ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフ乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月22日21時11分配信
【海軍の最新対機雷防衛艦「ヤーコフ・バリャーエフ」乗組員はサンクトペテルブルクのロシア海軍統合訓練センターでの研修を完了した】
最新のプロジェクト12700対機雷防衛艦シリーズ「ヤーコフ・バリャーエフ」乗組員は、サンクトペテルブルクのロシア海軍統合訓練センターでのサイクル訓練を完全に終え、既にバルト艦隊へ加入している同型の対機雷防衛艦で更なる訓練を行なう。
プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計画に沿ってサンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』(『統合造船業営団』へ加入)でロシア海軍の為に建造されている。
艦は、世界最大級のガラス繊維強化プラスチック製船体というユニークさを持つ。
対機雷防衛艦「ヤーコフ・バリャーエフ」の起工式典は、2017年12月26日に開催された。
艦は、ソヴィエト連邦英雄でソヴィエト-日本戦争へ参加したヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフに敬意を表して命名された。
この艦は、プロジェクト12700「アレクサンドリト」ラインの5隻目となり、『中部ネヴァ川造船工場』で起工された。
シリーズのトップ艦「アレクサンドル・オブホフ」は2016年にロシア連邦海軍へ引き渡された。
プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、ロシア連邦海軍の為に中央海洋設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)が開発した。
この艦は新世代機雷掃海艦に属しており、海洋機雷との戦いの為に意図されている。
対機雷防衛艦は、危険ゾーンへ入らずに海域の水上で、海域の底で、それを探知できる。
機雷への対処の為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作自動無人水中装置を使用できる。
このような艦の建造に当たり、『中部ネヴァ川造船工場』は、世界の造船所に同類が無い最新のロシア技術を使用している。
同プロジェクト艦は、世界最大級の真空注入方式による一体ガラス繊維強化プラスチック製船体というユニークさを持つ。
船体の質量は金属製よりも小さく、その強度は著しく増大している。
このような船体は、全く腐食する事は無く、その就役期間は、通常の運用を順守すれば事実上無制限である。
高い強度と小さな質量に加えて、複合材料船体の長所は、その「非磁気性」にあり、機雷捜索の際の艦の大いなる生存性を保障する。
ロシア海軍総司令部の計画に沿って、新世代対機雷防衛艦は、近い将来にロシア海軍の機雷掃海戦力の基礎となり、任務遂行の効率性は大幅に向上する。
「ロシア海軍総司令部の計画に沿って、新世代対機雷防衛艦は、ロシア海軍の機雷掃海戦力のポテンシャルの効果性を大幅に向上させます。
数十隻のプロジェクト12700対機雷防衛艦の建造を計画しております。
その特性は、世界に同じものが有りません」
以前にロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は指摘した。
ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700対機雷防衛艦の5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]
艦名の元になったヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフ(1924年6月9日-1945年8月14日)は、1945年8月のソヴィエト-日本戦争に参加した海軍歩兵隊員であり、8月14日に朝鮮北部の清津の戦闘で戦死し、21歳の短い生涯を閉じました。
死後、ソヴィエト連邦英雄称号を授与されました。

「ヤーコフ・バリャーエフ」は2019年12月18日に屋内造船台から出渠しました。
「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員団は、2019年12月末までにカムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊の北東軍集団の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの乗組員が編成された]
同旅団の配下には、掃海艦3隻を有する第117水域防護艦大隊が有りますので、「ヤーコフ・バリャーエフ」は、同大隊に配属されるようです。
2020年1月29日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は進水しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで進水した]
サンクトペテルブルクのロシア海軍統合訓練センターでの「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員の訓練は完了し、今後は、バルト艦隊へ配備された1番艦「アレクサンドル・オブホフ」で洋上の実地訓練を行ないます。
「ヤーコフ・バリャーエフ」は、2020年末にロシア海軍への就役が予定されています。
プロジェクト12700対機雷防衛艦は、現在までに7隻が起工され、3隻がロシア海軍へ引き渡されています。
1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。

[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工され、2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]
その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]
この為、「ゲオルギー・クルバトフ」の進水と就役は延期される事になり、後続艦が先に就役する事になりました。
「ゲオルギー・クルバトフ」の船体の修復は進み、2020年春には進水できる見込みです。
3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した]
4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2017年4月20日に起工され、2019年5月30日に進水し、2019年12月28日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

[最新鋭非金属複合材料対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工されました。
[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]
7番艦アナトーリー・シレモフは、2019年7月12日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]
現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
最終的には、30隻以上の建造が計画されています。
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