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ロシア海軍黒海艦隊の救助船コムーナは近代化改装を終えた救助深海装置(バチスカーフ)AS-28を受け入れる

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年11月10日14時36分配信
【黒海艦隊の救助船「コムーナ」は近代化後の深海装置AS-28を受け取る為にセヴァストーポリからノヴォロシースクへ出航した】

黒海艦隊救助船「コムーナ」乗組員は、サンクトペテルブルク艦船修理工場での近代化完了後に鉄道輸送で到着した深海装置AS-28を受け取る為、セヴァストーポリからノヴォロシースク海軍基地への移動を行なう。

救助船AS-28を受け取る為にセヴァストーポリを出航した。
「コムーナ」は、深海装置の標準搭載船である。

AS-28が鉄道プラットフォームから降ろされた後、黒海艦隊捜索-事故救助作業部門の専門家は、装置を進水させ、救助船「コムーナ」へ上げる準備を行なう。
その後、乗組員はセヴァストーポリへの船の移動を行ない、装置は指示された任務の遂行を準備する。

深海装置AS-28は、サンクトペテルブルク艦船修理工場で近代化及び計画修理を行ない、最新の移動制御システム、音響水中通信システム、ビデオ監視装置が設置された。



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プロジェクト1855「プリズ」救助深海装置AS-28は、1982年1月にゴーリキー(現ニジニ・ノヴゴロド)の造船工場『クラースノエ・ソルモヴォ』で起工され、1985年12月10日に進水しました。

1986年1月28日には洋上試験の為に黒海へ到着し、同年7月に国家試験を完了し、8月12日にソ連海軍へ引き渡されました。

1987年6月10日にウラジオストクへ到着し、太平洋艦隊へ編入されました。

1992年6月6日には、新機材の試験の為に再び黒海へ移送され、8月に太平洋艦隊へ復帰しました。

その後はカムチャツカ半島に配備されていましたが、2005年8月4日に潜航した際、漁網と海底ケーブルが引っ掛かって浮上出来なくなりました。

ロシア太平洋艦隊サルベージ船KIL-168などを遭難現場へ派遣し、AS-28に絡まった漁網やケーブルを取り除こうとしましたが失敗しました。

同時にロシアは外国にも支援を求め(日本海上自衛隊も救助船を派遣した)、イギリス無人潜水艇「スコーピオン」がマニピュレーターで絡まったケーブルを切断し、8月7日に浮上しました。
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2006年7月から2007年12月に掛けて造船工場『クラースノエ・ソルモヴォ』で近代化改装が行なわれ、試験の後、2008年4月下旬に太平洋艦隊へ復帰しました。
[小型潜水艇AS-28、現役復帰]
この改装により、AS-28プロジェクト18551へアップグレードされました。


2009年11月6日にタタール海峡で墜落した太平洋艦隊遠距離対潜哨戒機Tu-142M3の捜索活動へ参加しました。
[Tu-142墜落事故]

2015年6月、救助船「サヤヌイ」に載せられてウラジオストクを出航し、地中海へ向かい、同海域で活動した後、9月にセヴァストーポリへ到着しました。
2015年10月下旬から12月下旬にも「サヤヌイ」と共に地中海東部で行動しました。
[セヴァストーポリ海洋工場はロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船サヤヌイのオーバーホールを行なう]

その後、AS-28黒海艦隊へ転属し、母船はロシア海軍最古参の救助船「コムーナ」となりました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船コムーナは黒海で救助演習を行なう]

2019年12月にサンクトペテルブルク『カノネルスキー艦船修理工場』へ移送されて第2次近代化改装工事が行なわれ、2020年10月中旬に完了しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の救助深海装置(バチスカーフ)AS-28の近代化改装は完了した]

その後、サンクトペテルブルクから鉄道でノヴォロシースクへ運ばれました。

そしてAS-28を受け入れる為、母船である救助船「コムーナ」セヴァストーポリを出航し、ノヴォロシースクへ向かいました。
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