ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクはシリアのタルトゥース港でダメージコントロール訓練を行なった
- カテゴリ:地中海情勢(2020年)
テレビ局『ズヴェズダー』より
2020年11月4日3時0分配信
【生存の為の闘い(ダメージコントロール):潜水艦「ノヴォロシースク」乗組員はタルトゥースで演習を実施した】
ロシアの潜水艦「ノヴォロシースク」乗組員は、潜水艦の生存の為の闘い(ダメージコントロール)へ取り組んだ。
シリアのタルトゥース港で行なわれた演習の計画によると、第1区画で火災が発生し、船員が魚雷甲板へ火災を広げないのには、たった数分間しか掛からなかった。
区画が密閉された後、潜水艦の艦長は窒素による消火を命じた。
ユニークな消火システムは、数分で火炎を処理した。
「窒素消火システムは、人員とその健康状態に影響を与える事無く消火を可能にします。
窒素は区画に入り、それにより酸素を排除します。
酸素は火災を拡大する酸化剤となります。
酸素が排除される事により、火災は消し止められます」
潜水艦「ノヴォロシースク」艦長セルゲイ・ミハイロフは話した。
火災は消し止められたが、船員の1人が一酸化炭素を吸い込んだ。
負傷者はすぐに特殊担架へ固定され、酸素タンクを繋ぎ、その後、最大限迅速に水上へ避難した。
演習は港で行なわれ、救急車を待ち、負傷者を引き渡した。
潜水艦が航行中の場合は、全く別の問題となる。
「海上では遥かに難しく、我々はヘリコプター或いは水上艦で負傷者を避難させる為、航空部隊を呼ばなければなりません」
潜水艦「ノヴォロシースク」医療サービス長エフゲニー・オパリンは説明した。
海上では、しばしば救助を待つ者が居ない為、演習で潜水艦乗員は全ての不測の事態の可能性へ取り組んだ。
乗組員は、艦長が潜水艦を去るように命令するまで、潜水艦の生存の為に闘った。
潜水艦の乗組員が避難する必要がある場合、全ての人員は水力熱繋ぎ服を着用し、その中で船員は冷たい水の中でも1日を過ごす事が出来る。
そして、このような装備は浮力を有しているので、何ら溺れる事は無い。
黒海艦隊向けプロジェクト06363潜水艦の1番艦B-261「ノヴォロシースク」は、2010年8月20日にサンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」で起工され、2013年11月28日に進水し、2014年8月22日に正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア海軍へ就役した]
2015年9月28日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはセヴァストーポリへ到着した]
その後は黒海内で行動し、2017年10月6日には有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーは黒海で巡航ミサイル"カリブル"発射訓練を行なった]
その後も黒海で行動していた「ノヴォロシースク」ですが、2019年12月4日にボスポラス海峡を通過し、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクは地中海へ入る]
以後、地中海東部に留まり、2020年7月26日の『ロシア海軍の日』には、シリアのタルトゥース港の観艦式へ参加しました。
[シリアのタルトゥース港で『ロシア海軍の日』観艦式が行なわれた]
その後も地中海東部に滞在しており、10月16日には艦内での外科手術訓練が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクは地中海で外科手術の訓練を行なった]
11月初頭にはシリアのタルトゥース港でダメージコントロール訓練を行ないました。

現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」:2019年12月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」:2020年9月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「イングシェチア」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」:2020年11月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」:2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」:2020年9月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「アルタイ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
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