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ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは白海で新型兵器の試験を行なう

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年8月12日12時32分配信
【黒海艦隊の哨戒艦は兵器の試験の為にセヴェロドヴィンスクへの移動を行なった】
モスクワ、8月12日、インタファクス

黒海艦隊哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は、兵器の試験の為に北方艦隊への移動を行なった。
北方艦隊は水曜日に発表した。

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「北方艦隊の白海海軍基地へ、海上兵器システムの試験を行なう為、プロジェクト22160哨戒艦のトップ、ワシーリー・ブイコフが到着しました。
それは、内部水路交通線と白海運河システムで白海への移動を行ないました(訳注:内部水路で移動したのは、後述の小型ロケット艦2隻)」
北方艦隊
広報サービスの声明では、こう述べられた。

間もなく、プロジェクト21631小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」プロジェクト22800小型ロケット艦「オジンツォボ」が試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着する。
「全ての艦の試験は、北方艦隊白海海軍基地部隊により保障されます」
声明では、こう指摘された。

哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は、『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で建造され、2017年に進水し、2018年12月に黒海艦隊へ受け入れられた。
艦の標準兵装は、76mm砲装置、高射ミサイル複合体、機関銃である。
任務の特性により、同プロジェクト艦は、様々な兵装システム、特に、汎用・対艦ミサイル複合体を配置できる。

ロシア連邦バルト艦隊小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は、近代化された「ブヤン-M」シリーズの4番艦である。
有翼ミサイル「カリブル」を装備する。

ロシア連邦バルト艦隊の為に建造された小型ロケット艦「オジンツォボ」も又、「カリブル」を装備する。
これは、複合体「パーンツィリ-M」(高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-S」の海上ヴァージョン)を有する最初のプロジェクト22800艦である。
5月にバルト艦隊広報サービスは、小型ロケット艦「オジンツォボ」は今年末に艦隊へ加わると発表した。



プロジェクト22160哨戒艦の1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は、ロシア内陸部に位置するタタールスタン共和国『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年2月26日に起工され、2017年7月23日に進水し、2018年12月20日にノヴォロシースク海軍基地で海軍旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
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就役後、ノヴォロシースク海軍基地で乗組員の慣熟訓練を行ない、2019年1月9日にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはダメージコントロール訓練を行なった]


その後も基地での各種訓練が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上訓練の準備を進めている]

2019年2月25日、「ワシーリー・ブイコフ」は海上での戦闘訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上で砲撃訓練を行なった]

2019年3月7日には、砲撃訓練の他に、有翼ミサイル「カリブル」の模擬発射訓練も行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で戦闘訓練を行なった]

2019年3月8日にはトルコ海軍の艦との合同演習を行ないました。

[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海東岸で合同演習を行なった]

2019年3月20日にはノヴォロシースク海軍基地小型対潜艦「エイスク」(1990年2月28日就役)と共に対空戦闘訓練を行ないました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年3月20日9時23分配信
【ノヴォロシースク海軍基地の艦の乗組員は演習中に対空防衛の問題へ取り組んだ】

2019年3月21日、「ワシーリー・ブイコフ」ノヴォロシースク海軍基地でダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースクでダメージコントロール訓練を実施した]

2019年3月27日にはノヴォロシースク沖で実弾射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク沖で射撃訓練を実施した]

2019年4月5日にセヴァストーポリへ入港しました。
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2019年5月中旬に出航し、5月21日にセヴァストーポリへ帰港しました。
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2019年6月10日、「ワシーリー・ブイコフ」セヴァストーポリを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはバルト海へ向かった]

2019年6月11日には黒海地中海を結ぶボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過する]

その後、地中海へ入って同海域を西進し、2019年6月18日には北アフリカスペイン領セウタへ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはスペインの飛び地セウタへ寄港した]
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2019年6月20日にセウタを出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはスペインの飛び地セウタを去った]

「ワシーリー・ブイコフ」は2019年6月21日にジブラルタル海峡を通過し、大西洋へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入った]

2019年6月25日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは英仏海峡へ入った]

この時、グレートブリテン海軍最新鋭哨戒艦「フォース」「ワシーリー・ブイコフ」を追跡しました。
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その後、「ワシーリー・ブイコフ」バルト海へ入り、2019年7月初頭にクロンシュタットへ到着しました。
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2019年7月10日の「ワシーリー・ブイコフ」


2019年7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)では、クロンシュタットの観艦式へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】



主要海軍パレードが終わった後、クロンシュタットを出航してバルト海を去り、2019年8月8日までに再びラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
今回もグレートブリテン海軍哨戒艦「フォース」が追跡しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは再び英仏海峡を通過した]

2019年9月7日に最新鋭対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」(2019年1月26日就役)と共にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した]

2019年10月15日頃にセヴァストーポリを出航し、10月14日にはボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフはギリシャへ向かった]

2019年10月19日にギリシャピュロス港へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフはギリシャのピュロスを訪れた]
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2019年10月22日にピュロス港を出航し、セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフはギリシャを去った]

2019年10月24日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

「ワシーリー・ブイコフ」は2019年11月初頭にセヴァストーポリを出航し、11月4日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフは地中海へ入った]

2019年11月下旬にはフリゲート「アドミラル・マカロフ」及び救助曳船SB-739と共にアルジェリアを訪れ、アルジェリア海軍と合同演習を実施しました。

[ロシア海軍黒海艦隊は地中海西部でアルジェリア海軍と合同演習を行なった]

2019年12月12日、救助曳船SB-739と共にダーダネルス海峡及びボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年12月12日16時15分配信
【黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフと救助船SB-739は黒海海峡を通行する】

2019年12月14日に母港ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。

2020年1月上旬に黒海で行なわれた北方艦隊黒海艦隊の合同演習へ参加しました。
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは黒海でロシア海軍北方艦隊及び黒海艦隊の合同演習を視察した]


「ワシーリー・ブイコフ」は、2020年7月26日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(サンクトペテルブルクネヴァ川及びクロンシュタット泊地で行なわれる観艦式)へ参加する為にノヴォロシースク海軍基地を出航し、6月18日には黒海地中海を結ぶボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは再びバルト海へ向かった]


7月26日の『ロシア海軍の日』には、クロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。


観艦式が終わった後、「ワシーリー・ブイコフ」クロンシュタットを出航し、ノヴォロシースクへの帰路に就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは『海軍の日』観艦式へ参加した後に黒海へ戻る]

しかし、バルト海を出て北海へ入った「ワシーリー・ブイコフ」は、そのまま南下せずに北上し、8月12日には北方艦隊白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
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「ワシーリー・ブイコフ」は、白海で兵器の試験を行なうとの事です。
試験を行なう兵器の具体的な内容には触れられていませんが、おそらくは、汎用戦闘モジュールコンテナでしょう。
[ロシア海軍の新世代水上艦の為の汎用戦闘モジュールコンテナの試験が始まる]

「ワシーリー・ブイコフ」(プロジェクト22160哨戒艦)は、この汎用戦闘モジュールコンテナを装備できるように設計されているので、同艦で試験を行なうようです。
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