ロシア海軍はフランス海軍最新鋭原潜の情報を収集していた?
- カテゴリ:ロシア海軍ニュース


『Naval News』より
2020年5月6日配信
【試験中のフランス潜水艦の近くをロシアのスパイ船がウロチョロしていた疑いがある】
フランス海軍最新潜水艦「シュフラン」(Q284)が最初の試験を実施した時、それは世間の注目を浴びた。
世界が殆ど気が付かなかったのは、ロシア船がその海域をウロチョロしていた事であった。
RFS「アカデミック・パシン」(IMO:9778193)は、プロジェクト23130補給給油船である。
潜水艦の本拠地であるシェルブールのすぐ東のロシア船の存在は、公開情報源の分析により観察された。
しかし、潜水艦の試験との関連については、地元の印刷新聞である『ラ・マンシュ・リブレ』によってのみ作られ、5月2日付で記事にされた。
ロシア船は、しかしながら海軍に見過ごされる事は無かった。
「アカデミック・パシン」は、フランスとブリテンの軍艦により監視されていた。
王立海軍は、沿岸哨戒艦HMS「マーシー」が同船と共に「ステレグーシチー」級コルベットRFS「ボイキー」を追跡していたと4月30日に発表した。
「アカデミック・パシン」は、今年1月21日に就航したロシア海軍の最新鋭艦の1隻である。
彼女は補給給油船であり、燃料油、ディーゼル油、航空機用灯油、潤滑油、水、食料、部品を運ぶ。
彼女は空で5000トン、満載で12000トンである。
情報収集船としての彼女の潜在的な第2の役割は確認されていない。
全ての海軍艦艇は、適切なタイミングで適切な場所にいる場合、情報を収集する可能性がある。
ロシア船は4月16日頃にフランス沖へ到着し、フランス領海のすぐ外のセーヌ湾に位置していた。
彼女は、プロジェクト5757洋上救助曳船「ニコライ・チケル」(IMO 8613334)と一緒だった。
これはロシアの軍艦と支援艦にとっては何時もの出没だが、常に注目を集めている。
「アカデミック・パシン」は、3月末にGUGI「調査船」ヤンターリとの最後のランデブーが有った。

地元メディアによると、「シュフラン」は4月27日朝にシェルブールの保護から出た。
『Naval News』は以前、3月の試験が予定されていたが、当時の情報によるとCOVID-19の制限により延期されたと報じた。
私たちは今、公開情報源から、ロシア船が、「シュフラン」が海へ入る前の晩の協定世界時4月26日20時0分にセーヌ湾から進んだ事を知っている。
従って、今、試験の遅延は、ロシア船の存在により影響された可能性が有るという推測も出来るだろう。
「アカデミック・パシン」は、4月27日朝に13ノットでドーバー海峡を通過し、HMS「マーシー」にエスコートされた。
彼女の報告された目的地はムルマンスクである。
ロシア海軍のプロジェクト20380コルベット「ボイキー」は、2020年3月下旬に北海へ進出して演習を行ない、その後、英仏海峡(ラ・マンシュ海峡)海域まで進出していました。
4月30日に英仏海峡を北東方面へ通り抜けました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"は英仏海峡を通過した]
ロシア海軍のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」は、2020年1月21日に就役し、3月上旬にはバレンツ海で洋上補給訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバレンツ海で洋上補給訓練を行なった]
その後、英仏海峡海域まで進出し、4月下旬まで滞在していました。
ロシア海軍の大洋救助曳船「ニコライ・チケル」は、2020年4月初頭にポリャールヌイを出航してクロンシュタットへ向かったラーダ級潜水艦「サンクトペテルブルク」に同行していました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは近代化改装の為にクロンシュタットへ向かった]
その後、「サンクトペテルブルク」と別れて英仏海峡海域まで進出し、こちらも4月下旬まで滞在していました。


これらの艦船が英仏海峡海域に滞在していたのは、シェルブール造船所で建造中のフランス海軍の最新鋭原子力潜水艦「シュフラン」(2007年12月19日起工、2019年7月12日進水、2020年4月27日洋上試験開始)の情報収集の為だったようです。

当初、「シュフラン」の洋上試験開始は2020年3月に予定されていました。
この為、「ボイキー」が英仏海峡付近へ進出し、「アカデミック・パシン」と「ニコライ・チケル」がサポートして、「シュフラン」が洋上試験の為に出航するのを待ち構えていたようです。
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