ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年8月5日8時30分配信
【北方艦隊北極グループは、9度目の北方海上航路上の航海を開始した】
本日(8月5日)未明、北方艦隊の北極グループの艦船は、主要基地セヴェロモルスクの泊地を去り、バレンツ海へ出た。
9回目となる今年度の北方艦隊部隊の北極航海は、艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将が率いる。
昨日、艦船の乗組員が整列し、短い会合が行なわれ、その中で、艦長及び船長は、与えられた任務を遂行する要員へ餞の言葉を送った。
北極の気象条件に依るが、航海は合計でおよそ2ヶ月半続く。
それには、8隻の艦船が参加する:大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」、海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」、救助曳船「パミール」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、サルベージ船KIL-143、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」。
そして更に、ロシア地理学協会から北極探検総合作業班が参加する。
航海の様々な段階で、北極グループは、北方艦隊の水路調査船、境界線上警備艦、アトムフロートの砕氷船と連携する。
グループの艦船は、北方海上航路の全てのルートを通行し、20回以上の防衛へ指向される合同演習を行なう。
大型揚陸艦「コンドポガ」と「アレクサンドル・オトラコフスキー」に乗り、北方艦隊海軍歩兵部隊の軍用車両が北極へ派遣される。
彼らは、一連の島嶼及び大陸の無防備の海岸への上陸を行なう。
タイミル半島で北方艦隊将兵は、重要な産業施設を防衛する為の兵種間戦術演習へ取り組む。
本日に始まった北方艦隊の北極航海は、大祖国戦争におけるソヴィエト人民勝利75周年へ捧げられる。
艦の乗組員は、1945年5月に国会議事堂の頂上へ掲げられた勝利旗のコピーを持って行く。

この旗は、北極で北方艦隊将兵へ同行する。
昨日、それは、グループの旗艦~大型対潜艦「セヴェロモルスク」へ掲揚された。

ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」
2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。
2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」と大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]
2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]
2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]
2019年8月5日~9月30日には、前回同様大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が、8度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]
そして2020年8月5日、9度目となる北極圏への遠距離航海が始まりました。
指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」
大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、2015年と2017年に続き、3度目の参加となります。
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