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ロシア海軍黒海艦隊航空隊は艦上電波位置測定巡視ヘリコプターKa-31Rの本格的な慣熟訓練を開始した


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年3月13日9時12分配信
【ロシア連邦黒海艦隊は新たな電波位置測定巡視ヘリコプターKa-31Rに習熟する】
モスクワ、3月13日、インタファクス

黒海艦隊海上航空隊の飛行士は、昨年に軍備として受け入れたヘリコプターKa-31Rの操縦へ着手した。

「Ka-27及びKa-29とKa-31Rは本質的に異なる事に関連し、黒海艦隊は、現行の海上航空隊のヘリコプター乗員の新たなタイプの飛行装置の再訓練プログラムを開発しております。
飛行士の訓練活動は、艦隊の戦闘訓練計画に含まれています」
『インタファクス』
が金曜日に受け取った黒海艦隊の発表では、こう述べられている。

Ka-31Rは、艦上配置ヘリコプターである(NATO分類-「ヘリックス-B」)。
それは、遠距離電波位置測定探知航空機及び沿岸レーダーの活動ゾーンの外で戦闘任務を遂行する艦船連合部隊への空中攻撃の脅威を24時間体制で前もって探知する為に意図されている。
機上に有する機器は、Ka-31Rの飛行高度よりも低いところで動く全ての目標(水上艦、航空機及びヘリコプター、有翼ミサイル)の探知を可能にする。

公開データによると、Ka-31Rは、固体素子で作られた強力な回転展望電波位置測定ステーションから成る遠距離電波位置測定探知複合体E-801「オーコ」(眼)を装備する。
この複合体は、電話装置及びテレビチャンネル無線通信、更には「味方-敵」国籍識別装置を統合される。

「オーコ」は回転展望し、電波水平線の範囲の水上艦を、距離150km以内の戦闘機タイプの空中目標を探知する。
目標探知後、その特徴を分類する。

複合体装置E-801は、20個までの目標の自動モードでの追尾と、全ての情報を艦船あるいは対空防衛地上指揮所へオープン及びクローズの情報交換テレビチャンネルで転送する事が可能である。




電波位置測定巡視ヘリコプターKa-31は、対潜ヘリコプターKa-27の派生型である戦闘輸送ヘリコプターKa-29をベースにした早期警戒ヘリコプターです。

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元々は、ソ連海軍重航空巡洋艦「キエフ」型に搭載する為に開発されたのですが、試作機の初飛行は1987年になり、開発作業が進められている内にソ連邦は解体され、その後の財政難によりロシア海軍「キエフ」型は全て退役してしまいました。

除籍後の重航空巡洋艦「キエフ」(1993年9月)
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一方、ソ連/ロシア海軍「本格的な正規空母」である「アドミラル・クズネツォフ」型への搭載を目指して開発が進められていた固定翼早期警戒機Yak-44ソ連邦解体後に開発中止となりました。
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そこで、既に試作機が飛行し、ある程度開発が進んでいたものの、搭載艦が無くなってしまったKa-31「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載される事になりました。
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Ka-31は、試作機が2機製造された後、外国向けに合計23機が製造されました(インド向けに14機、中国向けに9機)。

Ka-31試作1号機
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Ka-31試作2号機
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インド海軍Ka-31
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中国海軍Ka-31
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ロシア海軍には、長らく2機の試作機しか無かったのですが、2013年以降に量産機Ka-31Rが2機引き渡されました。
[ロシア海軍の為の早期警戒ヘリKa-31が発注される]

Ka-31R量産1号機
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Ka-31R量産2号機
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その後、地上用のKa-31SV試作機が2機製造され、シリアで運用試験が行なわれました。

Ka-31SV試作1号機
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Ka-31SV試作2号機
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シリアラタキアで飛行試験を行なうKa-31SV



黒海艦隊は、2019年12月にKa-31Rを受け取りました。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【電波位置測定巡視ヘリコプターKa-31】

2020年2月末、Ka-31R黒海艦隊フリゲート「アドミラル・マカロフ」(2017年12月27日就役)で発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の早期警戒ヘリコプターKa-31Rはフリゲート"アドミラル・マカロフ"で発着艦訓練を行なった]

そして3月中旬から本格的な慣熟訓練を開始しました。
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