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ロシア海軍の為の新世代深海救助装置(バチスカーフ)は北極での運用が考慮される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年11月9日10時0分配信
【新世代救助深海装置の作成には、北極環境での使用が考慮される】

海軍は、近い将来の次世代救助深海装置の作成を進めており、その特性は、北方艦隊及び太平洋艦隊北極圏で使用する可能性を考慮している。
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、海軍の捜索救助保障コンセプトの更なる実現の一連の問題を討議するアドミラルティ地区での作業部会の結果、こう述べた。

「現在、海軍の捜索救助保障コンセプトの第1段階実行計画に沿って、救助深海装置「ブリズ」型(潜航深度1000メートル)及び救助深海装置「べステル」型(潜航深度700メートル)の近代化、計画修理、メンテナンスのシステムが効果的に機能しております」
ニコライ・エフメノフ
大将は話した。
「特に今、北方艦隊の為、『カノネルスキー艦船修理工場』は救助深海装置AS-36べステルの近代化を2021年に完了し、それは北極圏での使用を可能にする一連の新たな特性を持ちます。
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これは、北極で積極的に活動する北方艦隊にとっては重要な事であります。
現在、『カノネルスキー艦船修理工場』の専門技術者は、救助深海装置AS-36べステルの一連のシステムを更新する為の作業を行なっており、その特性の効率は著しく増大し、遭難潜水艦へ援助を与える能力は拡大します。
これは、新たなポジショニングシステム、水中音響捜索システム、遠隔操作システム、更には更新される居住保障システムについての話です」


「海軍は現在、ロシア海軍の軍備として在る救助深海装置の修理、近代化、メンテナンスのプログラムを実行しております。
プログラムは、海軍総司令部が計画設計組織及び業界の企業と共同で開発しております。
プログラムは10年以上の期間が考慮され、近代化及び修理と共に、次世代の救助深海装置の作成が提供されます」
ニコライ・エフメノフ
大将は述べた。

彼は更に、近年、艦隊の捜索-事故救助作業サービスに加わっている6隻の救助深海装置が、企業での近代化及び修理の必要なサイクルを経た事を想い起こした。



現在、ロシア海軍には6隻の深海救助装置(バチスカーフ)が在籍しています。
ソ連海軍時代の1980年代後半に建造された4隻のプロジェクト1855「プリズ」は、2008年~2016年に近代化改装が行なわれ、プロジェクト18551にアップグレードされました。

[北方艦隊]
・AS-36(プロジェクト18270)
:1996年就役/2021年に近代化改装完了予定
母船:救助船「ミハイル・ルドニツキー」(プロジェクト05360、1978年12月就役)

・AS-34(プロジェクト18551):1989年11月30日就役/2016年4月に近代化改装完了
母船:救助船「ゲオルギー・チトフ」(プロジェクト05361、1982年12月就役)

[太平洋艦隊]
・AS-40(プロジェクト18271)
2016年2月1日就役
母船:救助船「イーゴリ・べロウソフ」(プロジェクト21300S、2015年12月就役)

・AS-30(プロジェクト18551):1988年11月12日就役/2013年8月に近代化改装完了
母船:救助船「アラゲズ」(プロジェクト537、1989年1月就役)

[黒海艦隊]
・AS-28(プロジェクト18551)
:1986年8月12日就役/2008年3月に近代化改装完了
母船:救助船「コムーナ」(1915年7月就役)

[バルト艦隊]
・AS-26(プロジェクト18551)
:1987年11月25日就役/2010年9月に近代化改装完了
母船:救助船SS-750(プロジェクト141S、1990年6月就役)


現在は、北方艦隊プロジェクト18270深海捜索救助装置AS-36の近代化改装が進められており、2021年末までの完了が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の近代化改装は2021年に完了する]

プロジェクト1855「プリズ」の中で一番最初に近代化改装されたAS-28は、2019年12月から2020年10月まで『カノネルスキー艦船修理工場』で第2次近代化改装を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の救助深海装置(バチスカーフ)AS-28の近代化改装は完了した]


しかし、プロジェクト18551は就役から既に30年以上が経過しており、今後は後継の新世代深海救助装置(バチスカーフ)の開発が計画されています。
[ロシア海軍の為の新世代深海救助装置(バチスカーフ)が開発される]

この新世代深海救助装置(バチスカーフ)は、北極圏での運用も考慮されます。
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