ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはビスケー湾を通過する

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年5月31日0時0分配信
【ロシア海軍の大洋調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はビスケー湾の通行に着手する】
将来、主要海軍パレードへ参加するロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、本日・5月31日、ビスケー湾の通行へ着手する。
船上からロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将及びロシア地理学協会センターへ宛てられた報告によると、大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」の全ての設備は正常モードで動作しており、乗組員は健常であり、南極発見200周年及びイワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へと捧げられ、2019年12月から始まった世界一周探検の第6段階の計画の下で任務を遂行している。
「大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは、敬意をもって与えられた任務を遂行しております。
船の乗組員がロシア地理学協会と協同で行なった全ての海洋学研究調査作業、水路調査は綿密に分析され、世界の大洋研究における我が国の業績の歴史への価値ある貢献となります。
船は、7月末の主要海軍パレードへの参加艦船の中に見る事が出来るでしょう」
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は指摘した。
以前、同船には世界一周探検の第6段階の最終任務が与えられた。
その中で大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はアフリカを周回し、クロンシュタットへ到着する。
それは6月上旬になる。
4月30日、大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はセーシェル諸島の泊地で物資を補充し、承認された計画に沿って探検を続けた。
第6段階中に遠征参加者は、移動ルート上の海洋学及び水路学の研究を行ない、特に、ルート上の深度を測定した。

プロジェクト852大洋研究調査船の3番船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、ポーランドのグダニスク造船所で1973年12月1日に起工され、1974年4月4日に進水、1975年5月31日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
1990年から1994年までポーランドでオーバーホールを行ない、その後、バルト艦隊へ転属し、クロンシュタットへ回航されました。
2014年8月18日には北極海遠征に出発し、北極海を横断して10月下旬にはウラジオストクへ入港しました。
その後、太平洋を横断してパナマ運河を通過し、カリブ海へ行き、大西洋を横断して2015年1月17日にクロンシュタットへ帰投しました。
2015年11月6日には南極遠征へ出発し、2016年4月に帰投しました。
この間、アルジェ(アルジェリア)、スエズ(エジプト)、ジッダ(サウジアラビア)、ヴィクトリア(セーシェル諸島)、マダガスカル、マプト(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ)、マラボ(赤道ギニア)、ルアンダ(アンゴラ)、リスボン(ポルトガル)を訪問しました。
南極遠征
帰港
なお、この「アドミラル・ウラジーミルスキー」の南極遠征に関し、全く根も葉もないデマを流布している者達が居ます。
2016年3月21日
【古代プラズマ兵器「ガブリエルの箱舟」ついに発見される!? 現在プーチンが南極に輸送中!】
2016年3月24日
【ガブリエルの箱舟】
2017年3月20日
【ロシア海軍が南極に運んだ究極のプラズマ兵器「ガブリエルのアーク」】
無論言うまでもなく、これらのページに書いてある事は全てデタラメです。
少し・・・頭冷やそうか・・・

2017年12月にはインド洋の調査航海へ出発しました。
なお、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には、2018年3月の時点で17名の女性乗組員が居ました。
(同船は乗組員170名+研究要員80名)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月8日3時1分配信
【(ロシア)海軍総司令官は国際女性デーに艦隊の女性(将兵)への祝辞を述べた】
2018年6月8日に帰投しました。
2018年7月初頭からクロンシュタットでオーバーホール及び近代化改装が始まりました。

オーバーホール完了後、2019年11月に洋上試験を行ない、バルト艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはオーバーホール後の航行試験を開始した]
2019年12月3日にクロンシュタットを出航し、南極調査航海へ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年に南極へ行く]
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極調査航海へ出発した]
2019年12月12日にはポルトガルのリスボンへ寄港し、大西洋中部で2020年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイと大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは洋上で新年を迎える]


2020年1月11日から15日までブラジルのリオデジャネイロを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月15日1時2分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はリオデジャネイロ港への業務寄港を完了した】
2020年1月19日から21日までウルグアイのモンテビデオを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月19日22時15分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへ入った】

その後、北方艦隊のプロジェクト22010海洋学調査船「ヤンターリ」(2015年5月23日就役)と合流し、1月27日に南極のべリングスハウゼン基地へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極大陸へ到着した]

「アドミラル・ウラジーミルスキー」はべリングスハウゼン基地周辺で1ヶ月間に渡り海洋調査を行ない、2月28日に同基地を去り、ウルグアイのモンテビデオへ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極を去り、ウルグアイへ向かった]
3月5日にモンテビデオへ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月5日23時0分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を行なった】
現在、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には20名の女性が乗っています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月7日7時0分配信
【ロシア海軍総司令官は世界一周探検中の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」船上の女性を祝福した】
3月10日にモンテビデオを出航し、再び南極へ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月10日17時56分配信
【大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を滞りなく完了し、再び南極へ進路を取った】
3月16日に再び南極へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは再び南極へ到着した]
4月9日には、2020年3月3日にウラジオストクから南極へ向かった太平洋艦隊の水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」とデュルヴィル海で合流しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年4月9日16時27分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南極で合流した】
デュルヴィル海で「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南磁極の測定を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南磁極を調査した]

その後、「アドミラル・ウラジーミルスキー」は南極を離れてインド洋へ向かい、4月25日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはセーシェル諸島へ到着した]


何時ものパターンなら、ここで各種物資(燃料、水、食料)を補充し、乗組員は上陸する所ですが、今回は全世界的なコロナウイルス流行の為、物資の補充のみを行ない、乗組員の上陸は取り止めとなりました。
4月30日にセーシェル諸島を去り、5月15日には喜望峰沖を通過しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは喜望峰沖を通過した]

5月24日に赤道を通過しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは大西洋上で赤道を越えた]

5月31日にはビスケー湾へ入りました。

「アドミラル・ウラジーミルスキー」は6月上旬にクロンシュタットへ帰投します。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年6月8日にクロンシュタットへ到着する]
その後、7月26日の『ロシア海軍の日』の主要海軍パレード(観艦式)へ参加します。
記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、生誕250周年は2020年11月19日になります。

この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)

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