プロジェクト23900汎用揚陸艦(イワン・ロゴフ型)の開発・建造元『アク・バルス』のトップは語る


2020年7月20日に起工されたプロジェクト23900汎用揚陸艦を設計、建造する造船コーポレーション『アク・バルス』の総取締役レナート・ミスタホフ氏へのインタビュー。
(プロジェクト23900汎用揚陸艦は、『アク・バルス』傘下の『ゼレノドリスク設計局』が設計し、同じく傘下のケルチ造船工場『ザリフ』で建造される)

『タス通信』より
2020年8月27日14時0分配信
【造船団体『アク・バルス』トップ:我々のヘリコプター母艦は北極圏で動作できる】
2020年7月20日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの臨席の下、ケルチ造船工場『ザリフ』で、『アク・バルス』グループが開発したロシア海軍の現代史上初めての2隻の汎用揚陸艦「イワン・ロゴフ」と「ミトロファン・モスカレンコ」が起工された。
国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2020』において『アク・バルス』総取締役レナート・ミスタホフは、『タス通信』へ、ロシアの艦が遂行する平和任務、それはフランスのヘリコプター母艦「ミストラル」型を超える事について話し、更には、シリアキャンペーンのものとは異なる新世代小型ロケット艦の開発を開始した事を伝えた。
―汎用揚陸艦が建造されるのは何時になりますか?
―工場『ザリフ』は、艦の建造準備を完全に整えており、建造の準備が進められています。
並行して、機器及び資材を供給する供給者との事前契約及び契約の作業が進行中です。
主要な建造は2021年第一四半期に始まります。
我々の2隻の汎用揚陸艦は、以前にフランスの「ミストラル」をベースにして計画された技術プロジェクトとは異なっております。
特に、これらの艦は温暖な海域のみならず、北方海域でも勤務へ就きます。
汎用揚陸艦は、北極ゾーンでの運用要件に沿っております。
砕氷船と共に、これらは氷海でも運用できます。
我々の艦は、更に「ミストラル」とは幅、全高、吃水、機能性、居住性、輸送揚陸能力、揚陸-上陸手段の構成が異なります。
我々の航空グループには10機以上の重ヘリコプターが含まれ、Ka-31、Ka-27ベースの海上ヘリコプターのみならず、更に多目的軍用ヘリコプターも含まれます。
―『カラシニコフ』は、産業貿易省の発注の下で建造されるエアクッション揚陸艦を発表しました。
これは、汎用揚陸艦へ適用されるコンセプトへ協力するものなのですか?
―いいえ。
現在、御客様は、汎用揚陸艦のドック室へ駐留する為の揚陸艇は、どのようなプロジェクトにするのかを考えておりますが、如何なるものであっても試験設計作業の枠組みにおける試験モデルでは有りません。
我々の艦の内部へ配置される高速船は、既にシリーズの枠組みで売り込まれているものでなければなりません。
―艦へ国防省が提示した特別な要件は何でしょうか?
―そこで、再び「ミストラル」との比較になるんですが、我々のプロジェクト艦は、配置される海軍歩兵隊員の数でフランスのヘリコプター母艦を上回っております。
次に、我々の艦は、これらの艦よりも多くの車両を輸送できます。
第三に、揚陸作戦の為、パトロールの為に必要であり、艦尾部分に配置される水上航行手段を、より多く配置できます。
重要な特徴は、航行手段の為の場所へ、必要に応じ、装甲車両、例えば装甲兵員輸送車或いは戦車を配置できる事です。
私達の艦が、ある種の陸上部隊の車両の輸送の枠組みで使用される場合、それは純粋に車両の輸送の為に使用できます。
更に装甲車両は、艦の航空機格納庫のヘリコプター駐留場所にも配置できます。
更に、機材もそこから出入りする事が出来ますし、全ての必要なものが保障されます。
つまり、特定の任務に応じ、移送するグループ及び機材の構成を柔軟に組み合わせる事が出来るのです。
注目して頂きたいのは、私共が「ミストラル」のみならず、中国、オランダ、アメリカなどの揚陸艦の汎用揚陸艦の様々な建造コンセプトを入念に研究した事です。
外国の同類の技術的評価が行なわれました。
課題は、同じ排水量で、より優れた機能性と汎用性を得る事に在りました。
このような課題が『アク・バルス』グループへ与えられました。
当然ながら、私共は御客様の御希望を注意深く見つめました~特定の作戦においてこのような艦を使用する為の必要性。
―多機能性、様々なタイプの作戦において、どのような要望が考慮されたのですか?
地上に配置されている大隊の全ての中隊を一緒に艦へ乗せる事です。
我々は、戦闘任務を遂行する為、大隊の半分を沿岸へ残し、半分を艦へ乗せたりする事は出来ませんし、より多くの機材を載せる事は望んでおりません。
このような理由により、どのようなタイプの作戦へ汎用揚陸艦を使用するのかを検討し、これにより、配置の為に必要な装甲兵員輸送車、戦車、ヘリコプターの数を計画しました。
―パンデミック期間中、国防省は病院船を参加させ、その後、新たなものの入手へ関心を寄せました。
フランスでも、「ミストラル」は人道支援作戦に使用されています。
汎用揚陸艦は、人道支援作戦に使用できるのでしょうか?
―あらゆる軍艦は、平和目的の為に使用できます。
我々の御客様は、今日において、病院船の為にこの艦を編成する問題へ取り組んでいる事を示しました。
何故なら、ヘリコプター母艦には、全ての必要なものが有ります~船室、調理室、独立した船室、ヘリコプター格納庫、ドック室。
従いまして、現在、設計過程において、常設でなければならず、艦内に存在しなければならない医療機器を選択しました。
そして御客様へ私共は、当初に定められた機器、例えば酸素吸入器を常設にする事を提案いたしました。
戦闘作戦には必要無い残りの機器は、汎用揚陸艦には据え付けられません~その為の場所が確保され、配置するオプションが選択されました。
つまり、必要により、汎用揚陸艦は、基本セットに加えて当初に規定された医療機器及び資材で満たされ、完全な病院船へ変わります。
―プロジェクトにおいて、モジュール原則は、どの程度考慮されているのでしょうか?
防衛兵器の迅速な交換や、その構成の変更の可能性は、如何なるものでしょうか?
―このような艦の主要な機能は、遠征部隊の移送と、その揚陸です。
最大限の兵装を試みれば、プロジェクトの費用が跳ね上がり、加えて、あらゆる兵装は、航空団が配置されるべき甲板下の区画が食われます。
現在、汎用揚陸艦には、防衛兵器のみが提供されております~艦首と艦尾の高射ミサイル複合体。
汎用揚陸艦の適用コンセプトは、当初から打撃艦からの護衛、その防護の保障を予定しておりますので、他は全て考慮しておりません。
―航空団のヘリコプターは、艦上配置だけではないと御話しされましたね?
―御客様から与えられた課題は、この艦が陸上部隊と連携出来る事です。
我々に与えられた課題は、海上ヘリコプターのみならず、陸上多目的軍用ヘリコプターを使用できる事であり、他の集団の着艦或いは下船を保障する為、それが一時的にこのような艦へ着艦できるようにしました。
―Ka-52K「カトラン」は汎用揚陸艦で使用されますか?
―Ka-52Kも、汎用揚陸艦への駐留の為に検討されており、そのような課題が与えられています。
(以下はプロジェクト21631やプロジェクト11661の話になるので省略)
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