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ロシア海軍黒海艦隊の救助深海装置(バチスカーフ)AS-28の近代化改装は完了した

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『タス通信』より
2020年10月17日20時38分配信
【深度1000メートルで動作する救助装置AS-28の近代化は完了した】
モスクワ、10月17日/タス通信

サンクトペテルブルク『カノネルスキー艦船修理工場』は、黒海艦隊の為の救助深海装置AS-28「プリズ」の修理及び近代化を完了した。
土曜日に(ロシア)国防省は発表した。

「サンクトペテルブルクの『カノネルスキー艦船修理工場』は、深度1000メートルまでの海底に横たわる事故潜水艦へ援助を与え、潜水艦乗員を救助する為に意図されている救助深海装置AS-28の修理及び近代化を完了しました」
声明では、こう述べられた。

軍当局によると、修理及び近代化中にAS-28の一連の艇内システムは更新された。
救助深海装置の乗組員及び『カノネルスキー艦船修理工場』の職員は、バルト海エリアで全ての試験段階を実行した。



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プロジェクト1855「プリズ」救助深海装置AS-28は、1982年1月にゴーリキー(現ニジニ・ノヴゴロド)の造船工場『クラースノエ・ソルモヴォ』で起工され、1985年12月10日に進水しました。

1986年1月28日には洋上試験の為に黒海へ到着し、同年7月に国家試験を完了し、8月12日にソ連海軍へ引き渡されました。

1987年6月10日にウラジオストクへ到着し、太平洋艦隊へ編入されました。

1992年6月6日には、新機材の試験の為に再び黒海へ移送され、8月に太平洋艦隊へ復帰しました。

その後はカムチャツカ半島に配備されていましたが、2005年8月4日に潜航した際、漁網と海底ケーブルが引っ掛かって浮上出来なくなりました。

ロシア太平洋艦隊サルベージ船KIL-168などを遭難現場へ派遣し、AS-28に絡まった漁網やケーブルを取り除こうとしましたが失敗しました。

同時にロシアは外国にも支援を求め(日本海上自衛隊も救助船を派遣した)、イギリス無人潜水艇「スコーピオン」がマニピュレーターで絡まったケーブルを切断し、8月7日に浮上しました。
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2006年7月から2007年12月に掛けて造船工場『クラースノエ・ソルモヴォ』で近代化改装が行なわれ、試験の後、2008年4月下旬に太平洋艦隊へ復帰しました。
[小型潜水艇AS-28、現役復帰]
この改装により、AS-28プロジェクト18551へアップグレードされました。


2009年11月6日にタタール海峡で墜落した太平洋艦隊遠距離対潜哨戒機Tu-142M3の捜索活動へ参加しました。
[Tu-142墜落事故]

2015年6月、救助船「サヤヌイ」に載せられてウラジオストクを出航し、地中海へ向かい、同海域で活動した後、9月にセヴァストーポリへ到着しました。
2015年10月下旬から12月下旬にも「サヤヌイ」と共に地中海東部で行動しました。
[セヴァストーポリ海洋工場はロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船サヤヌイのオーバーホールを行なう]

その後、AS-28黒海艦隊へ転属し、母船はロシア海軍最古参の救助船「コムーナ」となりました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船コムーナは黒海で救助演習を行なう]

2019年12月にサンクトペテルブルク『カノネルスキー艦船修理工場』へ移送されて第2次近代化改装工事が行なわれ、2020年10月中旬に完了しました。
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[ロシア海軍は深海捜索救助装置(バチスカーフ)の近代化を進めている]
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