ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で洋上試験を開始した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年11月13日7時9分配信
【太平洋艦隊の為の最新掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、日本海での工場航行試験及び国家試験の為に出航した】
最近、北方海上航路を移動した後にウラジオストクへ到着した最新のプロジェクト12700機雷掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、初めて沿海地方首都の『アムール造船工場』艤装基盤の埠頭を去り、工場航行試験及び国家試験の為に出航した。
太平洋艦隊の海上戦闘訓練射爆場での一連の試験中、乗組員は業界の代表と共に、海上での掃海艦のシステム及びメカニズムの動作性能、動力装置、操舵装置、補助機械、通信手段、探知手段、航法手段、投錨装置の動作を点検する。
更に、艦の兵装の試験が行なわれる。
プロジェクト12700掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、同プロジェクトの5隻目であり、4隻目の生産艦である。
同艦は、ソヴィエト連邦英雄の太平洋艦隊海軍歩兵の水兵ヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフに敬意を表して命名された。
新たな艦は、全ての種類の最新の機雷へ対処する為に意図されており、一体ガラス繊維強化プラスチックで製造されたユニークな船体を持ち、最新の水中音響ステーション及び対機雷行動自動管理システムを装備する。
排水量-890トン、全長-62メートル、幅-10メートル。
最大速力-16ノット、乗組員-44名。
ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700対機雷防衛艦の5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]
艦名の元になったヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフ(1924年6月9日-1945年8月14日)は、1945年8月のソヴィエト-日本戦争に参加した海軍歩兵隊員であり、8月14日に朝鮮北部の清津の戦闘で戦死し、21歳の短い生涯を閉じました。
死後、ソヴィエト連邦英雄称号を授与されました。

「ヤーコフ・バリャーエフ」は2019年12月18日に屋内造船台から出渠しました。
「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員団は、2019年12月末までにカムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊の北東軍集団の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの乗組員が編成された]
同旅団の配下には、掃海艦3隻を有する第117水域防護艦大隊が有りますので、「ヤーコフ・バリャーエフ」は、同大隊に配属されるようです。
2020年1月29日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は進水しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで進水した]
サンクトペテルブルクのロシア海軍統合訓練センターでの「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員の訓練は2020年3月下旬に完了し、その後、バルト艦隊へ配備された1番艦「アレクサンドル・オブホフ」で洋上の実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフ乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した]
そして2020年7月31日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は『中部ネヴァ川造船工場』の艤装岸壁を離れ、太平洋艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは極東へ向かった]
その後、「ヤーコフ・バリャーエフ」は北極海へ入りました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはラプテフ海へ入った]

10月3日にはカムチャツカ半島(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でカムチャツカ半島へ到着した]
10月22日にウラジオストクの金角湾へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でウラジオストクへ到着した]

「ヤーコフ・バリャーエフ」は11月初頭までに係留試験を完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは洋上試験の準備を進めている]
そして11月13日、日本海で洋上試験(工場航行試験と国家試験)を行なう為に初めて出航しました。
「ヤーコフ・バリャーエフ」は、2020年12月末にロシア海軍への就役が予定されています。
- 関連記事
-
- ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で射撃試験を行なった
- ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で最終洋上試験を開始した
- ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で洋上試験を開始した
- ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは洋上試験の準備を進めている
- ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された
スポンサーサイト