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ロシア海軍のワシーリー・ブイコフ型哨戒艦は地対空ミサイルと連携する

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『イズベスチヤ』より
2020年3月19日0時1分配信
【陸からの歓待:コルベットは敵に沿岸対空防衛を向ける】

ロシア艦「見えない対空防衛」を得る。
コルベットプロジェクト「ワシーリー・ブイコフ」は、敵の航空機あるいはヘリコプターミサイルシステムS-350「ヴィーチャジ」及びS-400「トリウムフ」を向ける事を学習した。
攻撃の瞬間までレーダーを含まない為、打撃を与える際に配置された対空防衛複合体は隠蔽される。 
このように、その乗員が照準に捉われた事に気が付くまでに、空中物体は破壊される。
専門家は、新たな戦術は、高射装置の効率性と生存性を向上させる事を指摘した。

[野外への拡張]
プロジェクト22160コルベット「ワシーリー・ブイコフ」
は、複数の高射複合体を単一の火力回路へ統合できる。
自動管理システムは、目標を個別に識別し、配置に就いたS-350S-400の間に配分する。
今後は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦も同様の能力を得ると国防省の情報提供者は『イズベスチヤ』へ話した。

新たな戦術により、コルベットは海上および沿岸エリアにおける電波位置測定フィールドの面積を迅速に成長させる事が出来ると元ロシア空軍高射ミサイル部隊司令官アレクサンドル・ゴリコフは指摘した。

「艦は、対空防衛班が敵を事前に探知し、脅威の度合を決め、それを的確に迎え撃つのに役立ちます」
専門家は『イズベスチヤ』へ話した。
「これは、陸上高射システムの動作の効率性のみならず、生存性も向上します。
コルベットは、局地的な艦の対空防衛エリアの作成にも有益です。
この場合、戦隊或いは海上支隊の艦上に在る全ての複合体は、単一の自動管理システムにより制御され、目標を的確に配分し、攻撃手段の選択が可能となります」


初めての海上対空防衛は、第2次世界大戦中に同様の原則下で組織された。
当時、電波位置測定ステーションを持つ各艦が前進し、敵の攻撃に備える中核グループに時間を与えた事を軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフは指摘した。

「1982年のフォークランド諸島の戦いの際、グレートブリテン艦隊は、このような2個艦グループを割り当てました」
彼は述べた。
「しかしこの時、損失を免れる事は出来ませんでした。
ピケット駆逐艦シェフィールドは、アルゼンチン航空隊により撃沈されました」


[見えない為の戦術]
今、航空機、ヘリコプター、そしてミサイルに対する戦闘の戦術は、調整できる。
まずコルベット電波位置測定ステーション飛行装置を探知し、更には所在場所、高度、速度、コースを明確化する。
更に自動管理システムは、空中船の主要数値が記載されている電子データベースにより情報物体の価値を決め、それは的確な目標の特定を可能にする。

その後、受信した全ての情報はS-350S-400に転送される。
データの交換は、リアルタイムモードで行なわれる:現代的な電子機器は、大量の情報の即座の処理を可能にする。

対空防衛システムには、最後の瞬間に目標を「照らす」レーダーが含まれる。
これにより、潜在敵の航空機及びヘリコプターの飛行士は、対抗戦術~例えば対レーダーミサイルの使用~を選択する余地が無い。

[海上偵察者]
「ステルス」
技術を用いて造られたコルベットプロジェクト「ワシーリー・ブイコフ」の可能性は、優れた偵察者となる。
角ばった構造の上部構造物と、特殊電波透視複合材料による最上甲板の保護のお陰により、コルベットは見えなくなる。
高速で比較的コンパクトな全長94メートル、排水量1800トンの艦は、2ヶ月間沿岸から離れる事が可能である。

コルベットは、電波位置測定ステーションの助力により目標を探知する。
艦は更に、無人飛行機と1機のヘリコプターKa-27、Ka-29、或いはKa-52K「カトラン」が駐留でき、この為に独立した格納庫が作られている。
ドローンは、半径100キロメートルで隠密裏に監視を行なう事が出来、偵察能力は著しく拡張される。
しかも敵は、小さい無人飛行装置の探知が非常に困難である。

コルベットの対空兵装は、最も強くはない。
この為、砲装置AK-176MA携帯高射ミサイル複合体「イグラ-S」、そして電波電子装置の使用が予定されている。

当初、コルベットは、領海保護の勤務へ就き、密輸の防止、更には事故の被害者の捜索と救助の為に開発された。
しかし結果的に、海軍は汎用艦を受け取った。

コルベットプロジェクト「ワシーリー・ブイコフ」は、敵の海上部隊に強力な打撃を与える事が出来る。
その主な特徴はモジュールシステムであり、様々な兵器、特に追加のミサイル「カリブル-NK」を必要に応じて設置する事が可能である。

戦時にコルベットは、交通線、海軍基地、沿岸海域の保護を担当する。
同時に、その特性とミサイル兵器は、故国の沿岸から1000海里離れた場所での戦闘行動の実施を可能にする。

対空防衛には、現在、最も注意が払われている。
特に、海軍の為に建造される2隻のプロジェクト20380コルベット「ストローギー」「リェチーヴイ」は、ユニークな電波位置測定複合体「ザスローン」を装備する。
これは、水上、地上、海上、空中の目標を半径75キロメートルで探知できる。
バルト海及び黒海の地理の下で、新たな電波位置測定複合体は、NATO諸国ヨーロッパの複数の軍事基地を同時に監視する事が可能となる。



プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゼレノドリスク造船所』です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、2隻が就役しています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年6月11日就役

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年就役予定

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2020年9月進水予定/2021年就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2021年4月進水予定/2022年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2022年4月進水予定/2023年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]


プロジェクト22160哨戒艦は、遠方海域にも派遣されています。

1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は、2019年6月上旬からから9月上旬までバルト海への遠距離航海を行ないました。
[哨戒艦ワシーリー・ブイコフのバルト海遠征(2019年6月-9月)]

同年10月中旬から12月中旬まで地中海への航海を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフは地中海からノヴォロシースクへ帰投した]

2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、2020年1月下旬から地中海東部へ派遣されています。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]


その名の通り海上パトロールを主な任務とするプロジェクト22160哨戒艦ですが、陸上(沿岸近く)の地対空ミサイル部隊と連携する能力も付与されています。
これにより、戦時中に海軍基地やその周辺へ配備された地対空ミサイル部隊を効果的に運用する事が出来るようになります。

遠距離高射ミサイル複合体S-400「トリウムフ」(2007年4月軍備採用)


中距離高射ミサイル複合体S-350「ヴィーチャジ」(2020年2月軍備採用)


22160哨戒艦黒海艦隊以外への配備予定が無い為か、22800「カラクルト」小型ロケット艦(バルト艦隊、太平洋艦隊、北方艦隊へ配備予定)にも同様の能力が付与されます。
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