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ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ就役した

本日(2020年6月12日)、プロジェクト955A「ボレイ-A」戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」はロシア連邦海軍へ就役しました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年6月12日配信
【原子力潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」は海軍へ加わった】
モスクワ、6月12日-ロシア通信社ノーボスチ

最新のプロジェクト「ボレイ-A」戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」ロシア連邦海軍へ引き渡された。
金曜日、ロシア国防省広報サービスは発表した。

「ロシアの日の6月12日、セヴェロドヴィンスク企業『セヴマシュ』では、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の主催下で最新のプロジェクト"ボレイ-A"(955A)戦略用途ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルの海軍への受け入れ及び聖アンドレイ海軍旗の掲揚式典が開催されました」
声明では、こう述べられた。

式典には更に、北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフロシア連邦産業・貿易省次官オレグ・リャザンツェフアルハンゲリスク州知事代行アレクサンドル・ツイブリスキーセヴェロドヴィンスクのトップ、イーゴリ・スクベンコ『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコが参加した。

「ロシアの日に、海軍の原子力潜水艦構成へ、最新にして世界に比類無いロケット水中巡洋艦が補充されました。
この出来事は、大洋艦隊を有する偉大な海軍力としてのロシア連邦のステイタスを強調するものであります。
戦略用途水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは、我々の科学者、造船業者の最先端の科学的思考を具現化したものであります」
エフメノフ
の談話が引用された。

戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は、『セヴマシュ』で2012年7月30日にロシア連邦軍最高司令官ウラジーミル・プーチンの臨席下で起工された第4世代原子力潜水艦改善プロジェクト955Aのトップ艦である。

ロシア連邦海軍ドクトリンによると、同プロジェクト潜水艦は将来的に大規模シリーズが建造され、ロシア海洋戦略核戦力の中核を成す。



[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]
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プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦シリーズの4番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]


2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]

2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]

2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]


「クニャージ・ウラジーミル」北方艦隊への配備が予定されております。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。
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「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。

「クニャージ・ウラジーミル」は、本格的な航行試験に先立ち、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から本格的に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]

2019年10月30日未明、「クニャージ・ウラジーミル」は、弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海からカムチャツカ半島へ弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射した]

その後、白海で水上目標への魚雷発射試験を実施しました。

11月8日には白海で水中目標への魚雷発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で魚雷発射試験を行なった]

洋上試験を全て終えた「クニャージ・ウラジーミル」は、11月21日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験を完了した]


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈でした。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、最終洋上試験中に不具合が発覚した為、ロシア海軍への引き渡しは2020年に延期される事になりました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルのロシア海軍への引き渡しは2020年前半に延期される?]

造船所で不具合を修正した「クニャージ・ウラジーミル」は、それを確認、点検する為、2020年5月12日に白海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは検査の為に白海へ出航した]

まず最初に浮上状態で各種試験を行なった後、5月16日から水中での試験を開始しました。

[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で水中試験を開始した]

試験は5月21日に完了し、「クニャージ・ウラジーミル」セヴェロドヴィンスクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海での試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ帰投した]

5月28日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
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[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ納入された]
ただし、これだけでは正式にロシア海軍へ就役したとは見なされません。

正式なロシア海軍への就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、ロシア連邦の祝日『ロシアの日』の6月12日に開催されました。
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[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルは2020年6月12日にロシア海軍へ就役する?]

『ロシアの日』とは、1990年6月12日、当時はソヴィエト社会主義共和国連邦の一員だったロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国(ロシア共和国)の人民代議員大会で国家主権宣言が採択された日です。
『ロシア・ビヨンド』より
2020年6月12日配信
【ロシアの日という祝日はどういう意味があるのか?(動画)】
ソヴィエト連邦解体後の1992年からロシア連邦の祝日となりました。
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