ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフ乗組員はコロナウイルスに感染した

『タス通信』より
2020年9月30日21時39分配信
【軍艦「ピョートル・モルグノフ」乗組員の5分の1がコロナウイルスに感染した】
カリーニングラード、9月30日/タス通信
航行試験の後にカリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)へ戻ってきた大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」乗組員41名の新たなコロナウイルス感染が明らかになった。
水曜日、この地域の伝染病監視運営本部は報道機関へ伝えた。
「昨日(9月29日)、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された大型揚陸艦(ピョートル・モルグノフ)は航行試験から戻ってきました。
COVID-19の臨床検査の結果、艦内の乗組員206名の内、41名が陽性でした。
40名は常設伝染病病院へ入院し、1名は自宅で自己隔離状態に在り、残りの乗組員は艦で隔離されております。
最初の症状が現れた場合、彼らも更に入院する事になるでしょう」
本部は伝えた。
バルト艦隊広報サービスは、感染者の病状は無症状であり、医師は船員の状態を満足のいくものであると評価した事を明らかにした。
地域運営本部によると、9月30日、同州では4387件の新たなコロナウイルス感染が確認されており、この内の54件は過去1日間のものであった。
3312名の患者が全快し、82名が死亡し、1841名は医療監視下のままである。
[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]

プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]
「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]
2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]
その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。
起工から約3年を経た2018年5月25日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

艤装中の「ピョートル・モルグノフ」は、2018年12月末にディーゼル発電機を始動させました。
[ロシア海軍のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはディーゼル発電機を始動した]
造船所の岸壁での「ピョートル・モルグノフ」の係留試験(と乗組員の居住)は2019年5月中旬に始まり、6月中旬には洋上試験の開始が予定されていました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年5月中旬に係留試験を開始する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年6月中旬に洋上試験を開始する]
その後、洋上試験開始時期は2019年9月に延期されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年9月に洋上試験を開始する]
結局、洋上試験(工場航行試験)が開始されたのは2019年12月13日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を開始した]
「ピョートル・モルグノフ」のロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されていましたが、2020年春頃に延期されました。
2020年1月23日、「ピョートル・モルグノフ」はバルト海で洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]
試験を終えてバルチースクへ一旦戻った後、3月19日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した]
海岸への車両の上陸試験と30mmガトリング砲の射撃試験を行なった後、3月30日にカリーニングラードへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海での射撃試験を完了した]
洋上試験は4月中旬の再開が予定されていましたが、5月初頭に延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフの洋上試験は2020年5月上旬以降に再開される]
結局、洋上試験(工場航行試験)が再開されたのは5月25日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を続ける]
バルト艦隊海上航空隊の協力により「ピョートル・モルグノフ」のレーダー(電波位置測定ステーション)などの動作試験が行なわれ、5月29日には兵装の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を実施した]
工場航行試験は6月初頭の完了が予定されていましたが、7月中旬にずれ込みました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは2020年6月上旬に工場航行試験を完了する]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは工場航行試験の最終段階を開始した]
工場航行試験の完了後、「ピョートル・モルグノフ」は最終洋上試験となる国家試験を始める予定でしたが、その前に『ロシア海軍の日』(毎年7月の最終日曜日、2020年は7月26日)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加する事になりました。
[最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはクロンシュタットで2020年7月26日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する]
『ロシア海軍の日』観艦式が終わった後、「ピョートル・モルグノフ」は洋上試験を再開しました。
しかし、9月29日に洋上試験を終えてカリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ戻ってきた「ピョートル・モルグノフ」でコロナウイルスの検査を行なった結果、41名が陽性反応を示しました。
この為、陽性患者は入院し、残る乗組員も艦内に隔離される事になりました。
無論、このような状態では洋上試験の続行は不可能であり、当面の間は中止される事になるでしょう。
「ピョートル・モルグノフ」のロシア海軍への引き渡しの具体的な時期は、現段階では未定です。
プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、2018年6月20日に就役しています。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
以前にはプロジェクト11711の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定でしたが、2隻が追加建造される事になり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」と「ワシーリー・トルシン」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]
この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]
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