近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは屋外ドックから再進水した



『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年8月18日15時01分配信
【重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は本日に修理及び近代化の第2段階の為にセヴマシュの注水貯水池から艤装岸壁へ出た】
本日・8月18日、『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)では、艦の修理及び近代化の第2段階作業を行なう為、プロジェクト11442M重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」を同社の注水貯水池から艤装岸壁へ出す技術的操作が行なわれた。
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、修理及び近代化中の巡洋艦についての作業部会の結果を受けて述べた。
会議で海軍総司令官は、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化及び修理の全範囲の問題に関する海軍総司令部の専門管理部長からの報告を聞き、『統合造船業営団』との綿密な連携の下で作業スケジュールに厳密に従って、巡洋艦の今後の修理及び近代化の全段階を継続する課題を与えた。
会議では更に、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」が『セヴマシュ』の注水貯水池から艤装岸壁へ出る為の作業が、困難かつ特別な過程であった事が指摘された。
艦は曳船の助力によりゲートを通過し、同社の水域へ出た。
操作は、満水時の限られた時間でのみ実行された。
重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化及び修理の作業は、スケジュール通りに進められている。
艦の修理の最も手間の掛かる段階の1つが完了した。
過去の大型機器、船体構造の問題点洗い出しと取り外し、船室の準備、新たな機器、絶縁材料、ケーブル線や他の据え付け。
近代化中に艦の居住保障システム、電波工学兵装、艦内発電機は交換及び更新され、更に、巡洋艦のミサイル複合体及び砲兵装は交換された。
近代化の結果、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は全く新しい戦術-技術的特性を有し、ロシア海軍の水上構成のポテンシャルを大幅に強化する。
[参照]
プロジェクト1144「オルラン」重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は、1992年まで「カリーニン」という名前だった。

1983年5月17日に『バルト造船工場』で起工され、1986年4月25日に進水した。
1988年12月30日にソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の戦闘編制へ補充された。
1992年4月22日に「アドミラル・ナヒーモフ」と改名された。

プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(1989年4月21日就役、旧名「カリーニン」)は、1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず(核燃料が撤去された程度)、岸壁に係留されていました。

近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の契約が締結された]

2014年10月24日に『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠しました。

[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]
近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]
タービンエンジンはメーカー(サンクトペテルブルクの『キーロフ・エネルゴマシュ』工場)へ送られ、修復されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]
「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)も発注されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]
「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]
「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化改装により新たな情報管理システムが装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る]
2017年から大型機器の設置が始まりました。

[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

近代化される「アドミラル・ナヒーモフ」には、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト-M」、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、そして超音速対艦ミサイル「オーニクス」及び打撃有翼ミサイル「カリブル」を発射できる汎用ミサイル垂直発射機3S-14、対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」、対潜ミサイル複合体「オトヴェート」などが装備されます。
2020年3月末から、以前にメーカー修理へ出したタービンエンジンの取り付けが始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは修復されたタービンエンジンを設置する]

2020年8月18日、「アドミラル・ナヒーモフ」は『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)から再進水し、同社の艤装岸壁へ移動しました。

兵装や電子機器類の殆ど全てを入れ替える「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、当初は2018年末~2019年前半頃に完了すると伝えられましたが、その後、2020年末、2021年末、2022年と何度も延期され、2023年という話も出てきました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022~2023年に完了する]
現在の所、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の完了は2022年末に予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2022年末に近代化改装を終えてロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
近代化された「アドミラル・ナヒーモフ」は、30~40年に渡り現役に留まります。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装を終えた後、30-40年間に渡り現役に留まる]
「アドミラル・ナヒーモフ」に続いて同型艦「ピョートル・ヴェリキー」も近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は限定的なものとなる]
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