ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはセーシェル諸島へ到着した

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年4月25日17時10分配信
【バルト艦隊探検隊はセーシェルへ到着した】
モスクワ、4月25日-ロシア通信社ノーボスチ
バルト艦隊の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、土曜日にセーシェル諸島へ到着したが、コロナウイルスが流行しているが故に、乗組員が沿岸へ上陸する事は無い。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、探検隊指揮官オレグ・オシポフ1等海佐より伝えられた。
船は3月9日にモンテビデオから出航し、アデレード島及びべリングスハウゼン海エリアで南極沿岸の追加調査を行ない、ピョートル1世島を調査し、南極エリアでの作業を行なった。

「私共はセーシェルへ、物資~クロンシュタットまで移動する為に必要な燃料、水、食料~の補充の為だけに寄港いたしました。
コロナウイルスに関連して、セーシェル諸島への滞在計画は変更されました。
休養が計画されておりましたが、現行の制限により、沿岸への上陸は無くなりました」
オシポフは話した。
彼によると、全世界における切実なコロナウイルスの問題は、今後も乗組員へ影響を及ぼすだろう。
「この計画で、遠征ルートが調整され、私共は、紅海と地中海を経由せず、アフリカの西を一周します。
これにより、帰路へ必要な距離は3000海里増加しますが、地中海の港への寄港が無くなった事を考慮すれば、航海距離の増加は、僅かなものです」
探検隊指揮官は言った。
バルト艦隊の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、2019年12月3日から南極発見200周年及びイワン・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へと捧げられる世界一周大洋探検へ参加している。
探検は、2020年6月までの半年以上続き、この間に南極での大規模な水路調査及び水文学調査が計画されている。

プロジェクト852大洋研究調査船の3番船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、ポーランドで1973年12月1日に起工され、1974年4月4日に進水、1975年5月31日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
1990年から1994年までポーランドでオーバーホールを行ない、その後、バルト艦隊へ転属し、クロンシュタットへ回航されました。
2014年8月18日には北極海遠征に出発し、北極海を横断して10月下旬にはウラジオストクへ入港しました。
その後、太平洋を横断してパナマ運河を通過し、カリブ海へ行き、大西洋を横断して2015年1月17日にクロンシュタットへ帰投しました。
2015年11月6日には南極遠征へ出発し、2016年4月に帰投しました。
この間、アルジェ(アルジェリア)、スエズ(エジプト)、ジッダ(サウジアラビア)、ヴィクトリア(セーシェル諸島)、マダガスカル、マプト(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ)、マラボ(赤道ギニア)、ルアンダ(アンゴラ)、リスボン(ポルトガル)を訪問しました。
南極遠征
帰港
なお、この「アドミラル・ウラジーミルスキー」の南極遠征に関し、全く根も葉もないデマを流布している者達が居ます。
2016年3月21日
【古代プラズマ兵器「ガブリエルの箱舟」ついに発見される!? 現在プーチンが南極に輸送中!】
2016年3月24日
【ガブリエルの箱舟】
2017年3月20日
【ロシア海軍が南極に運んだ究極のプラズマ兵器「ガブリエルのアーク」】
無論言うまでもなく、これらのページに書いてある事は全てデタラメです。
少し・・・頭冷やそうか・・・

2017年12月にはインド洋の調査航海へ出発しました。
なお、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には、2018年3月の時点で17名の女性乗組員が居ました。
(同船は乗組員170名+研究要員80名)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月8日3時1分配信
【(ロシア)海軍総司令官は国際女性デーに艦隊の女性(将兵)への祝辞を述べた】
2018年6月8日に帰投しました。
2018年7月初頭からクロンシュタットでオーバーホール及び近代化改装が始まりました。

オーバーホール完了後、2019年11月に洋上試験を行ない、バルト艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはオーバーホール後の航行試験を開始した]
2019年12月3日にクロンシュタットを出航し、南極調査航海へ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年に南極へ行く]
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極調査航海へ出発した]
2019年12月12日にはポルトガルのリスボンへ寄港し、大西洋中部で2020年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイと大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは洋上で新年を迎える]


2020年1月11日から15日までブラジルのリオデジャネイロを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月15日1時2分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はリオデジャネイロ港への業務寄港を完了した】
2020年1月19日から21日までウルグアイのモンテビデオを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月19日22時15分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへ入った】

その後、北方艦隊のプロジェクト22010海洋学調査船「ヤンターリ」(2015年5月23日就役)と合流し、1月27日に南極のべリングスハウゼン基地へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極大陸へ到着した]

「アドミラル・ウラジーミルスキー」はべリングスハウゼン基地周辺で1ヶ月間に渡り海洋調査を行ない、2月28日に同基地を去り、ウルグアイのモンテビデオへ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極を去り、ウルグアイへ向かった]
3月5日にモンテビデオへ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月5日23時0分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を行なった】
現在、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には20名の女性が乗っています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月7日7時0分配信
【ロシア海軍総司令官は世界一周探検中の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」船上の女性を祝福した】
3月10日にモンテビデオを出航し、再び南極へ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月10日17時56分配信
【大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を滞りなく完了し、再び南極へ進路を取った】
3月16日に再び南極へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは再び南極へ到着した]
4月9日には、2020年3月3日にウラジオストクから南極へ向かった太平洋艦隊の水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」とデュルヴィル海で合流しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年4月9日16時27分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南極で合流した】
デュルヴィル海で「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南磁極の測定を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南磁極を調査した]

その後、「アドミラル・ウラジーミルスキー」は南極を離れてインド洋へ向かい、4月25日にセーシェル諸島へ到着しました。


何時ものパターンなら、ここで各種物資(燃料、水、食料)を補充し、乗組員は上陸する所ですが、今回は全世界的なコロナウイルス流行の為、物資の補充のみを行ない、乗組員の上陸は取り止めとなりました。
記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、生誕250周年は2020年11月19日になります。

この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)

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