ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフは2021年に極東へ回航される


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年10月1日11時10分配信
【情報筋は太平洋艦隊へ最初の「ワルシャワンカ」が何時到着するのかについて話した】
『アドミラルティ造船所』のプロジェクト636.3(コード名「ワルシャワンカ」)ディーゼルエレクトリック潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」と「ヴォルホフ」は、2021年にバルト艦隊から太平洋艦隊への艦隊間移動へと向かう:現在の所は北方海上航路により実施される予定である。
10月1日・木曜日、『タス通信』は造船分野の情報提供者より伝えられた。
対談者によると、おそらく艦隊間移動は、通常は夏季に実施される北方艦隊艦船の次の北方海上航路の年次航海と組み合わせられるだろう。
同時に対談者は、潜水艦の運用上の必要性が生じた場合、艦隊間移動は、より早く南方ルート上(地中海、スエズ運河、インド洋経由)で始まる可能性を排除しなかった。
太平洋艦隊の為に発注された6隻の「ワルシャワンカ」の内の1隻目となる「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年11月に公式に就役した事が想い起こされる。
2隻目の潜水艦「ヴォルホフ」は、2020年7月に航行試験を完了し、その海軍への引き渡しは11月に計画されている。
『アドミラルティ造船所』では、更に2隻のディーゼルエレクトリック潜水艦~2019年11月に起工された「マガダン」と「ウファ」の建造が続けられている。
[Mil.Press FlotProm参照]
プロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦は、敵の潜水艦及び水上艦との戦闘の為、更には海軍基地、海上および沿岸交通線の防衛の為に海洋工学中央設計局『ルビーン』が開発した。
潜水艦の全長は73メートル、幅10メートル、限界潜航深度300メートル、水中速力20ノット、自立航行期間45日。
乗組員52名。
潜水艦は6門の口径533mm魚雷発射管、機雷、打撃ミサイル複合体「カリブル」で武装する。
[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]
ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が2014年~2016年に就役しました。
全てサンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』で建造されています。

プロジェクト06363は、プロジェクト877(キロ級)の輸出型プロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果も一部取り入れられています。
[ロシアは第5世代潜水艦の設計作業を始めている]
プロジェクト06363潜水艦は、有翼ミサイル「カリブル」を標準装備しています。
(533mm魚雷発射管から発射する)
黒海艦隊の06363は、既にシリアで有翼ミサイル「カリブル」を実戦使用しています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
そして太平洋艦隊向けにも6隻の06363潜水艦が『アドミラルティ造船所』で建造される事になり、建造契約は2016年9月7日に締結されました。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]
2017年7月28日に最初の2隻~1番艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」と2番艦「ヴォルホフ」が同時に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはサンクトペテルブルクで起工された]
B-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年3月28日に進水し、8月16日から10月10日までバルト海で洋上試験を行ない、11月25日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
B-603「ヴォルホフ」は、2019年12月26日に進水しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフはサンクトペテルブルクで進水した]
2020年3月2日から造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフはサンクトペテルブルクで係留試験を開始した]
2020年6月18日には最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフは2020年7月中旬に洋上試験の第1段階を終える]
工場航行試験は7月21日に完了し、「ヴォルホフ」は『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフは洋上試験の第1段階を完了した]

最終洋上試験となる国家試験は8月中旬に開始されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフはバルト海で最終洋上試験を開始した]
国家試験が完了すれば、潜水艦の引き渡しの準備が始まります。
「ヴォルホフ」は2020年11月末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフは2020年にロシア海軍へ就役する]
現在の所は「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」も「ヴォルホフ」もバルト海に居ますが、「ヴォルホフ」就役後の2021年には太平洋艦隊基地へ回航されます。
移動ルートは北方海上航路~北極海が予定されており、北方艦隊の北極航海(今年は8月5日から開始)に「相乗り」して行なわれる可能性が高いようです。
ただし、場合によっては南方コース~地中海、インド洋経由で回航される事も有り得ます。
太平洋艦隊向けの06363の3番艦B-602「マガダン」と4番艦B-588「ウファ」は、2019年11月1日に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦マガダンとウファはサンクトペテルブルクで起工された]
5番艦と6番艦は2020年に起工されます。
太平洋艦隊向けの06363潜水艦6隻の建造は、2022年までに完了します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦6隻の建造は2022年に完了する]
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