ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフは洋上試験の第1段階を完了した

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年7月22日11時42分配信
【太平洋艦隊の第2の「ワルシャワンカ」の航行試験は完了した】
太平洋艦隊の為に『アドミラルティ造船所』で建造されたプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦「ヴォルホフ」は、工場航行試験を完了した。
7月22日・水曜日、同社広報サービスは発表した。
工場の代理人は、試験は6月18日から7月21日まで続いたと話した。
この間に、潜水艦の水中音響複合体(ソナー)、電波位置測定複合体(レーダー)及び通信複合体、居住保障システム、その他が点検された。
『アドミラルティ造船所』広報サービスは、潜水艦が計画潜航を成功裏に実施した事を指摘した。
全てのシステム及び機構は正常モードで動作し、表明された戦術-技術的特性に沿っていた。
近い内に「ヴォルホフ」は、8月中旬に計画されている国家試験の準備を始める。
その次の段階は、ロシア海軍への潜水艦の引き渡しとなる。
「ロシア連邦太平洋艦隊の為のシリーズ建造は、スケジュール通りに進んでおり、契約上の義務に沿って、2022年には完了させなければなりません」
同社の代理人は強調した。
「ヴォルホフ」は、太平洋艦隊の為に発注されたプロジェクト636.3(コード名「ワルシャワンカ」)ディーゼルエレクトリック潜水艦6隻から成るシリーズの2隻目である。
その1隻目の「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年11月にロシア海軍へ公式に補充された。
「ヴォルホフ」は昨年末に進水した。
係留試験は3月に始まった。
海軍への引き渡しは2020年に計画されている。
2019年11月、『アドミラルティ造船所』では、第3及び第4の潜水艦~「マガダン」と「ウファ」が起工された。
[Mil.Press FlotProm参照]
プロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦は、敵の潜水艦及び水上艦との戦闘の為、更には海軍基地、海上および沿岸交通線の防衛の為に海洋工学中央設計局『ルビーン』が開発した。
潜水艦の全長は73メートル、幅10メートル、限界潜航深度300メートル、水中速力20ノット、自立航行期間45日。
乗組員52名。
潜水艦は6門の口径533mm魚雷発射管、機雷、打撃ミサイル複合体「カリブル」で武装する。
[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]
ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が2014年~2016年に就役しました。
全てサンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』で建造されています。

プロジェクト06363は、プロジェクト877(キロ級)の輸出型プロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果も一部取り入れられています。
[ロシアは第5世代潜水艦の設計作業を始めている]
プロジェクト06363潜水艦は、有翼ミサイル「カリブル」を標準装備しています。
(533mm魚雷発射管から発射する)
黒海艦隊の06363は、既にシリアで有翼ミサイル「カリブル」を実戦使用しています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
そして太平洋艦隊向けにも6隻の06363潜水艦が『アドミラルティ造船所』で建造される事になり、建造契約は2016年9月7日に締結されました。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]
2017年7月28日に最初の2隻~1番艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」と2番艦「ヴォルホフ」が同時に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはサンクトペテルブルクで起工された]
B-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年11月25日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
B-603「ヴォルホフ」は、2019年12月26日に進水しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフはサンクトペテルブルクで進水した]
2020年3月2日から造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフはサンクトペテルブルクで係留試験を開始した]
2020年6月18日には最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフは2020年7月中旬に洋上試験の第1段階を終える]
工場航行試験は7月21日に完了し、「ヴォルホフ」は『アドミラルティ造船所』へ戻りました。

最終洋上試験となる国家試験は8月中旬の開始が予定されています。
国家試験が完了すれば、潜水艦の引き渡しの準備が始まります。
「ヴォルホフ」は2020年11月末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフは2020年にロシア海軍へ就役する]
太平洋艦隊向けの06363の3番艦B-602「マガダン」と4番艦B-588「ウファ」は、2019年11月1日に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦マガダンとウファはサンクトペテルブルクで起工された]
5番艦と6番艦は2020年に起工されます。
太平洋艦隊向けの06363潜水艦6隻の建造は、2022年までに完了します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦6隻の建造は2022年に完了する]
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