ロシア国防省はロシア海軍の為の新型艦対空ミサイル"トール-MF"の開発に関心を持っている
- カテゴリ:ロシア海軍の艦載兵器

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年6月19日14時22分配信
【ロシア連邦国防省は対空防衛複合体「トール」の海上ヴァージョン作成に関心を持っている】
モスクワ、6月19日、インタファクス
ロシア軍は短距離高射ミサイル複合体「トール-M2」の受領を継続し、このシステムの海上ヴァージョンの作成に関心を持っている。
ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは述べた。

「今日、我々と当社の高射ミサイル複合体トール-M2の供給契約の締結が成立しました。
これは、同社へ2027年までの安定した仕事を与える事を可能にします」
クリヴォルチコは、イジェフスク電子機械工場『クポル』(航空宇宙防衛コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』へ加入)への訪問中に話した。
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部は、彼の談話を引用した。
彼は、2019年に同社は国家防衛発注により計画された全ての製品を供給したと述べた。
「高射ミサイル複合体ファミリー・トールは、シリアで高い効果性を示しており、今日において国防省は、それをベースにした複合体の海上ヴァージョンの作成に関心を持っています」
次官は話した。
ロシア連邦国防省発表によると、クリヴォルチコは将来の中距離及び短距離の高射ミサイル複合体の作成の為の会議を開いた。
「トール-M2」は、近距離対空防衛複合体である。
2015年からロシア連邦陸軍(対空防衛部隊)の軍備である。
15kmまでの距離と10kmまでの高度の対空防衛及び対ミサイル防衛の為に意図されている。
「トール-M2」をベースにして北極圏の為の複合体のヴァージョン~「トール-M2DT」が作成された。
ロシア海軍の個艦防空用高射ミサイル複合体「キンジャール」は、陸上用高射ミサイル複合体「トール-M1」(SA-15ガントレット)の艦載型です。
ミサイル管制レーダー「ポドカート」(右端)

8連装ミサイル垂直発射機

「キンジャール」の開発は1975年からスタートし、プロジェクト1124K小型対潜艦MPK-104に試作品が搭載され、1982年から黒海で試験が行われました。



現在、ロシア海軍のプロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、プロジェクト1155/11551大型対潜艦、プロジェクト11540警備艦が「キンジャール」を装備しています。
一方、陸上タイプの方は、2000年代に改良型の「トール-M2」が開発されました。
「トール-M2KM」は、その最新ヴァージョンです。
そして、海軍の「キンジャール」の代替として、「トール-M2KM」の艦載ヴァージョンである「トール-MF」(M-トール)も開発される事になりました。
[ロシア海軍の為の新型高射ミサイル「M-トール」が開発される]
「トール-MF」は、ロシア海軍の新造艦・新世代艦への装備では無く、既に就役している艦の近代化改装の際に換装する事が想定されています。
[ロシア海軍の為の新型高射ミサイル複合体M-トールの開発は進められている]
2016年10月には、黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の後部ヘリコプター甲板に高射ミサイル複合体「トール-M2KM」を搭載し、海上での発射試験が行なわれています。
一方、艦載用の高射ミサイル複合体「トール-MF」の試作品は、2020年代初頭に完成し、その後で試験が行なわれるようです。
[ロシア海軍の為の新型艦対空ミサイル"トール-MF"の試作品は2020年代初頭に完成する]
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