ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊は演習を終えて基地へ戻る
- カテゴリ:ロシア太平洋艦隊(2020年)


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年4月7日7時48分配信
【太平洋艦隊の戦術艦グループは演習完了後にカムチャツカの駐留所へ戻る】
ロシア北東軍集団の水域保護連合部隊のロケット艦及び対潜艦は、太平洋での任務遂行後にカムチャツカの駐留所へ戻る。
9隻の小型ロケット艦及び小型対潜艦で構成される3個戦術グループは、太平洋艦隊の一連のグループ戦力演習の枠組みにおいて、遠海ゾーンでの課題を解決した。
対潜艦は、海上航空隊の航空機Tu-142及びIl-38と連携し、指定海域での仮想敵潜水艦の捜索と練習用機雷の設置を行った。
小型ロケット艦は、仮想敵艦支隊への組織的な攻撃へ取り組み、仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退し、砲撃戦闘を行なう為の連携動作を改善した。
北東軍集団の艦は、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の部隊と単一計画の下に海上で行動した。
日本海及びオホーツク海におけるロシア太平洋艦隊の戦術演習は、2020年3月25日に始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]
まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232がピョートル大帝湾で機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】
翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)とKa-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方のニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった]
翌3月27日、第100揚陸艦旅団(フォキノ駐留)所属の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)は、ピョートル大帝湾で各種目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは日本海で砲撃訓練を行なった]

演習部隊主力は3月26日に宗谷海峡へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年3月27日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
スラバ級ミサイル巡洋艦:ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦:駆逐艦「ブイストルイ」(715)
ウダロイI級駆逐艦2隻:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)、「アドミラル・パンテレーエフ」(548)
グリシャV級小型フリゲート2隻:小型対潜艦「メチェーリ」(323)、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇6隻:ロケット艇R-14(924)、R-24(946)、R-297(954)、R-20(921)、R-18(937)、R-19(978)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
アルタイ改級補給艦2隻:中型海洋給油船「イリム」、「イジョラ」
オホーツク級航洋曳船:海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」
アムール級工作艦:水上修理所PM-59
オビ級病院船:病院船「イルティシュ」
3月28日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、第66小型ロケット艦大隊所属の小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)も演習へ参加する為に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の小型対潜艦4隻と小型ロケット艦4隻は演習を開始した]
カムチャツカ方面部隊の出航に先立ち、第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264、MT-265はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港周辺で機雷源の掃海訓練を行ないました。
3月29日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と「アドミラル・パンテレーエフ」は、カムチャツカに駐留する対潜哨戒機Il-38の協力の下に潜水艦の捜索と対空防衛の演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・パンテレーエフは対潜・対空戦闘演習を行なった]
宗谷海峡の東方海域(オホーツク海西部)には未だ流氷が残っており、演習参加部隊は、太平洋艦隊の砕氷船「サドコ」と「イワン・スサーニン」、そして民間の『ロスモルポルト』社の砕氷船「カピタン・フレブニコフ」に先導されて流氷海域を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の砕氷船は宗谷海峡の結氷海域を通過する艦船部隊を先導した]
3月31日、演習部隊に随伴する中型海洋給油船「イリム」(1972年11月17日就役)と「イジョラ」(1970年4月24日就役)は、4隻の小型ロケット艦(「イネイ」、「モローズ」、「ラズリーフ」、「スメルチ」)と駆逐艦「ブイストルイ」へ洋上補給を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦はオホーツク海で洋上補給を行なった]
4月2日以降、クリル諸島南部を含むオホーツク海南部で本格的な実弾射撃演習が始まりました。

[ロシア海軍太平洋艦隊は2020年4月2日~8日にオホーツク海南部(クリル諸島南部)で実弾射撃演習を行なう]
太平洋艦隊の海軍航空隊も演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦術演習へ20機以上の航空機とヘリコプターが参加する]
更に、ロシア航空宇宙軍遠距離航空隊の超音速爆撃機Tu-22M3(イルクーツク州のベラヤ飛行場に駐留する第6952親衛航空基地所属)もオホーツク海へ進出し、カムチャツカ半島のエリゾヴォ飛行場に駐留する太平洋艦隊の迎撃戦闘機MiG-31BMと共に演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはオホーツク海上空で爆撃機Tu-22M3(バックファイア)を迎撃した]
[ロシア航空宇宙軍遠距離航空隊の超音速爆撃機Tu-22M3はオホーツク海のロシア海軍演習へ参加した]
カーメニ・ルチェイ飛行場に駐留する遠距離対潜哨戒機Tu-142M3もオホーツク海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3はオホーツク海の演習へ参加した]
4月6日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264(738)とMT-265(718)は、アヴァチンスキー湾で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の海洋掃海艦は砲撃訓練を行なった]
そして演習の締め括りとして、太平洋艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と戦隊水雷艦「ブイストルイ」は、オホーツク海で130㎜連装砲AK-130による陸上砲撃訓練を行ないました。
砲撃訓練を行なった具体的な場所は明らかにされていませんが、「太平洋エリアの沿岸射爆場」との事ですから、おそらくはクリル諸島南部の何れかの島の太平洋側の海岸でしょう。

[ロシア海軍太平洋艦隊のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艦ブイストルイはオホーツク海南部で地上への艦砲射撃訓練を行なった]
これで演習は完了し、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、と小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)は母港へ戻りました。
沿海地方に駐留する艦船は、今後、宗谷海峡を通過してウラジオストクなどの母港へ戻ります。
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