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ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦は艦砲射撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年4月30日5時47分配信
【太平洋艦隊の艦は太平洋で戦闘射撃を実施した】

太平洋エリアにおいて太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊艦船支隊は、試験戦術演習の枠組みで空中及び沿岸目標への一連の実地ミサイル及び砲射撃を実施した。

本日(4月30日)、艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、戦隊水雷艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」で構成される2個戦術艦グループは、地形により隠蔽された場所の沿岸目標への艦載自動機関砲AK-630及びAK-100からの射撃を実施した。
標的は、仮想敵の永久トーチカ及び装備蓄積所を模していた。

以前、アヴァチンスキー湾で、仮想敵の空中攻撃手段からの攻撃を集団で撃退する演習が行なわれた。
「敵」の攻撃を演じる3隻の小型対潜艦は、演習海域へ向けてミサイル標的「サマン」を発射した。
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飛翔する対艦有翼ミサイルを模して発射された標的は、適時に探知され、対空防衛手段により攻撃された。
攻撃を撃退する為、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、対空防衛複合体「オサー」を使用した。
大型対潜艦高射ミサイル複合体「キンジャール」を使用し、戦隊水雷艦「ブイストルイ」30mm6連装自動艦載砲装置AK-630が関わった。



日本海及びオホーツク海におけるロシア太平洋艦隊の戦術演習は、2020年3月25日に始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった]

翌3月27日、第100揚陸艦旅団(フォキノ駐留)所属の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)は、ピョートル大帝湾で各種目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは日本海で砲撃訓練を行なった]
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演習部隊主力は3月26日に宗谷海峡へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年3月27日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

スラバ級ミサイル巡洋艦:ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦:駆逐艦「ブイストルイ」(715)
ウダロイI級駆逐艦2隻:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)、「アドミラル・パンテレーエフ」(548)
グリシャV級小型フリゲート2隻:小型対潜艦「メチェーリ」(323)、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇6隻:ロケット艇R-14(924)、R-24(946)、R-297(954)、R-20(921)、R-18(937)、R-19(978)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
アルタイ改級補給艦2隻:中型海洋給油船「イリム」、「イジョラ」
オホーツク級航洋曳船:海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」
アムール級工作艦:水上修理所PM-59
オビ級病院船:病院船「イルティシュ」


3月28日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、第66小型ロケット艦大隊所属の小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)も演習へ参加する為に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の小型対潜艦4隻と小型ロケット艦4隻は演習を開始した]
カムチャツカ方面部隊の出航に先立ち、第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264、MT-265ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港周辺で機雷源の掃海訓練を行ないました。

3月29日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・パンテレーエフ」は、カムチャツカに駐留する対潜哨戒機Il-38の協力の下に潜水艦の捜索と対空防衛の演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・パンテレーエフは対潜・対空戦闘演習を行なった]

宗谷海峡の東方海域(オホーツク海西部)には未だ流氷が残っており、演習参加部隊は、太平洋艦隊砕氷船「サドコ」「イワン・スサーニン」、そして民間の『ロスモルポルト』社砕氷船「カピタン・フレブニコフ」に先導されて流氷海域を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の砕氷船は宗谷海峡の結氷海域を通過する艦船部隊を先導した]

3月31日、演習部隊に随伴する中型海洋給油船「イリム」(1972年11月17日就役)と「イジョラ」(1970年4月24日就役)は、4隻の小型ロケット艦(「イネイ」、「モローズ」、「ラズリーフ」、「スメルチ」)駆逐艦「ブイストルイ」へ洋上補給を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦はオホーツク海で洋上補給を行なった]

4月2日以降、クリル諸島南部を含むオホーツク海南部で本格的な実弾射撃演習が始まりました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊は2020年4月2日~8日にオホーツク海南部(クリル諸島南部)で実弾射撃演習を行なう]

太平洋艦隊海軍航空隊も演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦術演習へ20機以上の航空機とヘリコプターが参加する]

更に、ロシア航空宇宙軍遠距離航空隊超音速爆撃機Tu-22M3(イルクーツク州ベラヤ飛行場に駐留する第6952親衛航空基地所属)もオホーツク海へ進出し、カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場に駐留する太平洋艦隊迎撃戦闘機MiG-31BMと共に演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはオホーツク海上空で爆撃機Tu-22M3(バックファイア)を迎撃した]
[ロシア航空宇宙軍遠距離航空隊の超音速爆撃機Tu-22M3はオホーツク海のロシア海軍演習へ参加した]

カーメニ・ルチェイ飛行場に駐留する遠距離対潜哨戒機Tu-142M3オホーツク海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3はオホーツク海の演習へ参加した]

4月6日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264(738)とMT-265(718)は、アヴァチンスキー湾で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の海洋掃海艦は砲撃訓練を行なった]

そして演習の締め括りとして、太平洋艦隊旗艦ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艦「ブイストルイ」は、オホーツク海130㎜連装砲AK-130による陸上砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艦ブイストルイはオホーツク海南部で地上への艦砲射撃訓練を行なった]

砲撃訓練を行なった具体的な場所は明らかにされていませんが、「太平洋エリアの沿岸射爆場」との事ですから、おそらくはクリル諸島南部の何れかの島の太平洋側の海岸でしょう。
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これで演習は完了し、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、と小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)は母港へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊は演習を終えて基地へ戻る]

他の演習参加艦船(沿海地方から来た艦船)も、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港原潜基地ヴィリュチンスクへ寄港したようです。
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戦隊水雷艦「ブイストルイ」は、4月11日にカムチャツカ半島沖で130mm連装砲AK-13030mm6連装機関砲AK-630による実弾射撃を単独で実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦隊水雷艦ブイストルイはカムチャツカ沖で砲撃訓練を行なった]

病院船「イルティシュ」は、津軽海峡を経由して4月13日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはウラジオストクへ帰投した]

4月16日、7隻の大型対潜艦及び小型対潜艦カムチャツカ半島沖で対潜演習を行ないました。
この内、2隻が大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」「アドミラル・トリブツ」であり、あとの5隻は小型対潜艦です。
現在、カムチャツカ方面には6隻の小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)、「メチェーリ」(323)、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)が居ますので、この内の5隻が演習へ参加したようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦と小型対潜艦はカムチャツカ半島沖で対潜演習を行なった]

4月20日、第2親衛ロケット艇大隊(ウラジオストク南部ウリス湾に駐留)所属の6隻のロケット艇(R-14、R-24、R-297、R-20、R-18、R-19)サハリン沖で対空防衛演習を行ないました。
対潜哨戒機Il-38Nが空中標的を投下しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年4月20日6時5分配信
【太平洋艦隊の2個ロケット艇グループは空中目標への砲射撃を実施した】

4月24日、ロケット艇R-14、R-24、R-297、R-20、R-18、R-19大型揚陸艦「オスリャービャ」宗谷海峡を西進して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年4月27日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
ロシア海軍当局からの発表は有りませんが、その後、母基地(ロケット艇ウラジオストク南部ウリス湾大型揚陸艦フォキノ)へ戻ったようです。

4月27日、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、戦隊水雷艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」は、カムチャツカ半島沖で対空戦闘演習を行ない、3隻の小型対潜艦から発射されたミサイル標的「サマン」を、短距離対空ミサイル30mmガトリング砲で撃墜しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はカムチャツカ沖で対空戦闘演習を行なった]

4月30日、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、戦隊水雷艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」は、「太平洋エリア」で沿岸への艦砲射撃訓練を行ないました。

場所は明らかにされていませんが、「太平洋エリア」と言っているので、おそらくは、以前と同様にクリル諸島南部の何れかの島の太平洋側の海岸でしょう。
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