ロシア海軍北方艦隊のヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシリア沖で対潜戦闘訓練を行なった
ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』より
2020年10月21日配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は演習中に給油船「アカデミック・パシン」の護送へ取り組んだ】
演習の筋書きによると、商船は敵の潜水艦に攻撃された。
タルトゥース駐留所から地中海へ入った大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の任務には、潜水艦の発見と破壊が含まれていた。

シリアのバニヤース港付近の沿岸から数キロメートルで、艦の甲板から、大深度でも潜水艦を探知する為の複合電波電子システムが配置されたヘリコプターKa-27が上がった。
海域上空を飛行したヘリコプター乗員は水中目標を探知し、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」へデータを送信した。
艦長は反応深海爆弾で潜水艦を攻撃する決定を下した。
「敵」潜水艦から乗船するかもしれない工作員(戦闘泳者)を無力化する為、艦の周辺海域へ擲弾が浴びせかけられた。
行動する「敵」潜水艦が1隻では無い可能性は排除されなかった。
そして、ここでの作戦へ参加しているグループの艦全ての任務は、深海及び水面の状況を監視し、商船の通行の為の安全海域を作成する事にあった。
演習中、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は給油船「アカデミック・パシン」の護送を行なった。
対空、対艦、対潜防衛、更にはダメージコントロール実施の問題へ、ロシア航空宇宙軍の航空隊と協同で取り組んだ。
演習の結果、ロシアの給油船は指定港へ到達できた。
「敵」部隊は撃破され、ロシア海軍の艦は戦闘当直へ就き続け、地中海東部での民間船舶航行の安全の保証者であり続ける。
北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役/2010年12月7日再就役)は、2020年6月13日にセヴェロモルスクを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]
しかし、バレンツ海とノルウェー海を通過した「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北海からバルト海へは入らず、更に南下してラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは英仏海峡を通過した]
その後、バルト海へ入り、7月26日にクロンシュタットで行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
観艦式が終わった後も母港セヴェロモルスクへの帰路には就かず、そのまま地中海への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ行く]
8月6日にはビスケー湾で潜水艦捜索演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年8月6日22時0分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はビスケー湾で潜水艦の捜索へ取り組んだ】
8月7日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ入った]

8月11日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はアルジェリアの首都アルジェを訪問しました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを訪れた]
8月13日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを去った]
8月16日には地中海(中部)で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海で対潜戦闘訓練を行なった]
その後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は地中海東部へ到着し、8月28日にはキプロス南部のリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは補給の為にキプロスのリマソール港を訪れた]

9月1日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソール港を去った]
その後、北方艦隊の最新給油船「アカデミック・パシン」(2020年1月21日就役)が「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と合流し、9月9日には洋上補給を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部(キプロス南方沖)で最新給油船アカデミック・パシンから洋上補給を受けた]
『MarineTraffic.com』より
【アカデミック・パシン】
9月11日には潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部で潜水艦捜索演習を行なった]

その後も地中海東部に滞在しており、9月30日にも潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは再び地中海東部で潜水艦捜索演習を行なった]
10月17日には救助曳船「アルタイ」と合流しました。

[ロシア海軍北方艦隊のヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部で救助曳船アルタイと合流した]


10月19日にギリシャのピレウス港を訪問しました。
[ロシア海軍北方艦隊のヴィツェ・アドミラル・クラコーフはギリシャのピレウス港を訪れた]
「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、ピレウス港へ寄港する前~おそらくは10月中旬頃に、シリア沖で対潜戦闘訓練を行なっていたようです。
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」:2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」:2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」:2020年9月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「イングシェチア」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」:2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」:2020年9月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「アルタイ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
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