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ロシア海軍太平洋艦隊へ3隻のプロジェクト22350フリゲート後期型が配備される

『イズベスチヤ』より
2020年6月4日19時21分配信
【「アドミラル」の指示:「ツィルコン」を持つフリゲートは太平洋艦隊を強化する】

新たな戦闘艦は、古いソヴィエトの駆逐艦を代替する。
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最新のプロジェクト22350フリゲート3隻は太平洋艦隊へ向かう。
最初に極東へ定住するのは「アドミラル・アメリコ」になる。
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汎用戦闘艦の登場は、この地域で最も強力かつ現代的な打撃グループの1つの展開を可能にする。
これらのフリゲート極超音速ミサイル「ツィルコン」搭載艦となる。
このような兵器システムは、世界の海軍には未だ1つも無い事を軍事専門家は指摘した。

[旗のデモンストレーション]
太平洋
へのプロジェクト22350フリゲートの配備の基本的な決定は既に採択されていると『イズベスチヤ』軍当局の情報提供者より伝えられた。
最初に極東へ向かうのは「アドミラル・アメリコ」である。
太平洋艦隊は2023年にそれを受け取る予定である。
対談者によると、他に2隻の艦が2025年までに戦略的方向性を強化する。

軍事船員から「アドミラル」シリーズと呼ばれている艦は、合計8隻の生産が計画されている。
北方艦隊太平洋艦隊は3隻の艦を、黒海艦隊は2隻を受け取る。

今、海軍には1隻のフリゲートが含まれている~「アドミラル・ゴルシコフ」
第2の「アドミラル・カサトノフ」は国家試験を完了する。
それは年末までに海軍への引き渡しが予定されている。
第3の「アドミラル・ゴロフコ」と第4の「アドミラル・イサコフ」は、今後2年で海軍へ補充されなければならない。

将来の太平洋艦隊の一員となる「アドミラル・アメリコ」は、「アドミラル・チチャーゴフ」と共に昨年春に起工された。
シリーズの最期の艦の建造は、今年に開始されなければならない。
しかし、これらを起工する公式の式典は、未だ行われてさえいない。
従って、これらのフリゲートは未だ名前を受けていない。

太平洋艦隊の艦は、毎年中国及びインドとの合同演習へ参加している事を軍事専門家ワシーリー・カシンは想い起こした。
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「少なくとも年に2回、艦隊は艦を遠距離航海へ派遣する必要が有ります」
専門家は『イズベスチヤ』へ話した。
「並行して、彼らはソマリア沖でプレゼンスを維持する為の国際活動へ参加しなければなりません。
定期的に、港への寄港を伴う東南アジア諸国沿岸への航海や、ベトナムやシンガポールといったこれら諸国との合同演習が行なわれています」


新たなフリゲートは、古いソヴィエト駆逐艦大型対潜艦を代替し、我々のアジアでのプレゼンスを維持する。
現在、太平洋艦隊には、プロジェクト956駆逐艦と3隻のプロジェクト1155大型対潜艦が有る~これらは全てソヴィエト社会主義共和国連邦時代に建造された。

最新フリゲートは、平時に東南アジアや、その範囲内でのロシアの旗の能力のデモンストレーションの為に最適であると軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフは考えている。
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「太平洋艦隊の部隊は定期的に太平洋及びインド洋水域への航海を行なっており、時には地中海まで到達する事も有ります」
専門家は『イズベスチヤ』へ話した。
「プロジェクト22350フリゲートは、このような任務に最適であり、強力な兵器を持つ美しく現代的な艦です。
惑星の遠隔地での存在は、ロシア海軍の能力の評価を可能にします。
重要なのは、信頼性が有り、良好な航海性能を有する事です。
フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は艦船支隊を率いて世界一周航海を行ない、この時に軍事船員は深刻な故障無く4万海里(少なくとも74000km)以上を航行しました


「アドミラル」海軍へ加入した後、北方艦隊太平洋艦隊は現代的な打撃グループ~各々3隻の同型フリゲートを受け取る。
海軍は、常にこれらの戦略的方向性へ強力な戦力を集中させてきた。
彼らは、特に潜水艦を考慮に入れると、常に黒海艦隊とバルト艦隊の能力を超えており、潜在的な敵の多目的艦及び航空機搭載艦連合部隊の攻撃の撃退の為に意図されていた事をドミトリー・ボルテンコフは指摘した。

[「ツィルコン」の威力]
「アドミラル」
シリーズの全ての代表は、遠海ゾーンで広範囲の任務を遂行できる。
彼らは、船舶、交通線の保護、テロリスト対策及び平和維持活動の実施の為に意図されている。
フリゲートの兵装は、他の艦の対空防衛の保障、揚陸支援、更には様々な地上及び海上目標へ打撃を与える事を可能にする。

新たなフリゲートは、ステルス技術を使用して製造されている。
彼らを見えなくする為、最新の複合構造材料が使用されている。
これに加え、彼らは完全に新しい船体構造及び上部構造物を受け取った。
これら全ての施策は、電波位置測定フィールドの視認性の低減を可能にした。

これらのシリーズ艦は、海軍で最も強力なものの1つである。
新たな汎用艦載射撃複合体3S-14は、有翼ミサイル「カリブル」対艦ミサイル「オーニクス」極超音速ミサイル「ツィルコン」の使用を可能にする。

最後の4隻の「アドミラル」は改善プロジェクトとして建造され、兵装が強化される:艦は、打撃ミサイルの為、16基では無く24基の垂直発射装置を得る。
将来の太平洋艦隊「アドミラル・アメリコ」は、これらのフリゲートの最初とならなければならない。

今、同プロジェクト艦では、最新兵器システムが積極的にテストされている。
今年1月、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海エリアからミサイル「ツィルコン」北ウラルに位置する射爆場の地上目標を撃破した。
射程距離は500kmを超えた事が知られている。
このように、同艦は、極超音速の弾丸を使用した海軍で最初の艦となった。

新たなミサイルは、実質的に傷つけ難い。
それは、マッハ8-9の速度まで加速し、少なくとも距離500kmの目標を撃破する。
最新の対空防衛システムでさえ、速度マッハ2.5が迎撃の為の限界である。
このため、あらゆる既存の敵の対空防衛ミサイルは、これ(ツィルコン)を捕捉、破壊する事は出来ない。

つい先日、「アドミラル・カサトノフ」乗組員は、国家試験の最終段階の枠組みにおいて、バルト海で自身を防護する課題へ取り組んだ。
演習中、小型対潜艦「アレクシン」練習用魚雷フリゲートを攻撃した。
「カサトノフ」乗組員は、対潜複合体「パケート-NK」の助力により攻撃を回避できた。

シリーズの最初のフリゲートは、近代化を待っている。
以前、『イズベスチヤ』は、「アドミラル・ゴルシコフ」の電波電子機器:レーダー、偵察手段、電波電子戦闘複合体の改良が計画されていると記した。
更に、電子機器の中身も更新され、ミサイル複合体「ツィルコン」の信頼できる動作を保障する。



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ロシア海軍の為の1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、現在までにサンクトペテルブルク『北方造船所』で6隻が起工されており、1番艦は2018年7月28日に就役しました。

1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥ゴルシコフ)(艦番号454)は2006年2月1日に起工、2010年10月28日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ引き渡されました。
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[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
その後、2019年2月末から7月末まで世界を一周する遠距離航海を行ないました。
[フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"遠距離航海(2019年2月-7月)]

2番艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」(海軍元帥カサトノフ)(艦番号431)は2009年11月26日に起工、2014年12月12日に進水し、2018年12月下旬から洋上試験が始まり、現在も続いています。
ロシア海軍への引き渡しは2020年末までに予定されています。
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[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で魚雷迎撃魚雷パケートの発射試験を行なった]

3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工され、2020年5月22日に進水しました。
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[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは進水した]

4番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥イサコフ)は2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]

3番艦と4番艦は、ガスタービンエンジンの供給が大幅に遅延した為、建造も遅延しています。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦のガスタービンエンジンはロシア国内で製造されている]

3番艦は2021年末、4番艦は2022年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦は2021年末と2022年末にロシア海軍へ引き渡される]


建造は4隻で打ち切られる筈だったプロジェクト22350フリゲートですが、2018年7月末に就役した1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」の運用実績を踏まえ、建造が続行される事になりました。

2019年4月23日、プロジェクト22350フリゲートの第2シリーズとなる5番艦と6番艦が『北方造船所』で一斉に起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲート"アドミラル・アメリコ"と"アドミラル・チチャーゴフ"はサンクトペテルブルクで起工された]

プロジェクト22350フリゲート5番艦「アドミラル・アメリコ」起工記念板
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プロジェクト22350フリゲート6番艦「アドミラル・チチャーゴフ」起工記念板
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プロジェクト22350フリゲート後期建造艦(5番艦~8番艦)は、有翼ミサイルの発射機が24基に増加します。
前期建造艦(1番艦~4番艦)は16基ですから、もう8基増やす事になります。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの5番艦以降は24基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]
「アドミラル・アメリコ」は2024年、「アドミラル・チチャーゴフ」は2025年に就役予定です。

2020年にも2隻のプロジェクト22350フリゲート(7番艦と8番艦)が起工されます。
[ロシア海軍は改アドミラル・ゴルシコフ型フリゲートを追加発注する]

今後、プロジェクト22350フリゲートは近代化されます。
先ず初めに、1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」極超音速ミサイル「ツィルコン」の運用に関する部分的な近代化改装を行なうようです。
[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]


計8隻の建造が計画されているプロジェクト22350フリゲートは、北方艦隊に3隻、太平洋艦隊に3隻、黒海艦隊に2隻が配備されます。

太平洋艦隊へ配備される最初のプロジェクト22350フリゲートは、2019年4月23日に起工された5番艦「アドミラル・アメリコ」となります。

その後に2隻(つまり6番艦~8番艦の内の2隻)が配備されるとの事ですから、太平洋艦隊へ配備されるのは、全て打撃ミサイル搭載数が増加した(つまり打撃力が強化された)22350フリゲート後期建造艦になります。
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