ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールはバルト海へ入った
- カテゴリ:プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年7月25日20時52分配信
【ロシア連邦の潜水艦「クラスノダール」はバルト海へ入った】
ロンドン、7月25日、インタファクス
有翼ミサイル「カリブル」を装備するロシアの潜水艦「クラスノダール」は、地中海を通行した後、土曜日に、ウェブカメラによると、デンマークのエーレスンド海峡の橋を通過してバルト海エリアへ入った。
潜水艦には、カテガット海峡で合流したバルト艦隊の救助曳船SB-123が同行している。
デンマーク沿岸に沿ったロシア潜水艦の通行は、デンマーク王立海軍の哨戒艦R521により追跡された。
週の初めにラ・マンシュ海峡を通過した「クラスノダール」には、ブリテン王立海軍の警備艦HMS「タイン」とHMS「マーシー」が同行した。
ブリテンのモニタリングサイトが伝えたように、7月13日、潜水艦「クラスノダール」は地中海からジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出た。
潜水艦「クラスノダール」は、昨年3月からロシア海軍の常設作戦連合部隊の一員として地中海に居た。
それ(常設作戦連合部隊)は、およそ15隻の戦闘艦と支援船で構成される。
ロシアの艦と潜水艦は、一度ならず地中海エリアからシリアの過激派へミサイル「カリブル」による打撃を与えた。
「クラスノダール」は、ロシアのプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」ロケットディーゼルエレクトリック潜水艦であり、黒海艦隊の第4独立潜水艦旅団に所属している。
6隻から成るプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」シリーズの内の4番艦である。
既存の情報によると、潜水艦は計画修理の為にサンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』へ向かう。
プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』で2014年2月20日に起工され、2015年4月25日に進水し、2015年11月5日にロシア海軍へ就役しました。
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]
就役後もバルト海で慣熟訓練を行なっていましたが、2016年4月中旬に「航海中の事故」を起こし、4月20日にバルチースク基地へ戻りました。
ポーランド海軍の潜水艦と衝突したという話も有りますが、ポーランド国防省は否定しました。
「クラスノダール」は事故による損傷を修理する為、また『アドミラルティ造船所』へ戻り、2016年5月上旬から7月9日まで修理が行なわれました。

修理後、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクのネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。

その後もバルト海で慣熟訓練を行なっていたようです。

2017年4月8日、「クラスノダール」はバルト海で有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
「クラスノダール」は、2017年5月初頭に黒海艦隊基地へ向けて出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは黒海艦隊基地への移動を開始した]
「クラスノダール」は浮上状態で航行し、2017年5月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

2017年5月13日にはジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

2017年5月31日、フリゲート「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアのパルミラ(タドムル)のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
2017年6月23日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
その後も地中海東部に留まっていました。
2017年7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアのタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。
2017年8月7日には地中海を離れ、ボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールは地中海を去った]
2017年8月9日、「クラスノダール」はセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールはセヴァストーポリへ到着した]

その後は黒海でのみ行動していた「クラスノダール」ですが、2019年3月12日にセヴァストーポリを出航した後、3月14日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過し、ほぼ1年半ぶりに地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールは地中海東部へ行く]
2019年4月4日、地中海東部で行動中の「クラスノダール」で乗組員の1人が虫垂炎の症状を発し、陸上の病院へ移送するのは間に合わないと判断された為、潜航中の「クラスノダール」艦内で緊急の外科手術が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールで緊急手術が行なわれた]
その後も、1年以上に渡り地中海に留まっていましたが、7月13日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入り、ラ・マンシュ海峡を通過して7月25日にはバルト海へ入りました。
同じく黒海艦隊に所属する同型艦「スタールイ・オスコル」は、2019年4月末から地中海に滞在し、その後、バルト海へ回航され、2020年1月末からクロンシュタットでオーバーホールを行ないましたが、「クラスノダール」も同様のパターンになるようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルは2020年7月に地中海東部へ戻る]
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