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ロシア海軍北方艦隊のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはクロンシュタットへ到着した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年4月20日17時45分配信
【潜水艦「サンクトペテルブルク」はクロンシュタットへ到着した】

北方艦隊ディーゼルエレクトリック潜水艦「サンクトペテルブルク」は、艦隊間移動を完了し、レニングラード海軍基地へ到着した。
クロンシュタットでは、計画整備と近代化の実施が待ち受けている。

潜水艦は、コラ半島の基礎駐留所ポリャールヌイから4月初頭に出航した。
バレンツ海及びノルウェー海の航行は、強風と等級6の波のうねりという困難な気象条件下で行なわれた。
先週初め、潜水艦北海へ入り、無事にバルト海峡を通過し、水曜日からバルト海の移動を行なった。

ディーゼルエレクトリック潜水艦「サンクトペテルブルク」の全航路は、水上位置及び経済速力で行なわれた。

ディーゼルエレクトリック潜水艦「サンクトペテルブルク」プロジェクト677のトップ艦であり、北方艦隊で試験運用に在り、コラ多種戦力小艦隊潜水艦連合部隊へ加わっている。
主要基地は軍事栄光市ポリャールヌイである。
潜水艦は、外国の潜水艦の追跡の為を含め、中間海上ゾーン及び近海ゾーンでの隠密行動の為に意図されている。
それは、最新の魚雷、機雷、ミサイル兵器を装備する。



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ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦となるプロジェクト677「ラーダ」の1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は、サンクトペテルブルク市『アドミラルティ造船所』で1997年12月26日に起工され、2004年10月28日に進水し、2010年4月22日に就役しました。

しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。

2012年2月初頭、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、「ラーダ」級潜水艦「サンクトペテルブルク」に対する不満を述べています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年2月9日配信
【ウラジーミル・ヴィソツキー提督へのインタビュー】

「ラーダ」級に関する箇所を抜粋。

インタビュアー:多くのメディアの報道で、プロジェクト677「ラーダ」ディーゼルエレクトリック潜水艦の将来に関する憶測が流れていますが・・・

ヴィソツキー:
「ラーダ」?この艦については、何か申し上げる事が有りますかね?
潜水艦「サンクトペテルブルク」の試験運用では、技術的特性が示されていません。
その理由は、非常に簡単です。
要するに、この艦の主要動力装置には、欠陥が有るのですよ。

僕達は、第二次世界大戦時の動力を有するような武器を新たに必要であるなどという頭脳は持ち合わせておりません。
何故かって?誰がそれを必要とするのでしょうか?
そして、それは同様の動作特性を有しています。
現在の形での「ラーダ」を、ロシア海軍は必要としておりません。

インタビュアー:建造中の同プロジェクト潜水艦「クロンシュタット」と「セヴァストーポリ」の今後はどうなりましょうか?

ヴィソツキー:これらの艦は、他の動力装置になると思います・・・



その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

2番艦「クロンシュタット」は2013年7月以降に工事が再開され、2018年9月20日に進水しました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは進水した]

2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。

[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]

これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

「クロンシュタット」「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは、2021年11月に予定されています。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2021年11月にロシア海軍へ引き渡される]

続く4番艦と5番艦は、2022年までの起工が予定されています。
[2022年にロシア海軍のラーダ級潜水艦2隻が起工される]


一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、北方艦隊の基地へ回航される事になり、2013年10月17日に潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
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[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊基地に到着した]

以後、「サンクトペテルブルク」北方艦隊に留まり、試験運用を続けています。
[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]

2016年11月17日にはバレンツ海から有翼ミサイルを発射しました。
ミサイルの種類は明らかにされていませんが、「カリブル」の対艦攻撃型でしょう。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバレンツ海で巡航ミサイルを発射した]

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2020年4月初頭、「サンクトペテルブルク」ポリャールヌイを出航してクロンシュタットへ向かいました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは近代化改装の為にクロンシュタットへ向かった]

4月14日にバルト海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバルト海へ入った]

そして4月20日にレニングラード海軍基地(クロンシュタット軍港)へ到着しました。

「サンクトペテルブルク」は、『クロンシュタット海洋工場』で以前から予定されていた近代化改装(改良された2番艦以降と同レベルにする)が行なわれることになるようです。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは近代化改装を行なう]
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