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ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクは地中海で外科手術の訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年10月16日10時45分配信
【黒海艦隊の潜水艦「ノヴォロシースク」の医療スタッフは艦内で外科手術の練習を行なった】

地中海常設海軍グループの一員として任務を遂行している黒海艦隊潜水艦「ノヴォロシースク」の艦内で、仮想負傷した乗組員の組織的外科手術の計画特別練習が行なわれた。

負傷者の役割として最新のロボットシミュレーターが使用され、医療スタッフは、心臓-肺の蘇生、様々なステップの重度の出血と火傷の最初の措置の技量に実地で習熟する事を可能にする。

練習計画によると、潜水艦の区画の1つで火災が発生した。
火災の結果、乗組員の1人は、様々な重度の火傷と、燃焼物による中毒を負った。

「負傷者」へ最初の措置が施され、続いて手術室が配置されている潜水艦のキャビンへ移送された。
艦の閉ざされた空間という条件下で外科医は仮想外科手術を行なった。

練習の最期に潜水艦乗組員は、特殊器具により潜水艦の船体から負傷者を避難させ、更なる治療を行なう為、沿岸の常設病院へ移送する行動へ取り組んだ。

海上での組織的手術練習は、遠海ゾーンの海軍グループの特殊任務遂行計画に沿って行なわれた。

以前の2019年初頭、海で水中位置に居た黒海艦隊潜水艦「クラスノダール」で、初めて緊急外科手術が成功裏に行なわれた。
潜水艦内で軍医は、乗組員の1人の虫垂炎を除去する緊急の外科手術を行なった。

海上の移動状況から算出して、病気の症状は悪化し、速やかに病院へ送り届ける事は不可能であった為、艦隊司令部は、潜水艦で手術を行なう決定を下した。
手術は4時間続いた。
艦が駐留所へ入った後、病状が回復した患者は医療施設へ送り届けられた。

黒海艦隊潜水艦部隊の現代史において、海で水中位置に在る潜水艦の艦内での外科手術は、初めて行なわれた。



黒海艦隊向けプロジェクト06363潜水艦の1番艦B-261「ノヴォロシースク」は、2010年8月20日にサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で起工され、2013年11月28日に進水し、2014年8月22日に正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア海軍へ就役した]

2015年9月28日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはセヴァストーポリへ到着した]

その後は黒海内で行動し、2017年10月6日には有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーは黒海で巡航ミサイル"カリブル"発射訓練を行なった]

その後も黒海で行動していた「ノヴォロシースク」ですが、2019年12月4日にボスポラス海峡を通過し、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクは地中海へ入る]

以後、地中海東部に留まり、2020年7月26日の『ロシア海軍の日』には、シリアタルトゥース港の観艦式へ参加しました。

[シリアのタルトゥース港で『ロシア海軍の日』観艦式が行なわれた]

その後も地中海東部に滞在しており、10月16日には艦内での外科手術訓練が行なわれました。

地中海東部に居る潜水艦の艦内での外科手術(虫垂炎)は、2019年4月初頭に同型艦「クラスノダール」で実際に行なわれています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールで緊急手術が行なわれた]


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2020年9月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「イングシェチア」2020年10月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」2020年9月初頭から地中海東部に滞在
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