ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年8月14日16時0分配信
【北方艦隊北極グループはエニセイ川の航行へ着手した】
艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北方艦隊の北極グループの艦船は、エニセイ川の河床へ入り、その上流のドゥディンカ港までの航行へ着手した。
グループを構成するのは、部隊の統制を行なっている大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」と「コンドポガ」、サルベージ船KIL-143と砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」である。
救助曳船「パミール」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は、ディクソン港泊地~<ロシア大陸部分の最北端の集落~に残留する。
河川の水路の航行は、通常モードで行なわれる。
数年前、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、エニセイ川の航行を行なった最初の1等艦となった。
明日(8月15日)、北極グループの主力はドゥディンカへ到着する。
そこで彼らは訓練を行ない、その後、「無防備の海岸への海上揚陸部隊の上陸戦闘」と呼ばれる演習を行なう。
9回目の北極航海を行なうグループの艦船は、8月5日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスク市から出航した。
バレンツ海及びカラ海の移動中に北方艦隊将兵は1200海里以上を航行した。
タイミル半島の重要な産業施設を防衛する兵種間戦術演習へ取り組んだ後、北方艦隊将兵はベーリング海までの北方海上航路の東への航海を続ける。
航海が終了し、北方艦隊の北極グループがセヴェロモルスクへ戻ってくるのは、10月後半に予定されている。
軍人と共に、航海へは砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」へ乗るロシア地理学協会の探検隊、更には北方艦隊の水路調査隊が参加しており、北極海の北方海上航路で一連の調査及び観測を行なう。

ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。
2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」と大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]
2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]
2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]
2019年8月5日~9月30日には、前回同様大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が、8度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]
そして2020年8月5日、9度目となる北極圏への遠距離航海が始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]
指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」
北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]
8月10日にタイミル半島のディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]

その後、北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
なお、現在、「セヴェロモルスク」を含め、北方艦隊と太平洋艦隊の計4隻のプロジェクト1155大型対潜艦が遠距離航海を行なっています。
北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、8月初頭から地中海への遠距離航海を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを去った]
太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、8月1日に東南アジアへの遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは東南アジアへの遠距離航海へ出発した]
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