ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地への移動を準備する

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年6月25日20時40分配信
【戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」乗組員は基地間移動の為に艦を準備する】
6月12日にセヴェロドヴィンスクで聖アンドレイ旗を掲揚した新たなプロジェクト「ボレイ-A」戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は、コラ半島の恒久駐留地点への基地間移動の為に艦を準備する。
6月末、巡洋艦は白海海軍基地から出航し、この数日中に北方艦隊潜水部隊の主要基地~ガジエヴォへ行く。
以前の会議で北方艦隊司令官のロシア英雄アレクサンドル・モイセーエフ中将は、艦隊の管理部及び潜水部隊の部下へ、新たな巡洋艦の今演習年度末(11月末)までの行動を計画する課題を与えた。
戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は、改プロジェクト「ボレイ」~「ボレイ-A」のトップ艦である。
最初の3隻のプロジェクト955巡洋艦との差異は、船体の輪郭、向上した操縦性、低騒音、様々な制御システムである。
その試験は白海とバレンツ海で行なわれた。
巡洋艦の乗組員は、全ての海洋水中兵器システムと主要ミサイル複合体の点検を成功裏に行なった。
2019年10月、白海からカムチャツカの射爆場「クラ」への大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の射撃を実施した。
艦の操作の為、ウラジスラフ・ドルジン1等海佐及びアレクサンドル・マニン1等海佐の指揮下の2組の乗組員が形成されている。
ファーストチームは『ロシアの日』の聖アンドレイ旗初掲揚式典へ参加した。
セカンドチームは、6月24日にムルマンスク英雄市での大勝利75周年記念の軍事パレードの最新部門として公開された。
[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦シリーズの4番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]
2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]
2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
「クニャージ・ウラジーミル」は北方艦隊への配備が予定されております。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。

「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。
「クニャージ・ウラジーミル」は、本格的な航行試験に先立ち、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から本格的に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]
2019年10月30日未明、「クニャージ・ウラジーミル」は、弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海からカムチャツカ半島へ弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射した]
その後、白海で水上目標への魚雷発射試験を実施しました。
11月8日には白海で水中目標への魚雷発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で魚雷発射試験を行なった]
洋上試験を全て終えた「クニャージ・ウラジーミル」は、11月21日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験を完了した]
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈でした。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、最終洋上試験中に不具合が発覚した為、ロシア海軍への引き渡しは2020年に延期される事になりました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルのロシア海軍への引き渡しは2020年前半に延期される?]
造船所で不具合を修正した「クニャージ・ウラジーミル」は、それを確認、点検する為、2020年5月12日に白海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは検査の為に白海へ出航した]
まず最初に浮上状態で各種試験を行なった後、5月16日から水中での試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で水中試験を開始した]
試験は5月21日に完了し、「クニャージ・ウラジーミル」はセヴェロドヴィンスクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海での試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ帰投した]
5月28日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。

[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ納入された]
ただし、これだけでは正式にロシア海軍へ就役したとは見なされません。
正式なロシア海軍への就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、ロシア連邦の祝日『ロシアの日』の6月12日に開催されました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ就役した]
今後、「クニャージ・ウラジーミル」は、母港となるガジエヴォ基地へ移動します。
[ロシア海軍北方艦隊の原潜基地のインフラ更新は進められている]

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