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ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフは2020年6月に進水する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月15日8時0分配信
【掃海艦「ゲオルギー・クルバトフ」は6月に進水する】

次のプロジェクト12700複合材掃海艦「ゲオルギー・クルバトフ」は6月に進水する。
『Mil.Press FlotProm』は分野の状況に精通した情報提供者より伝えられた。
『中部ネヴァ川造船工場』は艦の進水の準備を既に始めていると彼は付け加えた。


艦は2020年末に海軍への引き渡しが計画されていたが、コロナウイルス感染対策の厳しい措置による今春の制限が故に、期限は数週間遅れる可能性が有り、引き渡し式典は2021年初頭に行なわれる事を対談者は指摘した。

2019年2月、造船所の総取締役ウラジーミル・セレドホは、『Mil.Press FlotProm』のインタビューに対し、艦は2020年春に進水すると予告した。

一方、『クルイロフ国立科学研修センター』は、火災後に復元された掃海艦の船体の強度計算を完了している。
艦の船体は、複合材料の追加の層を形成して修復された。
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その結果、掃海艦の質量は増加するが、10パーセントを超える事は無い。
これは、艦が意図された任務を遂行する事を妨げるものでは無いと海軍の科学者は確信している。
「実施された数量及び実験研究は、限界定格運用荷重作用下で船体の強度の信頼性が保障される事を示しております」

「ゲオルギー・クルバトフ」の起工は2015年4月に行なわれた。
艦は2017年9月の進水が計画されていたが、2016年6月7日に発生した火災による船体の深刻な損傷の除去に関連して遅延した。
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救助隊によると、艦の内部区画の600平方メートルの面積が燃えた。
火災は、最上甲板の両舷の被覆の大部分、甲板表面、補強され外部の床部分、そして10番目と90番目のフレーム間を接続する他の部分に影響を与えた。
「ゲオルギー・クルバトフ」の建造期間は修正された。

プロジェクト12700複合材掃海艦中央海洋設計局『アルマーズ』により、新世代対機雷艦として設計された。
それは、水中音響ステーション(ソナー)、遠隔操作の自動水中無人機を艦上へ配置するが、従来の掃海兵装も使用できる。
更に「アレクサンドリト」は無人艇装備する。



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サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で建造されているロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]


プロジェクト12700の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]


起工から1年以上経った2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。

[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]

この火災により焼けた「ゲオルギー・クルバトフ」ガラス繊維強化プラスチック製船体を修復する為、同艦の進水は延期される事になりました。

「ゲオルギー・クルバトフ」の船体の修復中、同艦よりも後に起工された艦が先に就役、進水しました。

3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した]

4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2017年4月20日に起工され、2019年5月30日に進水し、2019年12月28日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[最新鋭非金属複合材料対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月26日に起工され、2020年1月29日に進水しました。
2020年末の就役が予定されています。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで進水した]


そして本来の2番艦である「ゲオルギー・クルバトフ」の船体の修復は2020年春に完了し、同年6月にようやく進水できる目途が立ちました。

「ゲオルギー・クルバトフ」の就役は、「ヤーコフ・バリャーエフ」より後の2021年初頭になるようです。


現在、プロジェクト12700対機雷防衛艦は7番艦まで起工されています。

6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工されました。
[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

7番艦アナトーリー・シレモフは、2019年7月12日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]

2020年には8番艦が起工されます。

現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
最終的には、30隻以上の建造が計画されています。
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