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ロシア海軍の戦略非核戦力は多用途原潜と原子力巡洋艦から成る

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦海軍の非核戦力の基礎は原子力潜水艦と原子力巡洋艦で構成される】
モスクワ、12月19日-ロシア通信社ノーボスチ

2020年、(ロシア)海軍の戦略非核抑止戦力の基礎グループは、多用途原子力潜水艦プロジェクト885及びプロジェクト949原子力水上巡洋艦プロジェクト11442で構成されるだろう。
水曜日、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は記者団に伝えた。

潜水艦プロジェクト885のトップ「セヴェロドヴィンスク」は、2013年に軍備採用される。
多用途艦プロジェクト949~これは第3世代潜水艦であり、2000年に沈没した原子力潜水艦「クルスク」も、この潜水艦の1隻だった。

現在、(ロシア)海軍の戦闘編制には、プロジェクト11442巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」のみが在籍しており、同プロジェクトの他の艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化の為の資金が割り当てられる。

「海軍の戦略非核抑止戦力の基礎グループは、長射程精密兵器を装備し、中長期的には、原子力水中巡洋艦プロジェクト885M、近代化される原子力水中巡洋艦プロジェクト949M及び重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト11442で構成されます」
チルコフ氏は話した。

彼は、2012年から2020年までの期間に、海洋戦力を構成する艦の開発は戦略非核抑止戦力グループの創設に指向されるべきであると付け加えた。
それは、水中戦力の戦闘潜在力と水上戦力の戦闘能力を増大し、海洋戦力の効率的な即応性を作り上げる。
(2012年12月19日15時41分配信)


「戦略非核抑止力」というのは、要するに、非核弾頭の長距離対地ミサイルを装備する艦という事です。

非核弾頭の長距離対地ミサイルは、おそらくは有翼ミサイル「カリブル」対地型でしょう。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]


プロジェクト885Mは、新世代多用途原子力潜水艦「ヤーセン」級の2番艦以降の事です。
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]

「ヤーセン」級は、2020年までの国家軍備プログラムにより、7~8隻が調達される予定です。
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P885
[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]

プロジェクト949Mは、プロジェクト949A(オスカーII級)原子力潜水艦の近代化タイプを指しています。

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【プロジェクト949A「アンテイ」(NATOコード名「オスカーII」)】

ロシア海軍には8隻(太平洋艦隊5隻、北方艦隊3隻)の949A原潜が在籍しています。
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949Aは、主要ミサイル兵装を新型有翼ミサイル(カリブル)に換装します。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]
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原子力巡洋艦プロジェクト11442というのは、キーロフ型の2番艦以降を指しています。

現在、稼働状態に在るのは最終艦(4番艦)「ピョートル・ヴェリキー」のみです。
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この他、3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」を近代化するという話が以前からあります。
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[原子力巡洋艦アドミラル・ナヒーモフ近代化に50億ルーブルが拠出される]
こちらも、近代化により有翼ミサイル「カリブル」を装備する予定です。


つまり、有翼ミサイル「カリブル」を装備する原子力潜水艦及び原子力巡洋艦「戦略非核抑止力」の基礎となるという事でしょう。
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