ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう

『タス通信』より
2020年8月29日21時9分配信
【情報筋:「ツィルコン」発射は9月に「アドミラル・ゴルシコフ」艦上より実施される】
クビンカ/モスクワ州、8月29日/タス通信
ロシアの将来極超音速ミサイル「ツィルコン」の新たな発射は、夏季試験の枠組みで9月にプロジェクト22350「アドミラル・ゴルシコフ」艦上より実施される。
一斉射撃の可能性も検討されている。
『タス通信』は、フォーラム『アルミヤ-2020』の控室で2名の防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「ゴルシコフからの新たなミサイル発射は、9月に計画されております」
対談者の1人は話した。
他の情報提供者は、このスケジュールを確認し、「同時に2基のミサイルを2個の標的へ発射する可能性が検討されています」と指摘した。
『タス通信』は、情報提供者から提示された情報を、公式に確認していない。
今年初め、「アドミラル・ゴルシコフ」はバレンツ海で初めて「ツィルコン」を発射した。
極超音速ミサイルは距離500km以上を飛翔し、沿岸標的へ命中した。
7月末、国防省は、ミサイル「ツィルコン」の試験は計画通りに進んでいると公式に表明した。
当局によると、既に「アドミラル・ゴルシコフ」艦上から行なわれたミサイル発射試験において、ミサイルの射程距離、射撃精度、更には短期極超音速飛行の戦術ー技術的特性が確認された。
[ツィルコン]
2011~2020年の国家軍備プログラムの枠組みでの極超音速ミサイルを有する艦載複合体「ツィルコン」の作成計画は、2011年2月、国防次官の職務に従事していたウラジーミル・ポポフキンにより表明された。
ミサイルの飛翔試験は、メディアによると2015年に始まった。
『タス通信』の情報提供者が指摘するように、2018年末には海上標的に対する10回以上のミサイルの発射試験が完了した。
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2019年2月の連邦教書演説において、ミサイル「ツィルコン」は、およそマッハ9の速度を発揮し、距離1000km以上の水上目標や地上目標を撃破できると述べた。
ミサイル「ツィルコン」発射の為、汎用艦載射撃複合体(UKSK)3S-14が使用される。
この発射装置は、特に、プロジェクト22350フリゲート、プロジェクト20385コルベット、潜水艦の為のヴァージョンはプロジェクト885「ヤーセン」多目的潜水艦が装備する。
1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市の『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
2019年2月末から7月下旬に掛けて世界一周航海を行ないました。
[フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"遠距離航海(2019年2月-7月)]
2019年8月中旬にセヴェロモルスクへ帰投した後、2019年10月中旬のロシア連邦軍の戦略演習『グロム-2019』へ参加し、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]
「アドミラル・ゴルシコフ」は白海で「ミサイル兵器」の試験を行なう事になり、2019年11月23日にセヴェロドヴィンスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海でミサイルの試射を行なう]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]
「アドミラル・ゴルシコフ」は白海で「ミサイル兵器」(極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」)の「試験準備の第1段階」を行なった後、12月26日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]
「アドミラル・ゴルシコフ」は、2020年1月にバレンツ海で極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]
4月2日にセヴェロモルスクを出航し、白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクで部分的な近代化を行なう]
4月4日にセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]

「アドミラル・ゴルシコフ」は、セヴェロドヴィンスクの艦船修理企業(おそらくは艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』)で定期整備と、部分的な近代化改装が行なわれました。
近代化の具体的な内容は明らかにされていませんが、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の運用(発射)に関するもののようです。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクで極超音速ミサイル"ツィルコン"を積載する]
[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]
定期整備と改修を終えた「アドミラル・ゴルシコフ」は、6月27日にセヴェロドヴィンスクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なう為に出航した]
「アドミラル・ゴルシコフ」は、白海で改修後の洋上試験を行ないました。
そして2020年9月には次の「ツィルコン」発射試験を行なう事になりました。
9月の「ツィルコン」発射試験では、2基のミサイルを2個の目標へ同時に発射する事も検討されているようです。
当初、「アドミラル・ゴルシコフ」からの「ツィルコン」発射試験は、2020年春に行なわれる予定でしたが、新型コロナウイルス感染の影響(セヴェロドヴィンスクでも感染者が出ている)の為、7月にずれ込む事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年春に2回目の極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう]
「アドミラル・ゴルシコフ」は、2020年中に更に数回の「ツィルコン」発射試験を行ないます。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を数回行なう][極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021-2022年にロシア海軍へ制式採用される]
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