ロシア海軍北方艦隊の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29はコラ半島で戦闘訓練を行なった
- カテゴリ:ロシアの艦載ヘリコプター

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月11日14時30分配信
【北方艦隊の強襲ヘリコプターKa-29乗員は射爆場で海上目標と沿岸目標を撃破した】
強襲ヘリコプターKa-29乗員は、夏季訓練期間のテスト戦闘訓練活動実施の枠組みにおいて、白海のコラ半島沿岸に位置するルムボフカ射爆場で北方艦隊海軍歩兵の支援任務へ取り組んだ。

ヘリコプターは、仮想敵の艇及び装甲車両を模した標的への無誘導航空ロケット弾の射撃を実施した。
彼らは、数回の捕捉で16発のロケットにより目標を撃破し、更に地上の攻撃からの回避機動へ取り組んだ。
射撃実施後、乗員は北方艦隊の航空・防空軍の独立艦載ヘリコプター連隊の駐留飛行場へ戻った。
ヘリコプターKa-29は、カモフ設計局の輸送-戦闘ヘリコプターである。
それは同軸配置型ローターを有し、艦からの海軍歩兵部隊の上陸、貨物の移送、外部懸架装置への軍用装備、更には海軍歩兵の火力支援、敵の要員、車両、沿岸防御施設の撃破の為に意図されている。
医療後送、人員の移送、母船及び補給船から戦闘艦への貨物移送の為にも使用できる。
輸送ヴァージョンのヘリコプターは、個人用兵器を持つ16名の揚陸隊員、或いは担架の4名を含む10名の負傷者、或いは輸送用キャビンに2000kgの貨物、或いは外部懸架装置へ4000kgの貨物を載せる事が出来る。
ヘリコプターKa-29は、4銃身内蔵可動機関銃、航空機銃、無誘導航空ロケット弾で武装する。
爆弾を搭載できる。

カモフの対潜ヘリコプターKa-27の派生型である戦闘輸送ヘリコプターKa-29は、プロトタイプKa-252TBが1976年7月28日に初飛行した後、1984年から1991年までに『クメルタウ工場』で59機が生産されました。

海軍への軍備採用(制式採用)は1987年8月8日です。
Ka-29試作2号機

ソ連邦時代には、プロジェクト1174大型揚陸艦(イワン・ロゴフ型)へ搭載されていましたが、1990年代以降に1174が退役した為、搭載艦が無くなり、殆どが予備役として保管されました。

現在、ロシア海軍が保有するKa-29は28機であり、2015年頃までは極一部の機体だけが稼働状態に在りましたが、2016年から修復が開始されました。
[ロシア海軍航空隊へ戦闘輸送ヘリコプターKa-29が復活する]
2016年12月、太平洋艦隊向けのKa-29の修理が完了し、沿海地方へ送られました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29が修復された]
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]
2017年11月下旬からバルト艦隊にもKa-29が再配備されました。
なお、2018年4月13日に同艦隊のKa-29が墜落事故を起こしています。
[ロシア海軍バルト艦隊の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29はバルト海に墜落した]
北方艦隊へ再配備されたKa-29の内の数機は、ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」のシリア作戦(2016年11月~2017年1月)へ参加しました。

[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27とKa-29の近代化改修には重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験が生かされる]
北方艦隊のKa-29は、セヴェロモルスク-1飛行場に駐留するキルケネス赤旗・第830独立艦上対潜ヘリコプター連隊(2個混成飛行中隊で構成)へ配備されています。。




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