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ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは洋上試験の準備を進めている

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年11月5日8時33分配信
【最新掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は航行試験開始へ向けて準備を行なっている】

10月下旬にウラジオストクへ到着した最新のプロジェクト12700(コード名「アレクサンドリト」)「ヤーコフ・バリャーエフ」は、係留試験段階を完了した。
11月5日・木曜日にロシア連邦国防省広報サービスが発表したように、現在、艦は工場航行試験プログラムの下で海上への出航を準備している。


沿海地方首都最新掃海艦は、金角湾『アムール造船工場』艤装基盤の埠頭へ係留された。
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掃海艦の乗組員は既に掃海艦へ居住しており、北方海上航路の長期移動後の同艦の錆止め油の拭き落としを行なった。

2020年末までに掃海艦太平洋艦隊への加入が計画されている。

掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月に起工され、2020年1月に進水した。
これは、『中部ネヴァ川造船工場』が建造したプロジェクト12700(コード名「アレクサンドリト」)の第4の艦となる。
今日において、同社では更なる4隻の「アレクサンドリト」が様々な準備段階に在る:
「ゲオルギー・クルバトフ」「ピョートル・イリイチョーフ」「アナトーリー・シレモフ」、7月24日に起工された「レフ・チェルナヴィン」

排水量約890トンの「アレクサンドリト」型複合材料掃海艦は、主として海軍基地海域での機雷の捜索及び破壊の為に意図されている。
それは、水中音響ステーション(ソナー)、遠隔操作の自動水中無人機を艦上へ配置する。
同時に艦は、従来の掃海兵装も使用できる。

2019年5月、海軍造船・兵装・運用管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、『Mil.Press』記者との対談で、「アレクサンドリト」シリーズは12隻に増加すると発表した。
彼によると、2050年までの造船プログラムにおいて、30隻以上の掃海艦が計画されている。
彼によると、海軍は毎年3隻の「アレクサンドリト」を必要とする。

現在、ロシア海軍の一員として、プロジェクト12700掃海艦「アレクサンドル・オブホフ」「イワン・アントノフ」「ウラジーミル・イェメリヤノフ」が勤務に就いている。



ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


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プロジェクト12700対機雷防衛艦の5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]

艦名の元になったヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフ(1924年6月9日-1945年8月14日)は、1945年8月のソヴィエト-日本戦争に参加した海軍歩兵隊員であり、8月14日に朝鮮北部清津の戦闘で戦死し、21歳の短い生涯を閉じました。
死後、ソヴィエト連邦英雄称号を授与されました。
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「ヤーコフ・バリャーエフ」は2019年12月18日に屋内造船台から出渠しました。


「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員団は、2019年12月末までにカムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊北東軍集団第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの乗組員が編成された]
同旅団の配下には、掃海艦3隻を有する第117水域防護艦大隊が有りますので、「ヤーコフ・バリャーエフ」は、同大隊に配属されるようです。

2020年1月29日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は進水しました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで進水した]

サンクトペテルブルクロシア海軍統合訓練センターでの「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員の訓練は2020年3月下旬に完了し、その後、バルト艦隊へ配備された1番艦「アレクサンドル・オブホフ」で洋上の実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフ乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した]

そして2020年7月31日、「ヤーコフ・バリャーエフ」『中部ネヴァ川造船工場』の艤装岸壁を離れ、太平洋艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは極東へ向かった]

その後、「ヤーコフ・バリャーエフ」北極海へ入りました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはラプテフ海へ入った]
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10月3日にはカムチャツカ半島(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でカムチャツカ半島へ到着した]

そして10月22日にウラジオストク金角湾へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でウラジオストクへ到着した]
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「ヤーコフ・バリャーエフ」は11月初頭までに係留試験を完了し、今後は日本海で洋上試験(工場航行試験と国家試験)を行ないます。

「ヤーコフ・バリャーエフ」は、2020年12月末にロシア海軍への就役が予定されています。
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