ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で洋上補給を行なった
- カテゴリ:地中海情勢(2020年)

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年9月15日7時45分配信
【地中海で黒海艦隊の艦の暗い時間帯の海上での物資補充演習が行なわれた】
地中海の海軍常設グループの一員として任務を遂行している黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・マカロフ」は、暗い時間帯に海上で弾薬と食料の在庫を補充する艦上演習を実施した。
演習計画によると、物資-技術サービス供給所へ寄港する事無く指示された任務を途切れなく遂行する為、フリゲートへ必要な物資を海上で補充する決定が採択された。
演習中、フリゲート「アドミラル・マカロフ」は指定海域へ投錨停泊し、その後、艦の乗組員は、無防備の泊地へ停泊する艦の保護及び防衛を保障した。
更に、弾薬と食料を艦上へ移送する為、黒海艦隊の支援船が艦へ接近した。
演習の枠組みで、物資移送の様々な方法へ取り組み、要員は基準を満たし、高い水準の整然とした行動を示した。
海上での物資補充演習は、遠海ゾーンの海軍グループの特別任務遂行計画に沿って実施された。
ロシア黒海艦隊のプロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」(499、2017年12月27日就役)は、同型艦((11356Rの1番艦)「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)と共に2020年2月27日にセヴァストーポリを出航し、地中海へ向かいました。
2月28日にはボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]
先に地中海東部へ入っていた同型艦(11356Rの2番艦)「アドミラル・エッセン」(490、2016年6月7日就役)と合流し、各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった]
4月に入ってからも3隻のフリゲートは一緒に行動していました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で対潜戦闘訓練を行なった]
その後、「アドミラル・マカロフ」と「アドミラル・エッセン」は「アドミラル・グリゴロヴィチ」と別れ、4月9日にダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]
翌4月10日、「アドミラル・マカロフ」と「アドミラル・エッセン」は母港セヴァストーポリへ到着しました。
しかし、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの流行・感染拡大に関連し、「アドミラル・エッセン」と「アドミラル・マカロフ」は、暫くセヴァストーポリ港内の泊地に留め置かれる事になりました。
「アドミラル・エッセン」と「アドミラル・マカロフ」は3月末に外国港(おそらくはキプロスのリマソール港)へ寄港していた為、外国港を出てから14日間は検疫期間として乗組員は陸地へ上陸できず、艦内に留まる事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリ港内へ入った]
「アドミラル・マカロフ」と「アドミラル・エッセン」は艦内の消毒などの措置が行なわれ、4月11日にセヴァストーポリ港埠頭へ入りました。
[地中海東部から戻ってきたロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は検疫措置を終えてセヴァストーポリ埠頭へ係留された]
それから2ヶ月以上経過した2020年6月下旬、「アドミラル・マカロフ」はセヴァストーポリを出航し、6月24日にはボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]
地中海東部へ到着した「アドミラル・マカロフ」は、6月29日に対空防衛及び対水中破壊工作演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で演習を行なった]
2020年7月26日の『ロシア海軍の日』には、シリアのタルトゥース港で行なわれた観艦式へ参加しました。
[シリアのタルトゥース港で『ロシア海軍の日』観艦式が行なわれた]
7月28日には地中海東部で対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]
その後も地中海東部で行動を続け、9月15日未明には洋上補給を行ないました。
「アドミラル・マカロフ」が洋上補給を受けた船の名前は明らかにされていませんが、「黒海艦隊の支援船」との事ですから、6月10日にボスポラス海峡(とダーダネルス海峡)を南下して地中海へ入り、現在も同海域に居る大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(1975年7月19日就役)でしょう。

現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」:2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」:2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」:2020年6月下旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」:2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」:2020年9月初頭から地中海東部に滞在
- 関連記事
-
- ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ派遣される
- ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去る
- ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で洋上補給を行なった
- ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリンは地中海東部(シリア沖)からノヴォロシースクへ帰投した
- ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦イワン・ゴルベツはシリア沖へ到着した
スポンサーサイト