ロシア海軍バルト艦隊へ6隻のカラクルト級小型ロケット艦が配備される

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年5月18日0時32分配信
【バルト艦隊は6隻の小型ロケット艦「カラクルト」を受け取る】
モスクワ、5月18日-ロシア通信社ノーボスチ
6隻のプロジェクト22800(カラクルト)小型ロケット艦は、近い内にバルト艦隊へ受け入れられなければならない。
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は述べた。
以前、前のロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフは、バルト艦隊への「カラクルト」シリーズの引き渡しは2021年に完了すると述べたが、艦の隻数は明らかにしなかった。
今、バルト艦隊には、このような小型ロケット艦が既に2隻在る~「ムィティシ」と「ソヴィェツク」。
「バルト艦隊の艦の構成は、新世代艦を装備する段階に在ります。
特に、近い将来、バルト艦隊の水上構成には、6隻から成るプロジェクト22800小型ロケット艦のシリーズが補充されます」
国防省情報・マスコミュニケーション部は、エフメノフの談話を引用した。
このような艦の4隻が高射ミサイル-砲対空防衛複合体「パーンツィリ」の海上ヴァージョンを搭載する事を総司令官は指摘した。
この複合体を有する最初の「カラクルト」は、「オジンツォボ」となり、「パーンツィリ」の試験は近い内に予定されている。
総司令官は、5月18日に迎えたバルト艦隊の日に船員を祝福し、合同部隊を「西側の戦略的指向に対する最前の梯団」と言った。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ゲイゼル」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-257)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、『アルマーズ』設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦

22800の最初の2隻:「ウラガーン」(工場番号251)と「タイフーン」(工場番号252)は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。

[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]
「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、2019年10月12日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。

[カラクルト級小型ロケット艦2番艦ソヴィェツクはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
2016年7月29日、『ペラ』造船所で「シクヴァル」(工場番号253)が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」改め「オジンツォボ」は2018年5月5日に進水し、洋上試験の準備が進められています。

[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボは造船所の岸壁で係留試験を開始した]
「オジンツォボ」は2020年末までに就役し、バルト艦隊への配備が予定されています。
この他にも3隻の「カラクルト」がバルト艦隊へ配備されます。
具体的な艦名は明らかにされていませんが、おそらくは、この3隻でしょう。
(クリミア半島のフェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)が『ペラ』造船所の下請けとして船体を建造)
フェオドシヤ造船工場で2016年5月10日に起工された「シトルム」(工場番号254)

[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
「シトルム」改め「コゼリスク」は2019年10月9日に進水し、艤装を行なう為、『ペラ』造船所へ回航されました。
[ロシア海軍の為にクリミアで建造されたカラクルト級小型ロケット艦コゼリスク(シトルム)はサンクトペテルブルクで艤装を行なう]
フェオドシヤ造船工場で2017年3月17日に起工された「オホーツク」(工場番号255)

[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]
2019年10月29日に進水し、艤装の為、『ペラ』造船所へ回航されました。
フェオドシヤ造船工場で2017年12月19日に起工された「ヴィフリ」(工場番号256)

[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]
2019年11月13日に進水し、艤装の為、『ペラ』造船所へ回航されました。
この3隻は2021年末までの就役が予定されています。
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