ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦リャザンは対潜戦闘訓練を行なった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年10月13日11時15分配信
【太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦は演習中に仮想敵潜水艦を破壊した】
戦闘訓練計画に沿って、太平洋艦隊の2隻の原子力潜水艦は太平洋で戦術演習を実施し、その中で対潜任務を果たした。
特に、戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「リャザン」が戦闘訓練射爆場で行動し、仮想敵潜水艦の捜索と破壊へ取り組んだ。
「リャザン」に対抗したのは、太平洋艦隊潜水部隊の原子力水中巡洋艦の内の1隻の乗組員であった。
戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「リャザン」は隠密裏に演習実施ゾーンへ進入し、「敵」潜水艦の探知後、対潜兵器で仮想攻撃した。
この時、乗組員は、実際の魚雷斉射を除く水中の敵を攻撃する際の全ての手順を仕上げた。
更に、反撃から離脱し、水中巡洋艦は斉射後の機動を成功裏に実行した。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト667BDR、K-44「リャザン」】
プロジェクト667BDR(デルタIII級)ロケット水中巡洋艦K-44は1980年1月31日にセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』造船所で起工され、1982年1月19日に進水、1982年9月17日に海軍へ納入、9月18日に海軍旗初掲揚式典が開催され、ソ連海軍へ就役しました。
1982年11月24日、赤旗北方艦隊に編入されました。
翌1983年から1987年まで毎年「自立戦闘任務」(戦略パトロール)を実施し、1987年からはセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれました。
1990年7月28日から1993年12月31日までセヴェロドヴィンスクの「ズヴェズドーチカ」工場で定期修理と近代化が実施されました。
1992年7月3日、「戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1995年6月7日には弾道ミサイルを使ってドイツのブレーメン大学が開発した観測機器を打ち上げました。
1995年12月3日、結氷下の北極圏で浮上した際に損傷し、第10艦船修理工場で修理されました。
1998年1月にリャザン州と後援協定を締結し、同年1月10日に「リャザン」と命名されました。
2005年から2007年まで「ズヴェズドーチカ」で定期整備が行なわれました。
[戦略原潜「リャザン」(デルタIII型)は定期整備を終える]
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」は、定期修理後のテストを終えた]
2008年8月1日、バレンツ海から弾道ミサイルを発射しました。
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」、弾道ミサイル試射]
2008年8月末に北方艦隊原潜基地を出航し、9月30日にカムチャツカへ到着しました。
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」、太平洋艦隊へ回航]
そして「リャザン」は北方艦隊から太平洋艦隊へ転属しました。
2009年10月7日、オホーツク海から弾道ミサイルを発射しました。
[太平洋艦隊のデルタIII型戦略原潜、弾道ミサイル発射]
2011年、修理のために沿海地方ボリショイ・カーメニの「ズヴェズダー」工場へ回航されました。


2015年4月末に「ズヴェズダー」工場の
ドックでの修理作業が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のデルタIII級戦略原潜リャザンのドック修理が始まった]
当初、「リャザン」は2015年末までには修理を終えて復帰する予定だったのですが、2015年12月末になっても修理は終わらず、結局、復帰は1年延びる事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略原潜リャザンは2016年末までにオーバーホールを終えて復帰する]
2017年2月15日にカムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍の戦略用途原子力水中巡洋艦リャザンは近代化改装を終えて太平洋艦隊へ復帰し、カムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ戻った]


2019年10月15日~17日のロシア連邦軍の戦略部隊の演習『グロム-2019』へ参加し、弾道ミサイルを発射しました。
[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]
2020年7月26日の『ロシア海軍の日』にはペトロパヴロフスク・カムチャツキーで行なわれた観艦式へ参加しました。

そして10月13日に対潜戦闘訓練を行ないました。
「リャザン」の相手役を務めた原子力潜水艦の艦名は公表されていませんが、「原子力水中巡洋艦」と記されているので、おそらくは太平洋艦隊所属のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(「トヴェリ」、「オムスク」、「トムスク」)の内の1隻でしょう。
- 関連記事
-
- デルタ級戦略原子力潜水艦は2030年までにロシア海軍から退役する
- ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦エカテリンブルクは2022年に退役する
- ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦リャザンは対潜戦闘訓練を行なった
- ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ヴェルホトゥリエは2020年3月にオーバーホールを開始する
- ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラとカレリアはバレンツ海で演習を行なった
スポンサーサイト