高射複合体パーンツィリ-Mを装備するカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボはバルト海で洋上試験を開始した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2020年5月20日14時9分配信
【小型ロケット艦「オジンツォボ」は試験を実施する為にバルト海へ出航した】
バルト艦隊の為に造船工場『ペラ』で建造された最新のプロジェクト22800小型ロケット艦「オジンツォボ」は、工場航行試験を実施する為にバルト海へ出た。
その実施中、工場試験実施チームの代表は、艦の乗組員と共に機動性及び速力の試験を行ない、全ての集合体、システム、ユニット、航法及び無線電波装置の動作を点検する。
その後、工場航行試験の次の段階で、乗組員は様々な艦の兵器システムから海上および空中標的への複合射撃を実施する。
工場試験及び国家試験の完了後、小型ロケット艦はバルト艦隊へ加入し、バルチースク海軍基地の小型ロケット艦・ロケット艇連合部隊の一員として用途に沿った任務の遂行を始める。
バルト海の海上射爆場では、定期的にロシア海軍及び外国海軍の為の新たな機材の試験が行なわれている。
これらの活動の支援には、バルト艦隊の艦、支援船、救助部隊、海上航空隊が常に関わっている。
[参照]
小型ロケット艦「オジンツォボ」は、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」~高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-」の海上ヴァージョンを装備する最初のプロジェクト22800艦である。
プロジェクト22800小型ロケット艦は、支隊及び戦闘艦グループの一員として、そして更には単独で海上ゾーンでの任務を遂行する為に意図されている。
それは、高精度兵器(複合体「カリブル」)、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、最新の制御複合体、電波工学兵装、電波通信、航法、電波電子戦闘、対水中工作兵装、携帯式高射ミサイル複合体を装備する。
現在、バルト艦隊には、2隻のプロジェクト22800艦~小型ロケット艦「ムィティシ」と小型ロケット艦「ソヴィェツク」が加わっている。
プロジェクト22800小型ロケット艦の主要兵装は、、8基のミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」の為の汎用艦載射撃複合体3S14である。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の3番艦「シクヴァル」は、2016年7月29日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]
その後、「シクヴァル」は「オジンツォボ」と改名されました。

今回の記事でも触れられていますが、「オジンツォボ」は、プロジェクト22800小型ロケット艦で最初に高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
(1番艦と2番艦はAK-630M 6連装30mm機関砲2基)

当初、「オジンツォボ」は、2019年9月末に造船所の岸壁で係留試験を開始し、2019年12月から洋上試験を開始する予定でした。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦シクヴァル改めオジンツォボは2019年9月末に係留試験を開始する]
[高射複合体パーンツィリ-Mを装備するカラクルト級小型ロケット艦3番艦シクヴァル改めオジンツォボは洋上試験の準備を進めている]
しかし、試験は予定よりも遅れ、結局、係留試験の開始は2020年2月17日にずれ込みました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボは造船所の岸壁で係留試験を開始した]
洋上試験(工場航行試験)の開始も2020年4月に予定されていましたが、5月20日にずれ込みました。
「オジンツォボ」のロシア海軍への引き渡しは2020年末までに予定されており、先に就役した2隻~「ムィティシ」及び「ソヴィェツク」と同様にバルト艦隊へ配備されます。
バルト艦隊には、計6隻の「カラクルト」小型ロケット艦が配備されます。
[ロシア海軍バルト艦隊へ6隻のカラクルト級小型ロケット艦が配備される]
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