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ロシア海軍北方艦隊の艦上対潜ヘリコプターの3分の1が近代化されたKa-27Mとなった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年4月11日11時0分配信
【北方艦隊の対潜ヘリコプターの飛行任務の3分の1は近代化された機体Ka-27Mの乗員により遂行された】

クメルタウ航空機製造事業(バシキール)での近代化を経て復帰したヘリコプターKa-27Mの乗員は、昨年の北方艦隊航空・防空軍独立艦上ヘリコプター航空連隊の冬期訓練期間中、対潜ヘリコプターの為に割り当てられた全ての任務の内の約30パーセントを遂行した。
彼らは、空中で50時間以上を過ごした。

飛行士は、駐留飛行場-セヴェロモルスク-1から飛行を行なった。
彼等は、様々な気象条件下や、日中及び夜間に飛行場の地域での操縦、戦闘訓練射爆場へのルート上の飛行と、潜水艦の水中無線音響及び水中音響捜索へ取り組んだ。
対潜ヘリコプター飛行中隊の飛行戦術演習中、Ka-27M乗員は実地対潜任務へ取り組んだ。

今日において、独立艦上ヘリコプター航空連隊の2個飛行中隊には、8機の近代化された機体Ka-27Mが含まれている。
外見は実質的にKa-27PLとの違いは無いが、Ka-27Mレベルへのヘリコプターの近代化の実施により、その完全な大規模修理、電気配線、各ユニット及び集合体、そして機上電波電子複合体の完全な交換が提供された。

[参照]
対潜ヘリコプターKa-27M
は、「グラスコクピット」概念が実現された最新のデジタル操縦航法複合体を装備し、飛行士は大量の情報の処理が可能となった。
複合体の概念はオープンアーキテクチャの原則に基づいており、そのお陰でヘリコプターの機上電波電子機器を、あらゆる任務を果たす為に簡単に変化させる事が出来る。
近代化された機体は、リアルタイムモードの防護チャンネルによる最新の情報処理・転送システムが導入されており、その結果、更新されたヘリコプターは、戦場において十分な価値を持つ最新情報ユニットとなった。



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現在、ロシア海軍は、艦載対潜ヘリコプターKa-27PLを50機以上保有しており、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊海軍航空隊で運用されています。
これらのKa-27PLは、電子機器を換装する近代化改装が行なわれ、Ka-27Mへアップグレードされます。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]

Ka-27M試作機(0909号機)は、北方艦隊での試験が行なわれました。
[艦載ヘリコプターKa-27Mの試験は北方艦隊で行なわれている]

2014年12月には、北方艦隊所属の4機のKa-27PLが近代化改修を行なう事になりました。
[ロシア海軍の対潜ヘリコプターKa-27PLの近代化改修が始まる]

近代化改装されたKa-27Mの最初の8機は、2015年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でした。
[ロシア海軍の8機の対潜ヘリコプターKa-27が2015年に近代化される]

しかし、引き渡しは1年遅れて2016年12月になりました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化改装された艦載対潜ヘリコプターKa-27Mを2016年12月に受領する]

2016年12月19日、近代化されたKa-27Mの第1号機がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mの第1号機を受領した]

その後、残りの7機も2016年12月末~2017年1月初頭までに引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

この内の6機は、北方艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊は2017年に6機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mを受け取る]

この他、2017年末までに、もう2機が引き渡されたようです。
(合計10機)

何機かのKa-27Mは、クラスノダール地方エイスク基地で各種試験や乗員の訓練などに使われているようです。
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Ka-27Mへの近代化改修作業は『クメルタウ航空機製造事業』で実施されています。
[ロシアン・ヘリコプターズはロシア海軍航空隊へ近代化されたヘリコプターKa-27Mを供給する準備を整えている]
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2018年1月9日、次のKa-27Mグループがロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

2018年1月11日、バルト艦隊航空隊の基地へ1機目のKa-27Mが到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

2018年10月6日、バルト艦隊航空隊は更に5機のKa-27Mを受領しました。
これでバルト艦隊Ka-27Mは合計6機になりましたが、おそらくは、同艦隊所属のプロジェクト11540警備艦2隻とプロジェクト20380コルベット4隻への搭載用でしょう。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを5機受領した]


黒海艦隊でも数機のKa-27Mが運用されているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌー及び対潜哨戒機は黒海で演習を行なった]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部へ到着した]

約50機のKa-27PLKa-27Mへ近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊は2020年までに約50機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領する]


近代化改装されたKa-27Mは、ロシア海軍全体で20機以上が配備されており、この内の8機が北方艦隊に配備されています。

現在、北方艦隊対潜ヘリコプターの全体の飛行任務の3分の1をKa-27Mが遂行しているとの事ですから、単純に計算して、北方艦隊には8機の近代化されたKa-27Mの他に、未だ近代化されていないKa-27PLが16機程度有るという事になります。

北方艦隊対潜ヘリコプター(Ka-27M/Ka-27PL)は、セヴェロモルスク-1飛行場に駐留するキルケネス赤旗・第830独立艦上対潜ヘリコプター連隊(2個混成飛行中隊で構成)に所属しています。
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既にKa-27の後継機となる将来艦上ヘリコプター「ミノーガ」の開発も始まっています。
[ロシア海軍の将来艦載ヘリコプター"ミノーガ"の本格的な設計作業は2020年に始まる]
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