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ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ)の開発作業は中止されていない

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年4月30日17時23分配信
【情報筋:「超ゴルシコフ」の作業は継続されている】

『北方計画設計局』はプロジェクト22350Mフリゲートの開発作業を中止していない。
幾つかのメディアにより拡大されている艦の作成計画の中止という情報は、現実に対応していない。
海軍の高位の情報提供者は『Mil.Press FlotProm』へ話した。


「現在は、技術設計(プロジェクト22350M艦の)の開発時期に関する発注者の決定についての話です:全ての文書の調整と資金の割り当てには、幾ばくかの時間が掛かります。
状況は、作業指示書で解決されます」

彼は付け加えた。

2019年の『北方計画設計局』の最終報告書には、次のような文面がある。
「22350M(フリゲート)の概略設計に基づいて計画された作業の開始について、発注者のその後の決定が不在である」
これを幾つかのメディアは、プロジェクトの閉鎖と誤解しているが、これは間違っていると『Mil.Press FlotProm』の対談者は結論付けた。

2019年12月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは、プロジェクト22350Mフリゲートの作業は2022年に完了すると語った。
その後、トップ艦の起工が待ち受けている。

[問題の歴史]
プロジェクト22350Mフリゲート
は、2014年12月、当時のロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将により公表された。
彼の発言によると、海軍は、少なくとも15隻の基本型及び近代化ヴァージョンのフリゲートの取得を考慮している。
プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」海軍へ補充された2018年7月、『北方計画設計局』による近代化されたプロジェクト22350Mフリゲートの設計の開始がロシア海軍副総司令官ヴィクトール・ブルスクにより公表された。

『北方計画設計局』は、2018年12月28日に「超ゴルシコフ」の草案設計を公式に開始した。
この時、設計局は然るべき契約へ署名した。
海軍の依頼に沿って、主導の順序を含め、既に確定した事前設計作業を行なっている。

2019年12月末、『Mil.Press FlotProm』は、『北方計画設計局』の設計者がプロジェクト22350Mフリゲートの概略設計を完了したと分野の情報筋より伝えられた。
新たなシリーズのトップ艦の建造には4~5年掛かる。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
プロジェクト22350Mフリゲート
は約8000トンの排水量を有し、48基の有翼ミサイル「カリブル」を搭載する。
その弾薬には、更に極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」が含まれる。
動力はロシア製となる。



ロシア海軍の為の1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、現在までにサンクトペテルブルク『北方造船所』で6隻が起工されており、1番艦は2018年7月28日に就役しました。

1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥ゴルシコフ)(艦番号454)は2006年2月1日に起工、2010年10月28日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ引き渡されました。
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[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
その後、2019年2月末から7月末まで世界を一周する遠距離航海を行ないました。
[フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"遠距離航海(2019年2月-7月)]

2番艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」(海軍元帥カサトノフ)(艦番号431)は2009年11月26日に起工、2014年12月12日に進水し、2018年12月下旬から洋上試験が始まり、現在も続いています。
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[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2020年5月末~6月初頭にロシア海軍へ就役する]

3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工され、2020年5月までに進水します。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2020年4月末~5月初頭に進水する]

4番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥イサコフ)は2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]

3番艦は2021年末、4番艦は2022年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦は2021年末と2022年末にロシア海軍へ引き渡される]

1番艦~4番艦はプロジェクト22350フリゲートの第1シリーズ(原型)となります。


建造は4隻で打ち切られる筈だったプロジェクト22350フリゲートですが、2018年7月末に就役した1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」の運用実績を踏まえ、建造が続行される事になりました。

2019年4月23日、プロジェクト22350フリゲートの第2シリーズとなる5番艦と6番艦が『北方造船所』で一斉に起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲート"アドミラル・アメリコ"と"アドミラル・チチャーゴフ"はサンクトペテルブルクで起工された]

プロジェクト22350フリゲート5番艦「アドミラル・アメリコ」起工記念板
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プロジェクト22350フリゲート6番艦「アドミラル・チチャーゴフ」起工記念板
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プロジェクト22350フリゲートの5番艦~8番艦は、有翼ミサイルの発射機が24基に増加します。
1番艦~4番艦は16基ですから、もう8基増やす事になります。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの5番艦以降は24基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]
「アドミラル・アメリコ」は2024年、「アドミラル・チチャーゴフ」は2025年に就役予定です。

2020年にも2隻のプロジェクト22350フリゲート(7番艦と8番艦)が起工されます。
[ロシア海軍は改アドミラル・ゴルシコフ型フリゲートを追加発注する]


その後は、第3シリーズとなる拡大発展型のプロジェクト22350Mフリゲートの建造へと移行します。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)の拡大発展型となるロシア海軍の次世代フリゲートの開発は進められている]

2018年12月25日、『北方計画設計局』は、プロジェクト22350Mフリゲートの草案設計作業の契約へ署名し、艦の大まかな概要を決める草案設計作業が始まりました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350Mフリゲート(改アドミラル・ゴルシコフ型)の草案設計の契約が締結された]

草案設計作業は2019年11月末に完了しました。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の草案設計は完了した]

今後は実際に建造される艦の詳細な設計作業が行なわれ、2022年の完了が予定されています。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の設計作業は2022年に完了する]
その後、プロジェクト22350Mの建造が開始されます。

プロジェクト22350Mの排水量は、以前には6500トン~約8000トンになると言われていましたが、現在では7000トン程度に落ち着いているようです。
[ロシア海軍の将来フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の排水量は6500トンになる]
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(改アドミラル・ゴルシコフ型)の排水量は約8000トンになる]

プロジェクト22350M有翼ミサイルの搭載数は48基と、ベースとなった22350の3倍になります。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(改アドミラル・ゴルシコフ型)は48基の巡航ミサイルを搭載する]

その他の兵装も、大体プロジェクト22350と同じものになるようです。

高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」
[ロシア海軍の新世代高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートの国家試験は完了した]

130mm単装砲A-192M「プーマ」
[A-192-5P-10 130mm砲]

高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」
[ロシア海軍は最初の新型高射複合体パーンツィリ-MEを受領する]

対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷複合体パケート]

視覚-光学妨害ステーション「フィリン」
[ロシア海軍最新鋭のプロジェクト22350フリゲートは視覚-光学妨害ステーションを装備する]


なお、2020年4月、プロジェクト22350Mの開発作業が一時中断されていると報じられ、これが「22350Mは中止された」と一部で誤解されましたが、無論、完全に中止されたわけでは有りません。
[ロシア海軍の次世代水上戦闘艦・原子力駆逐艦リデルとプロジェクト22350Mフリゲートの設計作業は一時中断されている]
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