM「デリフィン」戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の最も古い代表である。
「2019年には、潜水艦を艦隊から除籍するかもしれないという情報が出てきました。
ですが、プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルの引き渡し時期が延期され、これに代わるものは未だ無い為、巡洋艦は更に勤務する事になりました」

彼は話した。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
K-51「ヴェルホトゥリエ」
プロジェクト667BDRM「デリフィン」戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦は、第2世代原子力潜水艦に属する。
1981年2月23日に「ソヴィエト連邦共産党第26回大会記念」の名でセヴェロドヴィンスク『セヴマシュプレドプリャーチェ』で起工された。
1984年3月7日に進水し、同年に潜水艦海軍へ受け入れられた。
1999年2月9日、「ヴェルホトゥリエ」に改名された。



プロジェクト667BDRM「デリフィン」戦略用途ロケット水中巡洋艦(デルタIV級)の1番艦K-51「ソヴィエト連邦共産党第26回大会記念」は、セヴェロドヴィンスク造船所『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で1981年2月23日に起工されました。

1984年3月7日に進水し、翌1984年6月12日に原子炉が起動されました。

1984年8月から12月に掛けて、岸壁係留試験、工場航行試験、国家試験が行なわれ、この間に弾道ミサイルR-29RMの発射試験が計8回行なわれました。
最初の6回は1発のみの発射でしたが、12月19日の7回目の試射では2発、12月26日の8回目の試射では4発を同時に発射しました。

1984年12月30日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にソ連海軍へ就役しました。

1985年1月1日に母港となるオレニヤ湾へ到着し、3月4日に赤旗北方艦隊第3潜水艦小艦隊第13潜水艦師団へ編入されました。
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1985年7月26日に弾道ミサイル2発を水中から発射しました。

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1985年8月から9月に掛けて遠距離航海を行ない、北緯82度線に到達しました。

1986年8月末から9月末に掛けて遠距離航海を行ない、東経87度線に到達しました。

更に1986年には弾道ミサイルR-29RMの最終試験に従事し、R-29RMは同年に軍備採用されました。

1987年8月7日に弾道ミサイル1発を水中から発射しました。

1987年9月2日から29日まで北極海遠征を行ない、この間の9月15日には結氷海域に浮上して弾道ミサイル2発を発射しました。

1989年2月15日から4月26日まで戦闘勤務(北極海の戦略パトロール)を行ないました。

1990年秋から冬に戦闘勤務(北極海の戦略パトロール)を行ないました。

1991年夏に戦闘勤務(北極海の戦略パトロール)を行ないました。

1992年6月3日付で戦略用途原子力水中巡洋艦に変更されました。

1992年6月11付で「ソヴィエト連邦共産党第26回大会記念」の名前は抹消されました。

1992年夏に戦闘勤務(北極海の戦略パトロール)を行ないました。

1993年3月1日、オーバーホールと近代化改装の為、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航されました。
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1999年3月28日付で「ヴェルホトゥリエ」と命名されました。

1999年11月18日から航行試験を開始し、12月17日に一旦完了しました。

1999年12月25日、近代化改装を終えた「ヴェルホトゥリエ」ロシア海軍へ引き渡されました。

2000年6月14日から22日まで航行試験を行ない、7月8日にヤーゲリナヤ湾ガジエヴォ基地へ到着しました。
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2000年9月1日付で赤旗北方艦隊第3潜水艦小艦隊第31潜水艦師団へ転属しました。

2001年6月5日にバレンツ海弾道ミサイルを発射しました。

2003年春に戦闘勤務(北極海の戦略パトロール)を行ないました。

2005年春に戦闘勤務(北極海の戦略パトロール)を行ないました。

2006年夏~秋に戦闘勤務(北極海の戦略パトロール)を行ない、この間に北方艦隊太平洋艦隊の戦略演習へ参加しました。

2010年8月23日、第2次近代化改装の為、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航されました。
[デルタIV級戦略原潜「ヴェルホトゥリエ」は2010年に定期修理を行なう]

2012年3月に再進水しました。
[デルタIV級戦略原潜ヴェルホトゥリエは造船台を出た]

2012年11月から航海試験を開始しました。
[デルタIV級戦略原潜ヴェルホトゥリエは修理後の試験の為に出航した]

2012年12月30日にロシア海軍へ引き渡されました。
[デルタIV級戦略原潜ヴェルホトゥリエはロシア海軍へ復帰した]


既に艦齢は35年になる「ヴェルホトゥリエ」ですが、後継となる「ボレイ-A」型の就役が遅れている為、2020年3月からロスリャコヴォ『第82艦船修理工場』の浮きドックへ入り、オーバーホールが行なわれます。
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