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ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は全ての洋上試験を完了した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年6月6日21時34分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は国家試験の海上部門を完了した】
サンクトペテルブルク、6月6日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は国家試験の海上部門を完了し、検査を行なう為に『北方造船所』へ戻った。
造船所広報サービスは発表した。

「プロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦アドミラル・フロータ・カサトノフは国家試験の海上部門を完了し、『北方造船所』へ戻りました。
6月中に艦の検査を行ない、その後に海軍へ御引き渡し致します」

声明では、こう述べられた。

バルト海での最終試験中、艦の全ての設計特性、システム及び兵器の動作がテストされ、潜水艦及び航空隊との連携へ取り組み、救助及び避難演習が行なわれた事が指摘された。

「我々はフィニッシュラインに達し、艦にとっての主要イベント~聖アンドレイ旗の掲揚へ近付いています。
この10ヶ月間、艦は2つの艦隊~北方艦隊とバルト艦隊での試験段階を通過し、様々な気象条件と海上の波で作業を行ないました。
試運転チームは乗組員、支援艦隊の要員と共にフリゲートの入念な点検を行ない、今、カサトノフは、国内海軍を強化する現代的で強力な遠海ゾーン艦であると確信をもって申し上げる事が出来ます」

声明では、『北方造船所』総取締役イーゴリ・ポノマリョフの談話が引用された。

来月に掛けて、造船所はメカニズム、主動力装置、装置、特殊機器のメンテナンスを行ない、船体及び内部船室の絶縁材と塗装覆を復元する。
検査が完了した後、フリゲートは監査出航を行ない、国家委員会が受領証書へ署名した後、ロシア連邦海軍への引き渡しを準備する。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、北方艦隊へ加わる。

プロジェクト22350フリゲートは、水上艦、船団、揚陸支隊の撃破、潜水艦の捜索及び破壊、地上目標の破壊、艦船の対空、対潜、対ミサイル防衛、海上揚陸部隊との合同活動、巡視、国境線の保護、民間船及び施設に対する危険な行動や世界の大洋海域で航行する為の脅威の防護の保障を含む広範囲の任務を遂行する為に意図されている。

艦の排水量は5000トン、速力29ノット、航続距離4500海里、自立行動期間30日、乗組員170名。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。
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[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。
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[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。
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そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]

その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した]

バルト海で試験試験を行なっていた「アドミラル・カサトノフ」でしたが、10月上旬にバルト海を出て北方へ向かい、10月中旬に白海へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は試験の為に白海へ到着した]

その後、白海での洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方海域での洋上試験の準備を進めている]

その後、一旦白海海軍基地へ戻った後、11月20日に白海での洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で洋上試験を行なっている]

11月25日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海でヘリコプターの発着試験を行なった]

その後、一旦白海海軍基地へ戻り、11月27日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で兵装の試験を行なう]

11月29日、白海「アドミラル・カサトノフ」は、汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を同時に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で対艦ミサイル"オーニクス"と"カリブル"を同時に発射した]

12月1日(ロシア連邦軍の新年度の初日)、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月8日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスク泊地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ到着した]

12月18日、「アドミラル・カサトノフ」は、再び試験の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海へ出航した]

試験後に一旦基地へ戻った後、12月24日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は兵装試験の為にバレンツ海へ出航した]

しかし、バレンツ海は悪天候の為、予定された試験は一部しか実行できておらず、兵装の射撃試験などは天候回復まで延期される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は悪天候下のバレンツ海で洋上試験を行なっている]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、洋上試験が全て完了しなかった為、2020年に延期される事になりました。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

年が明けた2020年1月11日、「アドミラル・カサトノフ」は、残りの洋上試験を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で最終洋上試験を再開した]

1月14日には沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で沿岸への艦砲射撃を行なった]

2月3日には高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2月9日には電波電子戦闘複合体による電波妨害の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で電波電子妨害試験を行なった]

2月11日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ帰投した]

2月14日、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験などを行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で砲撃試験を行なう]

射撃試験実施後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、2月20日に再び出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で洋上試験を続ける]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月24日に出航しました。
「アドミラル・カサトノフ」は、水中音響複合体(ソナー)対潜兵器の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海でソナーと対潜兵器の試験を行なう]

北方海域(バレンツ海白海)での洋上試験を全て完了した「アドミラル・カサトノフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]

4月14日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト艦隊基地バルチースクへ到着した]

5月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、最終洋上試験を行なう為にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で最終洋上試験を開始した]

6月2日には対魚雷兵器「パケート」(324mm魚雷迎撃用魚雷)の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で魚雷迎撃魚雷パケートの発射試験を行なった]

6月6日、全ての洋上試験を終えて建造元の『北方造船所』へ戻りました。

今後、「アドミラル・カサトノフ」『北方造船所』で検査とメンテナンスを行ない、一度海上へ検査出航した後、ロシア海軍への引き渡しの準備を行ないます。

「アドミラル・カサトノフ」ロシア海軍への引き渡し(就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典の開催)は、2020年7月になるようです。
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